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離島の子どもたちと沖縄アリーナへ!はじめてのキングス観戦

サッカー、野球、バスケ まさにスポーツの島!

1月、2月の沖縄といえば、プロスポーツキャンプだ。毎年数多くのプロサッカーやプロ野球のチームが、温暖な沖縄でシーズンを始動する。サッカーのJ1では12クラブ(札幌、浦和、FC東京、東京V、町田、川崎、新潟、名古屋、京都、G大阪、神戸、鳥栖)、J26クラブ(仙台、水戸、栃木、群馬、千葉、長崎)、野球では9球団(阪神、広島、千葉ロッテ、横浜DeNA、巨人、楽天、ヤクルト、中日、日ハム)。各クラブの新体制、トレーニングマッチやオープン戦を全国に先駆けて観ることができるし、沖縄県外からも多くの取材関係者、サポーター、ファンが沖縄にやってくる。

そしてプロバスケットボールBリーグは、地元の琉球ゴールデンキングスが2023-24シーズンの真っただ中を戦っており、まさに沖縄本島はスポーツアイランドの様相を呈している。

そんなスポーツにとにかく熱い沖縄で、沖縄県内の離島に住む子ども達を対象に、沖縄アリーナでの琉球ゴールデンキングスホームゲーム観戦やJリーグキャンプのトレーニングマッチ観戦招待が企画され、OUTNUMBERクルーも同行した。その旅路を紹介する。

 

楽しみにしていたFIBAバスケットボールワールドカップ2023観戦は、台風の影響により断念

参加したのは渡嘉敷村立渡嘉敷小学校の生徒12名と引率教員2名、座間味村立阿嘉小学校の生徒5名と引率教員5名、計24名。実は渡嘉敷小学校の子ども達は昨年8月に行われたFIBAバスケットボールワールドカップ2023を観戦するはずだったが、台風の影響により船の出航の見通しが立たずに泣く泣く断念せざるを得なくなった。

「もうがっかりでしたね。子供たちもがっかりしていました。それまでの授業で参加国を勉強したりしていたので」(渡嘉敷小学校宮城先生)

「キングスの試合を見に行くことが決まり、授業の単元を入れ替えて、バスケットボールについて1ヶ月間授業で教えてきました。とても楽しみです」(渡嘉敷小学校義元先生)

今回の取組みはワールドカップの関連企画として、残念ながらワールドカップの観戦が叶わなかった子どもたちに、ワールドカップの会場となった沖縄アリーナでのキングスのホームゲームを体感し、ワールドカップを契機として行われた取組みを学び、楽しんでもらうといういわば「復活企画」としてFIBAバスケットボールワールドカップ2023開催地支援協議会により実施された。

 

「世界が恋する海」慶良間諸島からフェリーとバスで沖縄アリーナへ

阿嘉小学校と渡嘉敷小学校のある慶良間諸島は、那覇の泊港から約40キロほどの距離があり、阿嘉島と渡嘉敷島から高速船での所要時間は4050分程だという。泊港で合流した2校の子どもたちを乗せたバスは、中城村のごさまる陸上競技場へ向かった。移動中の車内は遠足のわくわく感と初対面のドキドキ感の淡い空気に包まれていた。

子どもたちが打ち解けて楽しく交流できるように自己紹介マイクリレーが行われた。「これまでにバスケットボールを観たことはあるのか」という簡単な質問にも答えてもらったが、子どもたち17人中14名が初めてバスケットボールを観戦するとのことで、とても楽しみにしている様子だ。初対面である両校の子どもたちの緊張感がやわらいできたころで、最初の目的地に到着した。

 

ごさまる競技場で、沖縄でのプロサッカーキャンプを見学

キングスの試合の前にJリーグのキャンプ見学の行程が組まれており、ごさまる陸上競技場(中城村)ではこの日、ガンバ大阪(J1)対水戸ホーリーホック(J2)のトレーニングマッチが行われていた。美しく緑が広がるピッチ上で、卓越したプロ選手たちのボールキックの豪快な音とその弾道に、子どもたちや先生方からは感嘆の声が上がった。「あんなにボールが飛ぶんだ」「どっち(のチーム)がどっちなのかわからないけどみんな頑張れ!」と子どもたちの正直すぎる(純粋な)、応援がこだました。

また、ガンバ大阪から選手のユニフォーム型キーホルダーが記念品として贈られ、子どもたちに笑顔が溢れた。日本サッカー界では黄金世代といわれる1979年生まれの小野伸二(元FC琉球)と高原直泰(現・沖縄SV代表)、ともに沖縄に縁のある二人がそろって昨年をもって現役生活に幕を下ろした。同じく黄金世代でガンバ大阪の黄金期を築き、2010年にワールドカップでゴールを決めたレジェンド・遠藤保仁も引退を発表。同時にガンバ大阪のコーチ就任が電撃的に報道されたばかりだったこともあり、引率の先生たちはフィールドに視線を送る元日本代表の後ろ姿を目に焼き付けた。

