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チーム全員の力でキングスが横浜BCに逆転勝利 横浜ビー・コルセアーズvs琉球ゴールデンキングスGAME2

(文:湧川太陽、写真:Tomohiko Sato)

2023年1月8日(日)、琉球ゴールデンキングスvs横浜ビー・コルセアーズ GAME2が横浜国際プールで開催された。

前日のGAME1は横浜BCの河村勇輝に試合を支配されて完敗したキングス。強烈な存在感を放つ河村に対して、キングスはチームとして戦う事が出来るか。

 

リーグ後半戦を左右する大事なゲーム

キングスのスターティングメンバーは、#1 ジョシュ・ダンカン、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。

横浜のスターティングメンバーは、#5 河村 勇輝、#6 赤穂 雷太、#10 チャールズ・ジャクソン、#15 デビン・オリバー、#23 キング 開。

 

1クォーター、先制点は河村。小野寺の厳しいプレッシャーにも負けず、難しいシュートを決めた。さらに河村はキング開の3ポイントをアシスト、自らのペリメーターショット、ジャクソンへのアシスト。横浜BCの最初の9得点すべてに絡む活躍。

キングスはゴール下のクーリーにボールを集める。しかし昨日のGAME1とは異なり少し工夫を加えてきた。ローポストのクーリーに単純にパスを渡すのではなく、その前にピックアンドロールで横浜BCディフェンスのズレを作り、そこからゴール下のクーリーへパスを入れる。いわゆるポケットゲームを意識したプレイを見せる。

 

キングスはショットクロックの24秒をギリギリまで使いながら、横浜BCのディフェンスを少しずつ揺さぶる。昨日とは違い自分たちのペースでオフェンスを展開しようとする。1クォーター残り2分ではスコア15-11とキングスは4点差を追う展開。

 

しかし横浜BCは#9 森川 正明が右コーナーから3ポイント、さらに技ありのステップインからレイアップで得点。河村がベンチに下がった後も、控えPGの#18 森井 健太が厳しいディフェンスと堅実なゲームコントロールで流れを渡さない。1クォーターは24-14で横浜BCが10点リードで終了。

 

2クォーター開始直後、横浜BCは森川が左コーナーから完全なフリーで3ポイントを決める。キングスが24秒バイオレーションでターンオーバーをした後、またもや森川がトップから3ポイント成功。横浜BCはセカンドユニットが活躍して、29-14と一気に15点リードに拡げる。

ホーム横浜国際プールが盛り上がり、ハリセンの甲高い音が高い天井にこだまする。逆に沖縄からアウェイに駆けつけたキングスファンには、同一カード2連敗の不安がよぎり始める。

 

残り7:35、横浜BCは河村をコートに戻す。この逆境にキングスはどこまでひとつになれるか。リーグ後半戦を左右する大事なゲームになりつつある。

 

残り5:34、キングスは岸本が左45度から3ポイントを決める。しかし横浜BCは森川が止まらない。残り5:12、森川は左コーナーから難しい3ポイントを決める。34-19と15点差が縮まらない。

GAME1同様に2桁点差を追うキングスだが、昨日とは違う我慢と集中力を見せる。

 

オフィシャルタイムアウト明けの残り4:16、キングスは今村が左サイドからドリブルで大きく回ると、右45度の岸本へキックアウト。今村が歪めた横浜BCのディフェンスの隙間を見逃さず、岸本が本日2本目の3ポイントを決める。34-22と12点差。

試合後、岸本本人も「前半苦しい時に2本(3ポイントを)決められたのが印象に残っている。ゲームの展開として何とか首の皮一枚つなげられた。あそこが自分的には価値があった」と話す通り、自身のシュートでチームを鼓舞した。

 

残り2:07、岸本のドライブしてキックアウトからダーラムが3ポイントを決めて36-27と9点差に縮めるも、すぐさま河村が3ポイントを返して39-27と12点差に押し戻す。

 

