第5節 大型補強の広島にキングス30点差の快勝

10月27(水)琉球ゴールデンキングスは、広島ドラゴンフライズと沖縄アリーナで対戦した。

広島は今季の注目チーム。川崎のスター選手だった#3 辻 直人、北海道から昨季得点王の#24 ニック・メイヨ、そして琉球から#7 船生 誠也など、各チームの主力選手を獲得。一気に強豪チームになれるのか、昨季西地区を優勝したキングスとの今季初対戦は、西地区の勢力争いを占う一戦だ。

対するキングスはここまで6勝2敗ながら、相手のゾーンディフェンスに苦しめられる場面が多く、この試合でもゾーンディフェンスへの対策が注目される。

この日の沖縄アリーナはKINGS HALLOWEEN!

 

目次

苦手なゾーンディフェンスを攻略

キングスのスタートは、#3 並里 成、#13 ドウェイン・エバンス、#24 田代 直希、#30 今村 佳太、#45 ジャック・クーリー

広島のスタートは、#0 寺嶋 良、#2 朝山 正悟、#3 辻 直人、#10 チャールズ・ジャクソン、#24 ニック・メイヨ

 

広島は試合開始直後からゾーンディフェンスを敷いてきた。長身のニック・メイヨをトップに置く変則的な 3−2ゾーン、キングスのリズムを狂わせる作戦だ。

 

しかしキングスも、ゾーンディフェンスを効果的に攻略してきた。

オフボールからのカッティングでゾーンの陣形を崩し、コーナーからフリーで3Pシュートを放つ。

前半のスコアは、キングス 44−21 広島。

キングスは、前半だけで3Pを5/9で55.6%の高確率で決めて、試合の主導権を取った。

昨季キングスに在籍した#7 船生も1Q途中から出場。コートに登場すると沖縄アリーナの観客から拍手で迎えられた。

船生も観客の拍手に、アグレッシブなプレイで応えてくれた。

 

 

日本代表トム・ホーバスHC「岸本、今村が気になる」

ハーフタイム中に、男子日本代表のHCに就任したトム・ホーバスHCの記者会見が行われた。

 

──ここまで今日の試合を見て感想は?

私のバスケットボールも、今日のキングスのスタイルと似たスタイルです。ディフェンスからリバウンドを取り、そしてファストブレイク。楽しくて良いバスケットと思います。

 

──気になる選手として挙げていた岸本、今村に共通するポイントは?

特に岸本選手の3Pは最初からいいと感じていた。ディープ3Pもあるし、うちのスタイルにはピッタリです。3Pだけではなくディフェンスもすごい。相手のリズムを崩せるいいディフェンダーだと感じた。

 

──これからの男子代表チームの強化ポイントは?

女子代表チームのようなチームを作りたい。日本人の強い部分、速さ、チームワーク、しつこいディフェンス。

八村、渡邉、馬場は長い間合宿には参加出来ないので、彼らが入る前に「良いチーム」を作りたい。

しつこくディフェンスして、リバウンドで負けない。オフェンスでもディフェンスでも走ってトランジションの速いバスケをする。チーム作りは時間がかかるが、直前に千葉や渋谷でも試合を見て感じたが、良いチームを作れそうな自信がある。

──女子代表チームのように、男子代表チームでも長身選手も走力や3Pの能力を求める?

そうです。全員が3Pを打てるチームを目指す。だが3Pだけではなく、アグレッシブにペイントアタックをして、相手のディフェンスを崩し、そこからのフィニッシュ。今はそのフィニッシュ出来る選手を探している。ポイントガードや2番の選手がドライブしてフィニッシュかパスアウト。そこから全員がシュートを打つ。それが私のバスケットです。

今はBリーグを多くチェックして、男子の選手達を勉強中です。私は、代表チーム作りはパズルのピースを探していくものだと考えている。それぞれの選手が出来る事を見極めている。

 

──ホーバスHCも現役時代にNBAを経験されているが、沖縄アリーナの雰囲気はNBAと比べてどうか?