サッカーキャンプ@ごさまる競技場(中城村)

 

アラハビーチでのおもてなし ワールドカップクイズ&フリースロー大会

続いて一行が訪れたのは北谷町のアラハビーチ(安良波公園)。地元の人はもちろん、沖縄県外や海外からもバスケットボールファンが訪れる「鉄板」のスポットだ。当公園のバスケットゴールには、ワールドカップの取組みの一環として、大会に出場した国の記念ボードが設置されている。

そこではFIBAバスケットボールワールドカップ2023開催地支援協議会事務局(沖縄県文化観光スポーツ部スポーツ振興課)の担当者による熱いおもてなしが用意されていた。

FIBAバスケットボールワールドカップ2023についてのクイズ大会。そして、「せっかくアラハビーチですから、バスケットボールをしないわけにはいきません。ワールドカップ記念ボードにシュートを決めてもらいましょう」と想いがつまったフリースロー大会が行われた。見事1位、2位、3位に輝いた人には豪華な景品が与えられ、参加者全員にも大会記念グッズがプレゼントされた。アラハビーチでのバスケットボールイベントを満喫し、いよいよ高まる期待感とともに一行は大会会場となった沖縄アリーナへ向かった。

ワールドカップに関するレクチャーとクイズ

フリースロー大会(左から3位大柳琴葉さん、2位山城一生美さん、1位石川生来さん)

 

沖縄アリーナでキングスホームゲーム 夢のひと時

コザ運動公園に到着、まずは沖縄アリーナ正面で記念撮影。そして、人々がごった返すアリーナショップで、いろいろなキングスのアイテムを見て回った。アリーナが初めてであればショップも初めて、目に映るすべてが新鮮で、不思議で、刺激的である。「楽しい」「すごい」の声が漏れる。

チケットゲートを通りぬけ、この日はレディースデー仕様のエントランスで記念撮影、アリーナの空間に踏み入れるとそこに広がる壮観な光景に圧倒されていた。

「バルーンが大きくて楽しい」「アリーナを探検してみたい」と感想を語ってくれた。普段はテレビで見ている選手たちが、輝くコートの上でウォーミングアップをしている。その姿を目で追い続ける子、名物のキングスからあげを頬張る子、テレビニュースの取材を受ける子、それぞれが思い思いに試合開始までの時間を楽しんだ。

渡嘉敷小学校のみなさん

阿嘉小学校のみなさん

 

勝ち負け以上のもの キングスは負けたけど楽しすぎた

試合は西地区最下位の京都ハンナリーズが同地区首位のキングスを翻弄した。岡田侑大やマシュー・ライトが巧みにゲームメイク、インサイド、アウトサイドからバランスよくシュート決めた。京都は常に二桁以上の点差を保ったまま前半を終えた。後半もキングスは劣勢を強いられるが、ディフェンスから徐々に盛り返し4クォーターの終盤には3点差まで迫る怒涛の追い上げを見せ、このまま一気に逆転するかに思われた。しかし、王者を相手に一泡吹かせようと意気込んだ京都は集中していた。勝負所で精度は京都が上回り、85-94で京都は貴重な勝利を手にした。

キングスにとっては受け入れがたいホームでの敗戦となったが、初めての観戦で「楽しい」を連呼する子どもたちにとって、勝敗はそれほど大きな意味を持たなかったようだ。

「キングスは負けたけど楽しすぎた。キングスがシュートを決めたときに(自分が)めっちゃワーっとなった!(相手がシュートするときに)ブーって、(シュートが)入るな!」と誰から応援やブーイングの仕方を教えてもらうわけでもなく、心のままに身体が動いていたようだ。

試合終了後の子どもたちの満ち足りた表情は、バスケットボールは人々に幸せを感じさせてくれるものだと改めて認識させてくれた。それは初めてのキングスのホームゲームという原点、私の場合は那覇市民体育館の空間、『勝ち負けではなく、沖縄にプロバスケットボールがある喜び』というあの時の記憶を呼び起こしてくれた。

ワールドカップの招待には参加できなかった子ども達だが、今回ワールドカップの会場となった沖縄アリーナの雰囲気や会場の熱気を体感し、また、ワールドカップを通して行われた取組みを学ぶことで、自身の未来に向けた一歩を踏み出すきっかけになったのではないか。

この日の思い出は子どもたちの記憶に刻まれて、この先の人生のいろいろな場面で思い出すことになるだろう。それぞれが成長して、いつかまた沖縄アリーナでお目にかかれたら。

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