第12節 GAME1 キングスを創り上げた名将対決は、桶谷キングスが20点差の快勝

(文:湧川太陽、写真:中野利彩)

12月18日(土)、B1リーグ第12節Game1。琉球ゴールデンキングスは、アウェイでサンロッカーズ渋谷と対戦した。

キングスは、宇都宮でのタフなアウェイ2連戦どちらも劇的な逆転勝利で連勝。続くホーム京都戦も勝利してこの試合まで6連勝中。

対する渋谷は、 この試合前まで14勝5敗と東地区3位とこちらも好調。前節はアルバルク東京に敗れたものの、東地区1位の千葉とは1勝差。渋谷にとっても負けられない一戦だ。

そしてサンロッカーズ渋谷は、ムーさんこと伊佐勉ヘッドコーチが率いるチーム。

桶谷大と伊佐勉。琉球ゴールデンキングスの文化を創り上げてきた二人のヘッドコーチ。互いの立場を入れ替え、久しぶりにB1の舞台で対決する。このヘッドコーチ対決も注目だ。

 

目次

1Q インサイドの渋谷、アウトサイドのキングス

 

キングスのスターティング5は、#3 並里 成、#88 牧 隼利、#30 今村 佳太、#13 ドウェイン・エバンス、#45 ジャック・クーリー。

渋谷は、#9 ベンドラメ 礼生、 #1 関野 剛平、#27 石井 講祐、#55 ジョシュ・ハレルソン、#14 ジェームズ・マイケル・マカドゥでスタート。

 

最初の得点は渋谷。マカドゥがゴール下でクーリーの前から決めてみせた。

対するキングスもすぐさま今村が3ポイントでお返し。さらに今村は左45度からも2本目の3ポイントを決めてみせる。

序盤、渋谷はマカドゥにボールを集める。1Q残り7:52、マカドゥはゴール下の争いでクーリーからエンドワンを奪う。渋谷はここまで全得点をマカドゥが決める。

キングス、渋谷ともにディフェンスのチームだが、序盤は互いに高確率でシュートを決めてくる。

1Q残り3:32、キングスは小寺を入れるが。ここはスリービッグではなくダーラムとのツービッグ。

渋谷は、#22 マックス・ヒサタケが素晴らしい跳躍力を見せながら得点を決める。

さらにヒサタケはファストブレイクの先頭を走り得点。マカドゥにもスティールからファストブレイクを決められる。

1Q残り2:31 スコア23-17と渋谷6点リードとなりキングスはタイムアウト。

渋谷はボールへ激しいプレッシャーディフェンスをかけてパスコースを限定、キングスのガード陣からの苦しいパスを渋谷に狙われた格好だ。

その後、キングスは岸本の3ポイントなどで盛り返し、1Qは25−25のタイスコアで終了。

渋谷はマカドゥがインサイドから12得点。キングスは今村、岸本が2本、牧が1本と3ポイントで加点。両者は対照的な得点スタイルの1Qとなった。

 

2Q ディフェンスで魅せる両チーム

 

渋谷はベンドラメとヒサタケのコンビプレイから得点。

ヒサタケはオフェンスリバウンドに何度も飛びつく。強力なキングスのインサイド陣に一歩も引かない活躍だ。

2Q残り7分、スコアは27−27。1Qとうって変わり、両チームの激しいディフェンスが互いの得点を許さない。リバウンドに飛びつき、ルーズボールにダイブする姿に会場も盛り上がる。

渋谷はキングスのガード陣を激しくディナイしてパスを回させない。選手を分断する作戦。

キングスも、今村が渋谷のピックアンドロールの合間を縫ってスティール。今村はディフェンスでも集中している。

キングスの粘り強いパス回しからエバンスのダンクが決まり、2Q残り4:46、27−31とキングス4点リードでオフィシャルタイムアウト。

2Q残り3:37、エバンスのスティールから、ファストブレイクで今村がエンドワン!

