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1. フルシーズン戦うコンディショニング

カール・タマヨはまだ22歳と若い。日本で言えば大学を卒業したばかりのルーキーと同じ年齢だ。

タマヨがプロバスケットボールプレーヤーとしてフルシーズン戦うのは今季が初めて。Bリーグのレギュラーシーズン60試合にチャンピオンシップ、さらに天皇杯やEASLと、日本の試合日程は世界的にも過酷なスケジュールだ。

 

開幕戦に大活躍したタマヨは、交代でベンチに戻ると呼吸も荒く、とても疲労した表情を見せていた。自分よりも大きく重い選手と身体をぶつけ合っていたのだから当然だし、賞賛されるべき高い強度のプレーも見せた。しかし、この日のディフェンスの強度をフルシーズン持続するのは簡単ではない。

 

Bリーグの外国籍インサイドプレーヤーは今や世界屈指のレベルだ。おそらく彼が過ごしたフィリピンの大学時代にはここまでのプレー強度は経験したことが無いだろう。

 

プロの過酷なスケジュールをこなすコンディショニング、スタミナが何より重要だ。試合に向かう準備をどれだけ高いレベルでこなせるか。タマヨのプロバスケットボールプレーヤーとしての覚悟が試される1年になる。

 

2. 3ポイントシュートに代わる武器

開幕戦で3ポイント4本を全て決めたタマヨの活躍に対し、佐賀の宮永雄太ヘッドコーチは「タマヨ選手の3ポイントは素晴らしかった」と語った。

 

Bリーグのヘッドコーチは、相手チームの選手の活躍に「その選手を褒める」表現をしばしば使う。これはもちろんその選手を称賛する気持ちも含まれているが、一方で「その選手の活躍は想定外、守るべき優先度の低かった選手」という意味を併せ持つ。つまり佐賀のディフェンスは、タマヨの3ポイントシュートを警戒していなかったのだ。

 

開幕戦の活躍により「カール・タマヨの3ポイントシュートは要注意」とBリーグの全チームがスカウティングしたことだろう。同じようにフリーでシュートを放つことは難しくなるかもしれない。その時タマヨにはどんな武器があるだろうか。

 

まず、安易に確率の低いミドルジャンパーを放つ悪癖は封印しなければならない。開幕戦でもクローズアウトに飛んできたディフェンダーをフェイクでかわして、ワンドリブルでミドルジャンパーを放つ場面が何度かあった。

逆に、フェイクでかわした後にゴール下にドライブして、柔らかいレイアップを決めた場面もあったし、ゴールへのドライブからもう一度外へキックアウトパスを回した場面もあった。あのようなプレーをもっと増やしたい。

 

さらに、タマヨに最も求められるプレーは、オフボール時のスクリナーとしての役割だ。

タマヨがコートに立つ時間帯は、同時にアレン・ダーラムやヴィック・ローというオールラウンダーの外国籍が出場している場面が多い。ダーラムやローはオフボールスクリナーではない。今現在のキングスに足りないのは、味方をフリーにする汗かき役だ。

もしタマヨがフィリピン時代のエースとしての役割ではなく、ボールの無い場面で黙々と汗をかくプレーが出来るようになれば、必ずやチームの勝利に貢献するし、巡り巡ってタマヨに重要なシュートチャンスが回ってくるはずだ。

 

 

「フィリピンの至宝」がキングスというチームによって磨かれ、どれだけの輝きを放つのか。今季の楽しみがまたひとつ増えた。

 

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