琉球ゴールデンキングスの新指揮官”コーチ・マック” アンソニー・マクヘンリーAHCが会見 [2026.07.20]

7月20日、琉球ゴールデンキングスの新指揮官 アンソニー・マクヘンリーAHC(アソシエイトヘッドコーチ)の就任記者会見が沖縄サントリーアリーナで行われた。

就任会見に登壇したアンソニー・マクヘンリーAHC (右)と、安永淳一GM (左)

目次

キングスのレジェンドが指揮官として「帰還」

琉球ゴールデンキングスの礎を築いた背番号「5」、アンソニー・マクヘンリーが指揮官としてサイドラインに帰還した。

会見の冒頭、安永淳一GMによりマクヘンリーAHCは現在、国内最高位である「S級ライセンス」の取得過程にあり、規約上、公式な役職名は「アソシエイトトヘッドコーチ(AHC)」となる。安永GMはマクヘンリーAHCを「実質的な指揮官である」と話し、全幅の信頼を感じさせた。

安永GM:マクヘンリーコーチは皆さんもご存知の通り、2008年から沖縄でずっとキングスのために一緒に戦ってくれました。キングスのことを最もよく知っている人の1人だと思います。アシスタントコーチとしてチームを支えて、このたび指揮を執ることになりました。

マクヘンリーAHCも、いつもの笑顔で就任の挨拶をした。

マクヘンリーAHC:私は選手として、そしてコーチとしてもキングスと長く関わってきました。キングスの長い歴史の中で、このチームの指揮官になることにすごくワクワクしていますし、Bプレミアにインパクトを与えられるようなシーズンにしたいです。

バスケットボールは「エンターテインメント」でなければならない

マクヘンリーAHCが掲げる哲学は明確だった。「勝つこと」を大前提としつつ、バスケットボールの価値は「エンターテインメントでなければならない」と語った。

マクヘンリーAHC:初日の練習で戻ってきてくれた選手、そして新しくチームに加わる選手たちと共に、新体制としてシーズンに向けて練習を積み重ねていくにつれて、速いペースのバスケット、そして多くのボールムーブメントがあるバスケットボールを作り上げたい。バスケットボールというのはエンターテイメントのスポーツビジネスだと思っているので、ファンの皆様がワクワクできるような3ポイントやダンク、そしてアリーナに訪れる皆さんを楽しませるバスケットができるかなと思っています。

3ポイントシュートやダンクでアリーナを魅了して、絶え間なくボールを動かす「超高速バスケットボール」。安永GMも「マックが来沖した2008年当時のプレイスタイル、スピードあるバスケットボールに挑戦したい」とBプレミアの幕開けと共にキングスの原点回帰を目指す。

新加入のデイビッド・ヌワバやグラント・ジェレット、キーファー・ラベナなどは走力もあり「超高速バスケットボール」にピッタリと合致する補強だといえる。今季のキングスはよりアグレッシブで、沖縄サントリーアリーナを沸かせるような魅力溢れるプレーが増えるだろう。

「日本人選手が輝く」キングスであり続ける

Bプレミアでは外国籍選手のオンコートルール変更され、チーム登録可能な3人の外国籍選手は制限なく同時にコートに立つことができる。このルール変更は、各チームの選手編成、戦術は大きく変化すると予想される。

だがBプレミアでの外国籍ルールの変更について問われると、マクヘンリーAHCと安永GMは確固たる見解を示した。

「Bリーグは日本のリーグであり、日本人の選手が輝くべき」

安永GM:ルールの変化に合わせていくことは大事ですが、その制度やルールの盲点を突いて戦うという考えはありません。マクヘンリーAHCとオンザコートのルール変更について話したった時、彼がまず最初に言ってくれたことは、『Bリーグは日本のリーグであり、日本のバスケットだから、やはり日本人選手が輝かないといけないよね』ということでした。 その考え方も彼に指揮官を任せた理由でもあり、何が何でもいいから勝つのではなく、こだわりを持って勝つ、そんな我々であってほしいと思っています。外国籍選手や日本人選手の起用はコートの状況に応じて変わりますが、チームのコンセプトとして、日本人選手中心を考えることは大切であり、それを重んじていきます。

外国籍選手の優位性を追求するのではなく、日本人選手がいかにコート上の主役となり、チームを勝利に導けるか。マクヘンリーAHCは「我々が日本人選手を輝かせるバスケットボールを見せることで、沖縄のバスケットボールそして日本のバスケットボールをより前進させたい」と力強く語った。

「積み重ねの文化」によるアイデンティティの継承

新体制において注目すべきは、かつてキングスで戦った選手やスタッフが、再び集結している点である。安永GMはこれを「積み重ねの文化」と表現した。多額の資金で即席のチームを作るのではなく、キングスのスタンダードを共有する者が自然と引き寄せられる組織でありたい。「沖縄を愛する者が集まって勝つ」という美学は、強固なアイデンティティとなっている。

安永GM:キングスというのは、積み重ねる文化が本当に一つ一つ積み重ねて沖縄を作るような、そういったチームです。一人一人のファンの方々、支えてくれるパートナー企業の方々、多くの方々が集まった力がキングスだとおもっています。

キングスの積み上げというのは、ある年に選手を集めてスーパースター軍団になって優勝を狙う、というものではありません。キングスのことが好きで、沖縄が好きで、沖縄を愛しているからキングスに来てくれる。

マクヘンリーも10年前キングスの選手としてのキャリアが終わって、その後に信州で活躍して、またこうやってキングスに帰ってきてくれました。桶谷さんや佐々さんもキングスで素晴らしい結果を残して、そして戻ってきてくれました。今回の選手編成であれば、山内盛久選手もそのケースです。

「みんながキングスに繋がっている」ということが非常に大切だと思っています。選手の次はコーチ、と簡単に決めるのではなくて、やはり戻ってきたい、戻ってくる場所であるキングスになりたいというのが一番です。

そして戻ってきていただく時に、マクヘンリーコーチに関してはアシスタントコーチという形で戻ってきてもらい、そこから階段をまた上がっていきました。キングスを経験した人は、離れたとしても、またキングスが帰る場所として帰ってこれるような、そういった価値を大切にしていきたいと思っております。

「We」に基づくチームリーダーシップ

マクヘンリーAHCの言葉の主語は常に「We(私たち)」だった。マクヘンリー新体制のキングスは、その言葉に集約されるのではないか。「個々ではなく、全てを一緒に行う(We do everything together)」。特定の個人ではなく、チーム、沖縄のコミュニティ、そしてファンを含めた全員の成果を目指す姿勢である。マクヘンリーはその戦術のみならず、日本での豊富な選手キャリアを通じて、チーム選手の心理的状況に寄り添う「共感力」が強みとなる。そして具体的なチーム目標として以下を掲げた。

  • 日々の成長(スタンダードの向上)
  • 昨季を上回るレギュラーシーズン44〜45勝以上
  • タイトル(Bリーグ、天皇杯、EASLのいずれか)の獲得

Bプレミア「新生キングス」の幕開け

マクヘンリー新体制は、キングスの歴史への敬意を持ち続け、さらにBプレミアという新時代に「超高速バスケットボール」で新生キングスを宣言するつもりだ。

レジェンドから真のリーダーへと脱皮した”コーチ・マック”が率いるチームは、沖縄の地に新たな熱狂を巻き起こせるか。「昨季はあと一歩のところで頂点に届かなかった。自分たちがアンダードッグとしてハードにプレーするメンタリティを持ちシーズンを戦い抜くというメッセージを届けたい」という決意とともに、今シーズンのキングスは次なるステージへと踏み出す。

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