2026年5月15日、沖縄アリーナにて「りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26」セミファイナル GAME1、琉球ゴールデンキングス vs 名古屋ダイヤモンドドルフィンズの一戦が行われ、85-65の大差でキングスが圧勝した。大事なプレーオフの初戦を勝ち取り、ホームの大声援を受けてファイナル進出へ向けて好発進した。

ゲームレビュー
試合序盤は両者一歩も譲らない拮抗した展開となる。キングスはヴィック・ローの先制点や岸本隆一のディープスリーなどで得点を重ねた。一方の名古屋Dもカイル・リチャードソンのインサイドへのカットインや齋藤拓実からのパスで応戦し、第1クォーターは18-17とキングスのわずか1点リードで終えた。

第2クォーター、名古屋Dは激しいプレッシャーディフェンスでキングスからターンオーバーを誘発し、オフェンスリバウンドでも優位に立って、ゲームの主導権を握ろうと試みる。しかしキングスは、松脇圭志が要所で3ポイントシュートを沈めるなどアウトサイドから効果的に得点し対抗した。前半のキングスは3ポイント成功率53%(13本中7本成功)と高確率でシュートを沈め、名古屋Dのプレッシャーディフェンスに苦戦するも45-41の4点リードで試合を折り返した。

勝負の分かれ目となったのは第3クォーターだった。キングスはジャック・クーリーのインサイド陣の奮闘や岸本の果敢なペイントアタックで相手のファウルを誘発し、徐々にリードを広げていく。対する名古屋Dはキングスのタフなディフェンスの前にタフショットを強いられ、オフェンスのリズムが停滞した。さらにデイミアン・ドットソンが持ち前の突破力でフリースローを獲得してオフェンスを牽引し、キングスが61-51とリードを2桁に乗せて最終クォーターへ突入した。

第4クォーター、逆転を狙う名古屋Dはプレー再開からオールコートで激しいボールプレッシャーを仕掛ける。しかし、プレーオフに強いキングスはこの仕掛けに対して極めて冷静だった。ペイントエリアに侵入したクーリーが、ディフェンスが収縮した瞬間に裏を突く絶妙な背面パスを送り、これを受けたドットソンが美しいフォームから3ポイントを沈めた。さらにオールコートプレスを掻いくぐり、小野寺祥太が頭の後ろを通すパスでクーリーが豪快なダンクを叩き込み、アリーナのボルテージは最高潮に達した。
完全に火がついたキングスの勢いは止まらず、ドットソンはこの第4クォーターだけで10得点(計17得点)を挙げる大活躍を見せた。終わってみれば最大24点ものリードを奪ったキングスが、名古屋Dに付け入る隙を全く与えずに85-65で快勝した。


スタッツを振り返ると、キングスはドットソンの17得点に加え、クーリー(14得点)、ロー(13得点)、岸本(13得点)とバランス良く得点した。さらにベンチポイントでもキングスが34得点を記録し、チームの総合力と層の厚さを見せつける結果となった。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26 2026/05/15 琉球 VS 名古屋D | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

レギュラーシーズンは一度も勝てなかった名古屋Dに勝利したキングス。だがプレーオフは何が起こるかわからない。明日のGAME2も、ホームの大声援を味方に必死で戦う琉球ゴールデンキングスを見せて欲しい。