2クォーターを終えてスコアは39-29。GAME1と同じくキングスは横浜BCに前半リードを許す展開。しかしGAME1と違い、横浜BCのファストブレイクポイントを0得点に抑えた。キングスの我慢と集中力は少しずつ試合の流れを変えていく。

 

我慢と集中力の先に出た、牧の笑顔

3クォーター、先制点こそ横浜BCのキング開にペリメーターショットを決められるが、キングスはダンカン、小野寺の連続3ポイントが決まる。さらに残り7:20、岸本がチェンジオブペースで右からドライブしてフローターを決める。キングスは連続得点で43-39と4点差とする。

キングスはドライブでディフェンスを収縮させて、チーム全員で良いシュートシチュエーションを作れるようになってきた。残り4:42には今村も3ポイント成功。今村はさらに残り4:00にベースラインをドライブしてレイアップを決める。

 

残り2:22、今村はベースラインジャンパーを決める。そしてその直後のディフェンス、キングスはこの日一番のディフェンスを見せる。

岸本が森井に両手を広げて厳しいプレッシャー。森井がドリブルを止めると、キングスは5人全員がそれぞれのマークマンに強くディナイしてパスを出させず、この日好調の森川が3ポイントを放つがシュートは決まらず、ダーラム、クーリー、今村がディフェンスリバウンドに必死で飛びつく。

 

キングスは田代、牧、フリッピンがコートに入る。ショットクロックをじっくり使い、ダーラムとクーリーがチームファウルのフリースローをしっかり決めて点差を詰める。

3クォーター終了時のスコアはは53-52。キングスが1点差に迫る。焦らずひとつずつ。

 

勝負の4クォーター、キングスは田代と牧が素晴らしい働きを見せる。

 

残り9:48、田代がダーラムとのピックアンドロールで崩してから、ゴールへダイブするダーラムへパスで得点、53-54とキングスが逆転。さらに残り9:19、今度は牧がダーラムにパスを渡し53−56と3点リードとする。

そして残り7:09、牧がダンカンとのピックアンドロールで、ゴールへダイブするダンカンにしっかりパスを通す。ダンカンはアウダに個人4個目のファウルをさせる。

 

スコアで逆転しても勢いで攻めようとせず、田代と牧が的確にパスを回し続けて横浜BCに試合のリズムを渡さない。

 

そして残り6:03、キングスは何度も何度もボールを動かし横浜BCのディフェンスを揺さぶり、最後に左45度から牧の3ポイントが決まる。57−65と8点差に突き放す会心の一撃。我慢し続けた牧に笑顔が溢れる。

この牧の3ポイントの場面、牧の3ポイントに繋がるまでキングスが回したパスは4回。ペイントタッチは3回。チーム全員が連動して打った3ポイントであり、牧は自分の3ポイントよりチーム全員の手ごたえが嬉しかったに違いない。

最初に右コーナーで岸本からのキックアウトパスを受けた田代が3ポイントを放つことも出来たが、田代はシュートフェイクでジャクソンを釣り出した。次のペイントタッチに繋げる田代の判断も素晴らしかった。

 

横浜BCもまだ試合を諦めない。森川の連続得点で62-65と3点差に迫る。互いに一進一退の攻防を繰り広げる中、残り1:56、岸本が河村の一瞬の隙を突きディープ3ポイントを決める。66−74と8点差にする岸本の代名詞は、横浜に詰めかけたキングスのファンに勝利を確信させるには十分な一撃だった。

 

横浜BCも最後の最後までディフェンスの手を緩めず戦い続けるが、キングスがそのまま逃げ切った。

最終スコアは70-76。キングスがGAME1の悔しい敗戦からチーム全員でバウンスバックしてみせた。岸本はこの日3ポイント5本中4本成功で18得点、7アシストの活躍だった。試合後に岸本は「個人的には1勝以上の価値のあるゲームになった」と安堵した表情で語った。それほど大きな1勝となった。

試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2023/01/08 横浜BC VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

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