「日本生命カップ2021バスケットボール男子代表国際強化試合 沖縄大会」が7月7日、沖縄アリーナで行われた。
日本代表チームとの合流後、初の強化試合に臨んだNBAプレーヤー渡邊雄太(トロント・ラプターズ)。
ハンガリー代表との試合で両チーム最多25得点を挙げ、キャプテンを務める日本代表チームを勝利に導いた。
世界最高峰の舞台であるNBAで活躍する彼の姿は自信にあふれ、ひと際大きく成長したその存在を存分に知らしめた。
ーー試合後のコメント全文掲載ーー
披露された堂々たるキャプテンシー
まずは試合を振り返って総括をお願いします。
今日は本当にチームとしてすごくディフェンスは足が動いていたと思いますし、それがオフェンスでもいいリズムを生み出していたと思うのでこうやってしっかりフィジカルにディフェンスをやって、しっかり足も動かしてやっていけばどんどんいいチームになっていくんじゃないかなという風に思ったので僕も合流して初めての試合だったんですけど、今日はすごくいい試合だったんじゃないかなとは思っています。
4Qで富樫選手がドライブして2人引きつけて渡邊選手が受けてダンクにいったシーンがありましたが、ああいうコンビネーションがみられたのは、渡邊選手が参加していないこの前の6試合もかなり研究してきたからああいうことが自然にできるのか、あるいは富樫選手の長年の蓄積なのか、ああいうシーンをみていると2年ぶりに渡邊選手が代表でプレイしたという感じがしなかったんですけど、あのシーンはどうして生まれたのかという要因とここに向けてどういった予習をしてきたのか教えてください。
もちろん試合の映像だったり練習の映像も見させてもらっていたので、そういう部分でしっかりと自分がどういう風に動かなければいけないのかというのも考えて合流したつもりですし、まあただやっぱりああいう基本的なバスケットの動きというかドライバーが引きつけてそこに対して合わせる、というのはある程度のレベルだったらあれ位は初日だろうが合流してもう10日目だろうが20日目だろうができなきゃいけないプレーじゃないかなという風には思ってたんで、あれは本当に彼の素晴らしいドライブだったと思いますし僕もタイミングを良く合わせてダンクまで持ち込めたので、いいプレーだったんじゃないかなとは思っています。
今日、非常に効率的な活躍をされていたと思うんですけれどもここから約2週間、本番までにご自分やチームがさらにチューンアップしていくための重要事項というのはどこなのか、あとNBAとしてはオフシーズンの時期にそれをやる難しさというのがあれば教えてください。
まず個人的には今日は20分ちょっと出て正直ちょっと疲れもあったので、本番やっぱり勝っていくとなると自分が30分とか出ていかないといけないのかなと考えていてそこの部分で体力的には上を目指していかなきゃなと感じたのと、チームとしてはディフェンスは良かったんですけどオフェンスでちょっと手詰まりになった時に単発なシュートを打ってしまった時間帯がけっこうあったのでそこはチームとしての改善点と思っています。
僕としてはオフシーズンにこういう大会とかがあるというのはすごくありがたく思っていて、僕はNBAで生き残っていこうと思ったら全然休んでいる暇は無いので自分のプレーを磨けるいい機会だと思うので有効的に使わないといけないな、という風に思っています。
2023年ワールドカップの会場となっている4月に出来たばかりの沖縄アリーナですが、今回練習やプレーしてみた印象はNBAと比べて違いなど、いかがでしたか?
