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キングス、渡邉飛勇の活躍でホーム最終戦を勝利 琉球ゴールデンキングス vs 大阪エヴェッサ GAME2

(文:湧川太陽、写真:Hamataro)

4月30日(日)、琉球ゴールデンキングスはホームで大阪エヴェッサとGAME2を戦った。

前日のGAME1は、75-64でキングスが大阪に今季初勝利。大阪の得点源である#25 ディージェイ・ニュービルを10得点に抑えたディフェンスの勝利だった。

キングスは、この日のGAME2で勝利しつつ、2位の島根スサノオマジックが敗れると西地区優勝が決まる。松江市総合体育館で行われる島根の試合開始は、沖縄アリーナのキングスの試合開始の30分後。キングスは大阪に勝利して、島根の結果を待つことが出来るか。

 

セカンドユニットが生み出すモメンタム

キングスのスターティングメンバーは、#1 ジョシュ・ダンカン、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。

大阪のスターティングメンバーは、#20 合田 怜、#24 カイル・ハント、#25 ディージェイ・ニュービル、#33 アイラ・ブラウン、#35 鈴木 達也。

 

キングスは、1クォーターからリズム良くボールを回してオフェンスを組み立てる。ゴール下からクーリーやダンカン、コーナーから岸本の3ポイントと、インサイド・アウトサイドとコートを大きく使ってシュートを放つ。

 

この日の大阪は、外国籍インサイドの #54 ショーン・オマラが欠場。手薄なインサイドをカバーするために大阪はゾーンディフェンスを敷いてくる。

キングスは早めの選手交代。1クォーター中盤には #4 コー・フリッピン、#7 アレン・ダーラム、#9 渡邉 飛勇、#15 松脇 圭志、#88 牧 隼利と、セカンドユニットをコートに送り出す。

 

1クォーターはスコア 20-17とキングス3点リードで終了。

 

2クォーター、キングスはセカンドユニットが試合のモメンタム(勢い)を作り出す。

1クォーター同様に流れるようなボールムーブメントからシュートを放ち、大阪のターンオーバーから積極的にファストブレイクに走る。残り8:57にはコーのスティールから、渡邉がファストブレイクで得点する。

 

早いボールプッシュでリズムを掴んだキングスは、ダーラムが連続得点。残り8:04、7:26と2連続で3ポイントを決める。スコア28-19と、2クォーター開始から8−0のランを決めたキングス。

 

セカンドユニットが生み出すモメンタム、その中心にいたのは日本人ビッグマンの渡邉飛勇だった。

渡邉はその機動力を生かしてチームに貢献。ディフェンスではショットブロックに飛んで、大阪のシュートにプレッシャーをかける。オフェンスでは素早くポストでポジションを取り、キングスのボールムーブメントの『角度』を変える中継地点の役割をはたす。

 

セカンドユニットの好調は続く。残り6:20、田代から始まるボールムーブメントは今季のキングスを象徴していた。

田代、ダーラム、松脇、もう一度田代と、3ポイントライン上で横方向でパスを交換しながら、大阪ディフェンスを外側に誘い出す。渡邉がローポストにポジションを取った瞬間、田代から渡邉に縦方向のパスを打ち込む。

渡邉はパスを受けた次の瞬間には、左コーナーにいるフリッピンへキックアウトパス。ゴール方向からパスを受けたフリッピンは、迷うことなく3ポイントを放ち、そして決めた。

 

この2クォーター残り6:20の場面、キングスはコートにいる5人全員がボールに触れただけでなく、彼らのボールムーブメントはハーフコート全体を駆け巡った。

バスケットボールのスペーシングを整理するために、ハーフコートを6分割して、適切な距離感を保つ考え方がある。

この残り6:20の場面のボールの軌跡を追ってみると、6分割されたハーフコート全てを通過して、得点期待値の高いコーナーからの3ポイントでフィニッシュしている。理想的なボールムーブメントだった。

 

2クォーターは、スコア44-30とキングス14点リードで終了。前半キングスのベンチポイントは24点。強力なセカンドユニットは、スターターの得点数を上回る活躍を見せた。

 

PLAYOFF MODE

3クォーター、キングスはオフェンスで相手の弱点を徹底的に突く。

ダンカンが3ポイント、インサイドのポストプレイで連続得点。

ダンカンにマッチアップするのは193cmのブラウン。運動能力の高いブラウンといえど、205cmのダンカンを守り切るのは難しい。またブラウンは、組織的なディフェンスに少し難がある。

キングスはダンカンに強引な1on1をさせるのではなく、ボールムーブメントを続けながら、ダンカンに有利なポジショニングを作り上げてから、最後のフィニッシュをダンカンに任せた。

 

もうまもなく始まるチャンピオンシップ、つまりプレーオフでは互いに相手を徹底的にスカウティングする。勝利のために、相手の弱点を徹底的に突くことが求められる。

チーム全員が『Same Page』に向かいつつ、相手の弱点を突き続けることが出来たこの時間帯。キングスはプレーオフを見据えて戦っていた。

 

だがキングスはディフェンスの課題も見え隠れする。

3クォーター残り4:03、 そして残り3:28、合田にオフボールスクリーンを上手く使われて、左コーナーから3ポイントを決められてしまう。キングスは大阪に全く同じパターンを許して失点。プレーオフなら絶対に許されない失点だ。

ニュービルに対するディフェンスも突破され始めた。小野寺、今村がニュービルの利き手である右へのドライブを許して、ニュービルの得点が増え始める。

 

4クォーター、ニュービルのマッチアップにフリッピンが張り付く。フリッピンはニュービルのほんの少し右側にピッタリと張り付き、利き手とは逆の左方向へのドライブへ仕向けていく。

 

4クォーター、フリッピンは10分間フル出場して、ニュービルに難しいシュートを選択させた。ニュービルが個人技でタフショットを決め続けたものの、単発のシュートでは大阪オフェンスにリズムが生まれなかった。

 

大事なプレーオフの時期に調子を上げてきたフリッピン。この試合の得点は8得点だったが、試合の貢献度を示すプラスマイナスは+15とチーム2位だった。

 

最終スコアは、86-72でキングスが14点差で勝利。キングスは試合に勝利しつつ、徐々に『PLAYOFF MODE』を高めていった。

試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2023/04/30 琉球 VS 大阪 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

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