レイクスを通して滋賀に誇りを 〜滋賀レイクスターズ会長 上原仁インタビュー

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マイネットが目指す滋賀レイクスターズの未来像

マイネットが滋賀レイクスターズへの資本参加を発表した際に目標として

●リーグ将来構想の新B1基準となる『魅せるアリーナ』建設に向けた推進を支援

●『2030年Bリーグトップクラブ』の目標達成

を掲げさせて頂きました。

 

新B1基準に向けてのアリーナ計画も順調に進んでいます。民設民営を基本として計画をブラッシュアップしている最中です。

アリーナという大きな施設を造り運営していく、それはマイネット単体で出来る事でもなければ、レイクスターズ単体で出来る事でもありません。多くのステークホルダーを巻き込みながら、長期の事業スパンで計画を進めていく必要があります。もちろんそのステークホルダーには行政も含まれます。新アリーナ計画は民設民営で考えつつ、行政とも連携しながら、マイネットとしてアリーナ運営ビジネスに主体的に取り組んでいきます。

 

そしてBリーグトップクラブへと上り詰めていく。地域に愛されて、つねにチャンピオンシップに進出して優勝を争えるようなクラブになります。

滋賀の琵琶湖は日本一、滋賀のバスケも日本一にしていく決意です!(キリッ)

今季はチームGMを釜渕社長が兼任して、ルイス・ギル氏をヘッドコーチ、保田尭之氏をアシスタントコーチに招聘しました。B2佐賀バルーナーズで結果を出してきた彼らはバスケットボールに対してとてもスマートな考え方を持っていますし、チームの今後にもポジティブな期待を持っています。

 

レイクスを通して滋賀に誇りを持ってほしい

レイクスが苦しい時期も支えてきてくださったファンブースターの方々には本当に感謝しています。

私には、プロスポーツクラブ経営における揺るぎない信念があります。

 

私はFC琉球サポーターの池間ヒロさん(沖縄県那覇市のフットボールカフェ カンプノウのオーナー)にサポーターとしての薫陶を受けているんですが、感銘を受けたヒロさんの言葉に「プロスポーツクラブはサポーターのものなのだ。オーナーや経営陣のものでもなければ、監督や選手のものでもない。地域のファンサポーター、ブースターのものなのだ」というものがあります。

 

今回のマイネットと滋賀レイクスターズの関係について、我々は「保有」や「買収」という言葉を一度も使っておらず「資本参加」と言い続けています。

当然ながら経営としての意思決定権限は株式を多く持つ者にありますが、プロスポーツクラブは地域の人々のものであって、我々はその地域の人々にとっての『地域の誇り』を経営させて頂いている、という姿勢です。

 

今季の開幕戦でレイクスが勝利したあと、勝利賞であるマイネット賞の表彰時に私は観客の皆様に向けて
「皆さん、今日の勝利おめでとうございます」
と挨拶しました。

応援してくれてありがとう、ではないんです。応援する皆様自身のものであるレイクスというクラブが勝利した事に『おめでとうございます』なんです。

クラブは地域の人々のもの、これが私のクラブ経営における信念であり、それを忘れずにやっていこうと思っています。

写真提供:滋賀レイクスターズ

 

滋賀レイクスターズは滋賀県で唯一のプロスポーツクラブです。

滋賀県は歴史・文化・自然に恵まれた土地です。ですが、この素晴らしい土地に住む滋賀県民自身が、滋賀という県に自信が持てていない現状があります。

私が事あるごとに『滋賀の琵琶湖は日本一、滋賀のバスケも日本一』と伝えているのは、滋賀県で唯一のプロスポーツクラブであるレイクスを象徴にして、この素晴らしい滋賀という土地に誇りを持てる、豊かでサステナブルな生き方をつくっていきたい。そんな願いが込められています。

 

もう少し大きな視点で捉えると、私にとっては滋賀ですが、それぞれの地域においても、それぞれの人々が胸に持つ地域への愛や誇り。それらがきっとあるはずです。

成熟した日本社会の中で、地元の誇りを胸に掲げながら、地域の豊かでサステナブルな生き方をつくっていく。それを結実させる手段として、熱狂コンテンツであるスポーツが生活の中心にある。私は、そんな世界を目指しています。

 


 

筆者が上原氏と出会ったのは、彼が沖縄に移り住んで間もない頃だった。FC琉球でスポーツビジネス事業をスタートさせた彼は「FC琉球を沖縄の誇りとなる存在に成長させたい」と熱く語ってくれた。

そして生まれ故郷である滋賀に戻った彼は、あの頃と同じように「レイクスを滋賀の誇りとなる存在にしたい」と熱く語ってくれた。

いちバスケットボールファンとして、地元を愛するひとりの人間として、じんさんのような熱く深い愛ある人に出会えた事、じんさんがバスケットボールの世界に飛び込んできてくれた事を、私は誇りに思う。

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この記事を書いた人

地元で開催されるFIBAバスケットボールワールドカップ2023に貢献するべく奮闘中!
趣味はスポーツビジネス関連の研究。note、Twitterもフォローしてくれると喜びます。

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