(文:湧川太陽、写真:Tomohiko Sato)
横浜ビー・コルセアーズ#5 河村勇輝が躍動している。2022年12月は月間平均19.7得点、9アシストを記録して「B.LEAGUE Monthly MVP」に選出された。
河村は、2023年1月7日(土)に行われた横浜ビー・コルセアーズvs琉球ゴールデンキングスGAME1でも、13得点11アシストのダブルダブルの活躍。横浜BCは2018-19シーズン以来となるキングス戦勝利となった。続く1月8日(日)のGAME2はキングスに敗れたものの、横浜BCの速いトランジションゲームを引っ張り続けた。
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キングスとの2試合で感じたのは、河村のポイントガードとしての成長と、エースとして仲間の信頼を集めチームをひとつにする強さ。
キングス桶谷HCも河村のエースとしての成長を認めた。
「河村くんの『自分自身がゲームを決める意思』をすごく感じた。若いのにすごいなと思うし、それでいて人間が謙虚。チームのエースである河村くんがチームメイトに対しても『良いチームメイト』であるし、それが横浜BCというチームが雰囲気良くバスケットが出来ている証拠かなと思う」
「エースはチームの鏡じゃないけど、キング開くん、須藤くん、赤穂くん、皆すごく良い表情をしてバスケットをしている。ジャクソン選手も以前よりずっと輝いているし、オリバー選手もB2仙台にいたとは思えないくらい良い選手に感じる。それぞれの選手の良さを引き出していた。それが河村くんの存在だったかなと思います」
横浜BCのエース、さらに日本代表のポイントガードとしても成長を続ける河村。今夏に沖縄で開催されるFIBAバスケットボールワールドカップ2023でも、日本代表選手として活躍が期待される。河村に自国開催であるワールドカップに掛ける思いを聞いた。
「自国開催ということは本当にありがたいことですし、バスケットボールの知名度を上げることの出来る最大の祭典だと思っているので、やはり結果を残していきたいと思います。そこにまずは僕がメンバーとして選ばれるように毎日アピールしていきたい」
「ワールドカップでアジア1位を取らないと、パリオリンピックという大きな高みに目指していけないと思っているので、絶対に結果を残していけるように、そして日本中のバスケットのファンのみならず、色々な国民の方にバスケットを見てもらえるように頑張っていきたいなと思います」
「ワールドカップでアジア1位を獲り、パリオリンピック出場権を獲得する」
河村は、自国開催のワールドカップという大事な舞台において、自分たちが成すべき目標を明確に語ってくれた。筆者が今までワールドカップについて取材をしてきた中で、ここまで明確に『ワールドカップにおける目標』を語ってくれたのは河村が初めてだった。
さらに「バスケットボールファンだけではなく、日本中の方々に見てもらいたい」とはっきり口にしてくれた。
沖縄だけではない。バスケットボールファンだけではない。日本中を熱狂させる。河村勇輝は本気でそう思っている。
2023年8月。真夏の沖縄で、河村勇輝はそれを現実にしてくれるはずだ。