このようなNBAのような雰囲気をもつアリーナは、日本には無かった。NBAのアリーナは2、3万人と大きいが、沖縄アリーナは全ての席からコートがよく見える。このくらいのサイズはとても良い。ホームコートアドバンテージが作れると思う。

 

──女子代表チームでポイントガードの町田瑠唯選手が活躍していたが、ポイントガードにはどんな役割を求める?

東京五輪では町田選手がすごく良かったが、本橋(菜子)選手も怪我をする前には女子代表のスタメンガードでした。本橋選手のように3Pもあり、フィニッシュも出来る選手を探している。パスが出来るのは当然必要だが、NBAでもポイントガードがスコアリングするのが当たり前になった。男子代表チームも似たスタイルになると思う。

 

──次のパリ五輪に向けて

まだ合宿も行っていないので目標を話す段階ではない。選手達と練習を通じてリレーションシップを作る、そこからです。目標を設定するのも大事だが、合宿を積み重ねる事で目標を作っていく。

 

後半も主導権を渡さず30点差の快勝

後半に入っても、キングスは広島に主導権を渡さない。

試合開始直後から続くインテンシティ高いディフェンスを後半でも全員が継続。

特に、広島の得点源である#3 辻 、#24 ニック・メイヨにはチーム全員で激しく守る。この試合、辻は無得点、ニック・メイヨは8得点と仕事をさせなかった。

 

激しいディフェンスから何度もファストブレイクが飛び出すキングス。

4Qにはこの日のハイライトとなる、#13 ドウェイン・エバンスのスラムダンクが決まる。

 

キングスは、負傷中の#4 コー・フリッピンを除く全員が得点。

最終スコアは キングス 84−54 広島 と30点差の快勝となった。

 

試合後HCコメント

広島 ミリングHC

相手のアグレッシブなディフェンスに負けてしまった。最初はこちらもよいショットが出ていたが、イージーショット外れて自信を失ってしまい、アグレッシブさが無くなり、リバウンドで全員が負けてしまった。次からはしっかりと対策したい。辻選手へのディフェンスもフィジカルでプレッシャーが強かった。

キングスは昨季から選手の入れ替わりも少なく、昨季CSに出場したチームとの対戦は我々にとって良い経験になった。次の対戦はしっかりと準備してのぞみたい。

前戦からの移動日も含めコンディションも難しかった。週末の天皇杯で立て直していきたい。

 

キングス 桶谷HC

今日の勝因はディフェンス。スタメンメンバーのディフェンスのインテンシティが素晴らしかった。#3 並里も前から激しく守り、チームとしても相手のビックマンにも仕事をさせなかった。辻選手とニック・メイヨ選手、ここをしっかりと対策を準備してきて、それを遂行できた。

オフェンスでは、オープンショットやゴール下を外していたが良い形のオフェンスは出来ていた。

 

──今日のホームゲームの意味合いはどう捉えていたか

ホームで連敗は許されないし、広島は今季西地区で順位争いをする可能性があるチーム。広島はオフェンスのチームなので、オフェンスでやりたい事をさせない。辻とメイヨを抑える。ボールプレッシャーもかかっていて、チームとしてディフェンスが出来ていた。今日は自分達の悪い流れが無かったが、ゲームプランを遂行出来たのはプラスに考えている。

 

──出場時間の少ない小野寺選手や満原選手も出場したが

#34 小野寺や#32 満原も、彼らはずっとチームを支えてくれていて、彼らも含めて全員がしっかり仕事をしてくれた事が大きかった。

 

──相手のゾーンディフェンスに対する対策は

広島は1−3−1に近い変則的なゾーンをやってきた。ゾーンに対してどこで攻めるか、チームの共通理解が出来てきた。しっかりペイントタッチして、イン – アウトの攻め方が出来ていた。

 

──今日は男子代表のホーバスHCが観戦、岸本・今村の名前を挙げていた

代表のHCからの注目されるのは選手にもモチベーションになるし、クラブとしても素晴らしい事。このチームから代表選手が選出される事を期待している。

 

 

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この記事を書いた人

地元で開催されるFIBAバスケットボールワールドカップ2023に貢献するべく奮闘中!
趣味はスポーツビジネス関連の研究。note、Twitterもフォローしてくれると喜びます。

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