選手・ヘッドコーチ 記者会見琉球ゴールデンキングス 桶谷大HC
Q:本日の総括
桶谷HC:全体として全クォーターで1点でも上回れたことが勝利に繋がりました。トラップやスクランブルで来る相手に対してターンオーバーをしてしまっても、平常心を保ち、切れることなく次のプレイに向かえたことで、モメンタムを一気に持っていかれることが少なかったです。宇都宮さんが名古屋さんに負けているという材料もあり、皆が集中して最後までやりきってくれました。
Q:前半はターンオーバーが重なって追い詰められるような展開もありました。そのような展開はある程度想定や準備をされていたと思いますが、後半に向けてでどのような声かけをしたのでしょうか?
桶谷HC:ターンオーバーからの失点が一番の問題でした。シュートで終わればリバウンドに戻れますが、ターンオーバーだと相手に走られてしまいます。まずそれをやらないようにどうするかを話しました。また、プレーセットが多いと名古屋さんはバックコートからのトラップなども仕掛けてくるのでスクランブルな状態になってしまってオフェンスにうまく入れなくなるので、後半はもっとシンプルに、すぐに起点を作れるようにしようと指示し、選手がうまくアジャストしてくれました。 前半は2ポイントのディフェンスが悪く、(キングス側のディフェンスが)ウィークサイドに張り付きっぱなしで2対2をやられる場面が多かったのですが、後半はペイントエリアをしっかり守る修正ができました。後半、速攻を出されそうな場面でファウルも上手く使いながらストップするなど、やられてはダメなことを理解してプレイできたからこそ、名古屋さんのフラストレーションが溜まっていったのだと思います。
Q:後半から2ポイントを抑えられたというお話でしたが、そこからキックアウトされてもクローズアウトが早くなっていました。後半になってディフェンスの連動性がグッと上がったのはなぜでしょうか。また、ドットソン選手についてですが、レギュラーシーズン終盤からアタックマインドが出てきて、彼のドライブに相手がかなり苦労しています。ここまで彼がハマってきたタイミングや理由はありますか
桶谷HC:ディフェンスについては、まずボールマンにちゃんとプレッシャーをかけられ、簡単なパスをさせていなかったのが一番です。パスが飛んだ後の寄りも早く、ローテーションも早かったです。ウィークサイドのジャンプトゥボールも良く、前半よりもペイントやイージーな3ポイントが少なくなりました。 ドットソン選手については、クーリー選手やカーク選手と一緒に使っている時間帯がすごく良いです。彼がハンドラーになり、ゴール下での2対1の駆け引きが上手く、自分でレイアップも決められるしアシストもできます。ペイントタッチしてレイアップまで持っていける選手は少なかったので、嬉しい誤算です。彼を獲得するスカウティング時はシューターだと思っていましたが、もしかすると元々こういう力がありながら、NBAでは3&Dの役割を求められていたのかもしれません
Q:シーズン中は我慢できない場面もあったと思いますが、三河戦にしても今日も、相手が勢いに乗っていて、前半はリードしていたとはいえ名古屋さんのやりたいバスケットをやられていたと思います。それでも選手たちが切れずにやっていた。相手がやりたいバスケットをやっているのにキングスは気持ちで応えているというのは、理屈じゃない何かがあるのでしょうか。そのあたりの対応力の高さへの手応えはどう感じていますか
桶谷HC:苦しい時間帯でも、岸本選手やロー選手が声をかけてくれるなど、ハドルの中で声かけできるリーダーが増えてきています。チームがどこに向かえばいいかを示せていると思います。「我慢強く」というのは今シーズンのキーワードであり、成功体験もあるので、一人ひとりが平常心を持ってプレイできています。 前半はリードしていたものの、バスケットとしては名古屋さんのペースでした。名古屋さんからしても「なぜこの展開なのに」だったと思いますし、自分たちも「名古屋のペースなのになぜ勝っているのか」という感覚でした。理由はもう一度映像を見て検証してみます。シュートの確率などはコントロールできませんが、平常心でやるべきことをやり続けられることが、結果的に良い確率に繋がっているのだと思います。
Q: ここ沖縄へ帰ってきたゲームで、ファンの期待に応えられる試合ができたと思います。明日のGAME2への意気込みを教えてください。
桶谷HC:この1勝で終わりではありません。2勝することは簡単ではなく本当に難しいです。今日良かったからではなく、明日もう1つ勝つことが一番重要です。浮かれることなく、また過度なプレッシャーを自分たちにかけることなく、平常心で明日もプレイしたいです。
Q: ホーム開催ということで、アリーナ全体のエナジーが試合スタートから素晴らしかったと思います
桶谷HC:やはり全然違います。沖縄アリーナでキングスのファンの皆さんの前で試合をするのは、アウェイとは全く別物です。間違いなく後半のエナジーもそこから来ていると思います。ブースターさんの後押しがあっての今日の試合だったので、また明日もそういうゲームをしたいです。
Q: 試合スタートから岸本選手からかなりアクティブというか積極的にシュートを打っていました。名古屋Dは、宇都宮に19点差から逆転して勝った勢いがありました。試合スタートで叩いておきたいという心理が働いたのでしょうか。
桶谷HC:試合スタートに特別なことはありませんでした。ただ、第4クォーター残り5分ちょっとで20点近くリードしていた時に、自分も同じことを考えていたのですが、隆一が私のところに来て、「オケさん、オフィシャルタイムアウトの時に、もう一回(名古屋さんが宇都宮戦で)これで20点差負けている状況から勝っているので、締めてもらっていいですか」と話してきました。やはりそういう選手がいる、そういう話ができるというところが今の強さではないかと思います。出だしから絶対勝てると思ってやっているわけではありませんが、自分たちの力を発揮するぞという雰囲気はあったと思います。

(写真:佐藤智彦、取材:金谷康平、構成:湧川太陽)

