第31節 Game2 キングスはCSにむけて意味ある敗戦

(文:湧川太陽、写真:tomo)

4月17日(日)、B1リーグ第31節。琉球ゴールデンキングスは、ホームで名古屋ダイヤモンドドルフィンズとGame2を戦った。

前日のGame1は、97 – 65と32点差で快勝したキングス。しかし名古屋は現在B1西地区3位でチャンピオンシップ(CS)出場確定も目前。このままで終わるわけにはいかない。

名古屋のショーン・デニスHCは昨季までB1滋賀を率いてBリーグを知り尽くした指揮官。今季の名古屋は開幕節で2連敗した以降、同一カード連敗は一度も無い。デニスHCの修正力をキングスの底力が上回るか。

 

目次

チェンジングディフェンスが植え付けた『不協和音』

キングスのスターティング5は、#4 コー・フリッピン、#13 ドウェイン・エバンス、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#45 ジャック・クーリー。

名古屋のスターティング5は、#1 レイ・パークスジュニア、#2 齋藤 拓実、#4 コティ・クラーク、#12 中東 泰斗、#43 スコット・エサトン。

 

キングスは試合開始直後からディフェンスでダブルチームを仕掛ける。前日のリベンジを誓う名古屋も負けてはいない。

名古屋のエース#2 齋藤が3ポイント、さらにスティールから得点を演出すると、キングスは岸本が右コーナー3ポイントでお返し。そして一瞬の隙を突いたフリッピンのスティールから岸本が連続3ポイントを決める。

 

両チームの試合序盤からの激しいプレイに、アリーナの観客も一気にボルテージが上がる。

1クォーター残り5:06 17 – 12とキングス5点リードで名古屋は早くもタイムアウト。名古屋のデニスHCは自分たちのディフェンスをチームに思い出させる。

 

試合開始直後からオールコートでじりじりとプレッシャーをかけていた名古屋だが、残り3:24にディフェンスをチェンジ。ハーフコートで3-2ゾーンを敷いてくる。

名古屋はオールコートマンツーマンとハーフコートゾーンを何度も使い分けてくる。ゾーンディフェンスは『陣形』のディフェンスだが、攻撃側もその陣形を『見る』一瞬が発生する。その一瞬が、キングスのボールムーブメントのリズムに、小さな不協和音を植え付ける。

 

キングスは攻撃のリズムが乱れ得点が停滞。試合開始から5分間で17得点したキングスは、名古屋のタイムアウト以降は5分間で7得点しか奪えなかった。

 

1クォーターはスコア24 – 24の同点で終了。前日とは明らかに違う雰囲気がコートに漂う。

 

苦しい時間帯にエース今村が引っ張る

 

2クォーター開始直後も、名古屋は積極的にダブルチームを仕掛けてキングスのミスを誘う。さらに変幻自在の名古屋ディフェンスは、スリークォーターから1−2−2ゾーンも見せてくる。

キングスはサイズのミスマッチを突こうと、ローポストのエバンスや#7 アレン・ダーラムにボールを集めるが、そこは名古屋が誘い込んだ罠。名古屋のゾーンが一斉に収縮してボールを挟み込む。

 

2クォーター残り6:21 スコア26-30と名古屋4点リードの場面、オフィシャルタイムアウト直前にも関わらずキングス桶谷HCはタイムアウト。

タイムアウト明け直後、キングスは名古屋のボールプレッシャーにボールを上手く回せずターンオーバーを犯してしまう。その攻撃を名古屋は#43 エサトンが確実に得点。26-34と名古屋が8点リード。

 

名古屋に試合の流れを渡してしまいそうな状況だったが、チームが苦しい時にキングスのエースとして何度も救ってきた今村が躍動する。#8 張本 天傑をドライブで振り切り独力で得点。

 

今村はディフェンスでも気迫でチームを鼓舞する。ルーズボールにダイブ、さらにヘルプディフェンスからのブロックショットで名古屋に流れを渡さない。

 

2クォーターは41 – 42。名古屋が1点リードで終了。

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