今村はさらにクーリーのスクリーンを使いペイントにアタックしてフローターショットを決める。

今村の攻撃力によって、キングスがリズムを掴みかける。

渋谷は序盤で活躍のヒサタケをコートに戻して流れを押し戻そうとする。

2Q残り1:47 33−35とキングス2点リードで渋谷がタイムアウト。

その後、渋谷はハレルソンの3ポイントを決めて何とか食らいつく。

2Qは38−38の同点で終了。互いにエナジー高いディフェンスを見せた。どちらが先に気持ちが途切れる時間帯が来るか。それが勝負の分かれ目になる。

 

3Q ターンオーバーからキングスが走る

 

名将同士のこの対戦、ハーフタイムを挟んだ後半のスタートに一気に動き出す。

3Qスタート、エバンスがハレルソンへ厳しくプレッシャーディフェンスでターンオーバーを奪う。奪ったポゼッションを今村が3ポイントシュートファウルを獲得。

渋谷はオールコートディンフェス。しかしキングスは牧が右コーナーから冷静に3ポイント成功。ここ最近、牧のコーナー3ポイントが安定した武器になってきている。

さらに今村が右45度から3ポイント成功。今村は続けて左コーナーからこの日4本目の3ポイントも決めてみせる。

3Q残り7:28、40−49とキングスが3連続3ポイントで0−9のスコアリングラン。たまらず渋谷はタイムアウト。

伊佐HCはキングスの3ポイント攻勢にどう対応するか。

 

タイムアウト明け、キングスのオフェンスは止まらない。並里のドライブからエバンスへのディッシュパス。さらにエバンスはハレルソンからボールカット、そのままゴールを奪う。

ターンオーバーが続く渋谷は、マカドゥのポストアタックで何とか繋ぐ。クーリーにオフェンスリバウンドを奪われても、ハレルソンとマカドゥが身体を張り3秒バイオレーションを奪う。

互いにオールコートで相手を追いかけ回す激しいディフェンス。

渋谷はマカドゥがインサイドで連続得点。キングスはここが止められない。

3Q残り3:06、48−57とキングスリードも、岸本が3回目のファウルを吹かれる。

しかし岸本は強気のオフェンスでチームを引っ張る。岸本はドライブからクーリーに合わせのパス、さらに岸本はドライブからダーラムへ合わせのパス。そしてまたしても岸本ダーラムで同じプレイ。

今日の岸本は、3ポイントではなくドライブでゲームを動かしている。

3Qは50−65とキングス15点リードで終了。キングスのディフェンスは、渋谷にマカドゥとハレルソン以外の得点を許さなかった。

 

4Q スリービッグで走るキングス

 

4Qスタートのキングスはこの試合初のスリービック。岸本、フリッピン、エバンス、ダーラム、小寺。

岸本とダーラムのピックアンドロールでゴールへアタック。ハレルソンから3回目のファウルを奪う。

そしてフリッピンが、渋谷の甘いパスをスティールしてエバンスにアシスト。

4Q残り8:20、50−69とキングス19点リードとなり渋谷タイムアウト。

タイムアウト明け、渋谷はターンオーバーが止まらない。ベンドラメから岸本がスティール、そのままファストブレイクからエバンスへバックボードアリウープで魅せる。アウェイにも関わらず、多くのキングスブースターが詰めかけたアリーナも盛り上がる。

4Q残り6:54、スリービックの速い展開にハレルソンが4回目のファウルを犯してしまう。

さらに渋谷のターンオーバーから並里が得点。50−75と25点差となりオフィシャルタイムアウト。

4Q残り4:14、ハレルソンがテクニカルファウルで5ファウルアウトとなり退場。50-75と25点差の場面で渋谷は外国籍が一人いなくなってしまい、ここで勝負は決した。

最終スコアは60-80とキングスが20点差をつけて7連勝。

キングスは、後半にディフェンスのギアを上げてターンオーバーからの速い展開という、自分たちの戦い方を見せつけた。明日のGame2、渋谷はどう対策してくるのか。

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この記事を書いた人

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