(文:星川圭央二、構成:湧川太陽、写真:FIBA提供)
9月2日、FIBAバスケットボールワールドカップ沖縄ラウンドも残すは2日。
今夜、日本代表はカーボベルデ代表と17-32位決定戦最終戦を戦う。日本代表はこの試合に勝利すればアジア最上位が確定してアジア代表としてパリ五輪出場権を得る。
その対戦相手であるカーボベルデという国は、バスケットボールファンでも馴染みの薄い国だ。それもそのはず、カーボベルデはFIBAバスケットボールワールドカップは今回初出場で、アフリカ大陸でも近年急激に力を付けてきたチームだ。
カーボベルデは1次ラウンドでベネズエラを破り初勝利を挙げて、さらに他会場のアフリカ出場国の結果次第ではあるが、日本に勝利するとアフリカ1位としてパリ五輪出場権を獲得できるチャンスがある。
日本と同じく、カーボベルデにとっても今夜の試合はオリンピックへのチケットを賭けた負けられない戦いだ。
ここでは、カーボベルデという国がどんな国なのか、そしてチームの特徴、全選手を紹介する。
カーボベルデってどんな国?
カーボベルデはアフリカ大陸の北西沖に浮かぶ島々からなる人口50万人余りの島国国家で、南国沖縄との共通点も多い。観光も盛んで、美しい海に囲まれて人々はおおらかな性格だ。
“日本一カーボベルデを知り尽くしている男”こと YouTubeチャンネル クレイジーハネムーン【世界一周新婚旅行】片岡力也さんの動画がカーボベルデを一番詳しく紹介しているので、カーボベルデの雰囲気を感じられる。
カーボベルデは国家として人材育成にも力を入れており、キャンプ地である沖縄県与那原町でも、タイトなスケジュールにもかかわらず積極的に子ども達との交流会を開催した。
与那原町でも事前にキャンプ受け入れを役場をあげて準備しており、地元の子供達が現地の言葉で歓迎ポスターを作成していた。予定されていたキャンプ期間には、与那原町の一大イベントである「与那原大綱曳まつり」も開催された。スケジュールの都合で残念ながらカーボベルデ選手団は「与那原大綱曳まつり」には参加出来なかったが、もし参加できていれば沖縄文化との素晴らしい交流になっただろう。
ベテラン揃いの統制されたチーム カーボベルデ
チームの愛称は “Blue Sharks” (ヨシキリザメ)。
チームの中心は221cmのセンター、#22 ウォルター” エディ “タバレスだ。レアル・マドリードの一員としてファイナルフォーのMVPを獲得したビッグセンターを中心に、統制の取れたバスケットボールを展開する。
チームには30代の経験豊富な選手も多く、冷静に試合を進める。もちろんアフリカ代表国らしく、随所に身体能力あふれるプレイを見せる。特にインサイドは強力で、タバレス以外にも#10 メンデス・ケネッティや#16 ゴメス・ケベンは屈強な身体と身体能力を活かしてリバウンドをむしり取ってくる。
日本としては、バックコートから強烈にプレスを仕掛けて、インサイドに簡単にボールを入れさせないようにしたい。日本はディフェンスリバウンドを死守するためにも、ジョシュ・ホーキンソンをはじめ渡邊雄太、吉井裕鷹の奮闘がカギだ。