「自分の中で消化しきれなかった”気持ち”が、今日ここで勝てたことで少し消化できたかなという気持ちです」

5月9日(土)、Bリーグのプレーオフ「りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26」のクォーターファイナル、シーホース三河vs琉球ゴールデンキングス GAME2がウィングアリーナ刈谷にて行われ、79-82でキングスが勝利。キングスは8大会連続のCSセミファイナル進出を決めた。
キングスがBリーグCSセミファイナルに進出できなかったのは一度だけ。Bリーグ初年度2016−17シーズン。その時の会場は、ウィングアリーナ刈谷。ちょうど9年前、シーズンでは10季前。当時26歳の岸本は、この同じ場所で戦い、なす術なく敗れた。
B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2016-17 2017/05/13 三河 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2016-17 2017/05/14 三河 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
10シーズンは長い。35歳の岸本隆一は、あの頃とは違う。多くの仲間と共に戦い続け、最高の舞台であるファイナルを何度も経験して、悲願のリーグ優勝も手にした。
だが、それでも心の奥に残った小さな棘があった。頂点を手にしても、その時に刺さった棘は、その場所でしか晴らせない。
プレーオフは特別、言葉にするのは簡単だ。だがそれを本当の意味で実感するには、もしかしたらプレーオフという「壁」を前にもがき苦しみ続けないといけないのかもしれない。
「Bリーグが最後のシーズンになる中で、Bリーグが始まった年のプレーオフ、ここで負けて終わったなというのは、このシリーズに入る前から個人的に意識していました。今回2つ勝てたこと自体が、何か10年越しの壁を乗り越えられたような。」
苦しさが始まったこの場所で、苦しみ抜いた先に手に入れたものを表現しなければ、その棘は消えない。岸本隆一はその棘を消し去るように、4クォーターにシュートを決めた。その中のひとつ、左サイドからのミッドレンジジャンパーは、レギュラーシーズンではほとんど見せなかった。とにかく勝つ。プレーオフにおける岸本隆一の信念を感じさせる一撃だった。
りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26 2026/05/09 三河 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト



その11得点は、岸本隆一が「プレーオフで勝つ」という使命感を積み重ねてきた証だった。琉球ゴールデンキングスは、いつもと同じく、次の舞台へと進んでいく。
(写真、文:湧川太陽)


