6月19日のOUTNUMBER RADIOは月一レギュラーの湧川太陽さんにお越し頂きました。スポーツビジネスブログも書かれている湧川さん本日は、Bリーグの選手契約に関するルールを分かりやすく解説して頂きました。選手契約の規約などが分かると、移籍市場がまた違った視点で楽しめるかもしれません。以下の二つのテーマを設けて選手契約の規約などをご紹介していきます。なお、今回の記事は湧川太陽さんが前回に執筆された「Bリーグの今オフを規約で振り返ってみよう」を元に書いております。
1.選手の交渉過や契約内容は公開されない事がほとんど
2.Bリーグが日本バスケ界のハブに
選手の交渉過程や契約内容は公開されない事がほとんど
契約内容
プロ野球のストーブリーグでは、各球団に所属する選手が契約更改に当たり、「年俸〇〇○万 up or down」「新たに○年契約」など公開されます。しかし、Bリーグではそれがほとんどありません。今シーズンから琉球ゴールデンキングスに入団する船生 誠也選手ですが、キングスの公式HPには経歴とコメントの記載はあるもの、年俸や契約年数は一切記載がありません。さらに、2020年6月9日に引退を表明したアルバルク東京の正中岳城選手。その際にアマチュア契約だった事が公になりました※アルバルク東京の親会社であるトヨタ自動車からの出向という形でプレー
Bリーグにはアマチュア選手とプロ選手が混在します。
- プロ選手: 所属しているクラブより報酬を貰い選手活動をしている選手
- アマチュア選手: 無報酬でプレーしている選手
※特別指定選手として契約する場合でも、プロ契約とアマチュア契約のいずれかが可能です。
交渉過程
またBリーグには「自由交渉選手リスト」というものがあります。いわゆるフリーエージェント(FA制度)です。「自由交渉選手リストへ公示」となった選手は、所属元クラブ含む どのクラブとも自由に交渉、契約締結が可能となります。
自由交渉選手リストへ公示されるには条件があります。
(1)所属元クラブによる当該選手への契約更新の意思がない場合
(2)所属元クラブと当該選手との現行契約が満了した場合
(3)所属元クラブと当該選手との交渉が決裂、契約更新がされない事が確定した場合
※上記の自由交渉選手リスト公示の条件は、プロバスケットボールチームVELTEX静岡のHP[5月21日更新]契約更新に関わるお知らせ及び自由交渉選手リスト公示のお知らせを元に記しております
上記のいずれかが生じた場合、自由交渉選手リストへ公示されます。
秋田ノーザンハピネッツの中山拓哉選手は2020年5月7日に自由交渉選手リスト入り、2020年5月19日に秋田と再契約を発表しました。
[湧川さんの推測] :「自由交渉選手リスト入り」→「在籍元クラブと再契約」に至った背景には、コロナ禍で各クラブの契約提示がかなり厳しい内容で、再契約の意思はありつつも他クラブの話も聞いてみたいと考えた、という状況があったのではないか
ただ、これはあくまでも推論です。
一体どういう経緯で自由交渉選手リストへ公示になったのか、実際に他のチームと交渉したのかは発表がないため実際のところは分かりません。ただ、ファンとしては、想像を掻き立てられます。エアコンリーグの醍醐味の一つかもしれません。
2.Bリーグが日本バスケ界のハブに
特別指定選手の制度は、プロバスケットとアマチュアバスケットの架け橋
2019-2020シーズン注目を集めた選手の一人、河村勇輝選手。現役高校生でありながら今年の1月にB1三遠ネオフェニックスと特別指定選手契約しました。Bリーグでは11試合に出場して、平均12.6得点、2.0リバウンド、3.1アシスト、1.5スティールを記録。B1での最年少出場記録、最年少得点記録を打ち立てました。
特別指定選手とは・・・・そのシーズンの前シーズン4月1日時点で満22歳の誕生日を迎えていない日本国籍で外国籍選手ではない選手です。通常の登録人数(10-13名)と別途、シーズン中2名まで登録が可能です。
学生インターンというイメージです。河村選手は三遠ネオフェニックスとの契約が終了。高校を3月に卒業し東海大学に進学しました。日本のプロリーグでプレーした選手が、アマチュアバスケ界でプレーするのは、所属しているチームももちろんですが、対戦するチームにとっても大きな経験値を得られるのではないでしょうか。Bリーグのチームとしては、通常の登録人数の制限とは別枠で有望な選手の早期獲得でき、アマチュア契約なら資金面でも悩みは大きくなりません。特別指定選手の制度は、プロバスケットとアマチュアバスケットの架け橋になるばかりでなく、日本バスケットボール全体を活性化する力を持っていると考えます。
「契約期間満了後」も発生する移籍金
B2リーグからB1リーグのように上のカテゴリーへの移籍は、契約満了前後に関わらず必ず移籍金が発生します。所属元クラブとの旧契約と、所属元クラブが提示した新契約のいずれか低い金額を移籍金となります。ただし、双方クラブ間の合意で減額は可能です。(移籍金の上限額は240万円(税抜))対象となるのは日本人のプロ契約選手で、外国籍選手やアマチュア選手は対象外となります。
この制度はアンダーカテゴリーの救済措置です。アンダーカテゴリーの選手が移籍金無しで上のカテゴリーに移籍できてしまうと、チームの戦力がダウンし、昇格する可能性が小さくなります。そうなると、B1とB2が2極化し、昇降格の制度が上手に機能しなくなる可能性があります。B2はアンダーカテゴリーというだけで、B1の選手養成リーグではありません。このような2極化を防ぐための制度とも言えるのではないでしょうか。
世界のプロスポーツのストロングポイントを集約したBリーグ
Bリーグは世界のプロスポーツリーグの良い箇所を取り入れようとしていると語る湧川さん。B1とB2に昇格と降格があるのは、サッカーではお馴染みの制度です。また、3つの地区に分けてのリーグ戦は、MLBに近いです。柔軟性と俊敏性を持って運営をするBリーグ。今後、日本のプロスポーツ全体にも良い影響を届けるかもしれません。
※本日の記事は湧川太陽さんが前回に執筆された「Bリーグの今オフを規約で振り返ってみよう」を元に書いております。
【湧川太陽さんのスポーツビジネスブログ】
https://note.com/taiyowakugawa?fbclid=IwAR2aFNvnEqqZrOY3KQec19QT1FBzQIkfwl-I4YpTg4SZStOElsYnO4Obl_w
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