やっぱり素晴らしいアリーナだと思いましたしもちろん大きさの違いはNBAと比べたらあるんですけど、造り方だったりデザイン的な部分でもNBAを意識している部分もあるんじゃないかなと思っていて、こういうアリーナが日本にもっと出来てくれればなと思いますし今日は僕自身こういう素晴らしいアリーナでプレーできたのはすごくいい経験になりました。
ラプターズと役割が違って、日本代表で改めて大黒柱としてプレーすることを率直にどういう風に感じたか、とそれによって代表としての責任感をまた改めて感じることはあったのかを聞かせて下さい。
代表でこのチームが世界相手に勝っていくとなれば、僕が中心となってやっていかないといけないという責任はあるのでそこはラプターズで今まで自分がやっている役割とは全然違うものに当然なってきますし、そういった意味では今日はオフェンス、ディフェンスそれからキャプテンシーも含めていい活躍が出来ていたんじゃないかなと思うんですけど、僕自身ももっともっと成長していかなといけない部分もあるのでオリンピックに向けて時間はもうあまり無いですけどしっかりと自分がこの短い期間で成長できるようにこれからまた1日1日、大切にしていければなと思っています。
今シーズンNBAでは1シーズンしっかりとプレーしてNBAでしばらく過ごしてから久々のFIBA規定ということでボールだったりコートの大きさだったりルールだったりその辺の感覚はどうだったのかと、今日序盤からとても積極的だったんですけれどもそれは流れの中で生まれたものだったのか、それともやってやるぞという気持ちがかなり強かったのでしょうか?
ボールとかコートに関しては僕は6月のあたまには日本には帰ってきていて、実家の方にも公式級は送ってもらっていたのでそこに関してはあまり心配はしてないです。
今日の序盤の入り方なんですけど意識的に自分がチームにリズムを生み出さなきゃいけないな、と思っていたので、そこは積極的に攻めていって得点にも絡んでいけたらなと思っていたんですけど今日はシュートのタッチも良かったですし、ドライブで引きつけてパスの判断も悪くなかったと思うのでこういうことをまた次の試合でもどんどんやっていかないといけないな、と思っています。
オフェンスで正面を向くプレーはすごく良かったと思うんですけどポストプレーは少なかったですけれども何回か試そうとしてて、でもあまりうまく機能しなかった印象があるんですけどチームにそもそもポストプレーできる人はあまり多くない、これから八村選手も入ってきますけどいずれにしても少ない、そこについては懸念や心配、今日感じたことはありますか?
僕自身も当然もっとシールを上手くして相手をもっと押し込まないといけないですし、これもコミュニケーションとりながらやってたんですけど僕がまだシール出来ていない状態でパスが来てたりしていたのでそこはまだ、僕が合流して間もないという部分がちょっと出てしまったのかなというのはあったんですけどすぐに改善できる部分であると思いますし、僕がもっとしっかりシールして起点となれれば今日も僕がポストアップから相手を引き付けて金丸さんがスリーポイントという1本があったんですけど、僕自身がそんなにポストプレーが上手な訳ではないんですけどミスマッチがあるときにはああいうことも積極的にやっていけたらな、と思っています。
沖縄の印象について
すごく気候がいいですし海もきれいで、せっかく沖縄に来たのに外出が出来ないというのはすごく残念ではあるんですけど今の状況を考えれば皆さんの安全、自分達の安全を含めてそれが第一になってくるので今はしっかり我慢して、ただこういう沖縄という素晴らしい土地で沖縄のこの素晴らしいアリーナで今日プレーできたというのは本当に嬉しかったですし、あとの2戦も勝ちにこだわりながらやっていく部分と、あとしっかり楽しんでバスケットできればなと思っています。
ベンチでも激しく鼓舞する姿がみられました。初戦という事もありキャプテンとして意識的にやっていたのか、それとも当たり前の感覚でやっていたのか、教えてください。
今日は自分が試合に出てる出ていないに関わらずキャプテンという部分もしっかり、また成長した姿もみせたいと思っていたので意識的にやっていた部分もあるんですけど、ああやって自分がベンチに下がっている時でもチームメイトが声を出してくれれば中でやっている選手はすごくやりやすくなると思います。うちのラプターズで言ってもフレッドだったりカイルだったりが常にああやってベンチから僕たちに声を出してくれてる時間っていつもあったので、やっぱり僕たちがコート上でプレーしている時にそうやってチームのエース達が声をかけてくれるともっと頑張らなきゃという気持ちにもなりましたし、だから僕がそういう役割も日本代表ではどんどんやっていこうと思っているのでこれからも継続していこうと思っています。