B.LEAGUE 誕生前から意識するアルバルク東京の存在
── 岸本選手の涙という話もありましたが、B.LEAGUE が開幕する以前の2014年にもキングスは当時NBLアルバルク東京と対戦しました※。その時から岸本選手はずっとアルバルク東京に強く感じるものがあったのではと思いますが、キングスとしてもbj時代から、B.LEAGUE が始まる前からアルバルク東京というのは大きな存在だったのでしょうか?
(※2014年9月3日・5日に沖縄市体育館でプレシーズンゲームとして初対戦。9月3日はキングス 78-80 アルバルク 、9月5日はキングス 75-76 アルバルクで共にキングス敗戦)
そうですね、あのプレシーズンゲームはキングスがアルバルク東京にお願いして沖縄で対戦出来たという経緯がありました。いずれアルバルク東京のような国内強豪クラブと競い合う環境が生まれるかもしれない。一緒に並ばなければいけないゲート、競馬でいうスターティングゲートのように一緒に横になって走れるか、我々もゲートに一緒に並んで走れるか興味津々でした。そのゲートに行くためにまず他の馬はどれだけ凄いのか試す意味で、プレシーズンでアルバルク東京に沖縄へ来てもらいました。
あのプレシーズンも試合結果は惜しかったです。もう最後の最後でジェフ・ギブスがシュート決め、このシュートが決まってなかったら勝っていたのにという瞬間がまだ目の奥に焼きついています。(笑) 2016年9月22日のB.LEAGUE開幕戦も、試合の流れ次第では勝てたかもしれないという試合でしたが、力の差が勝敗に出てしまいました。
しかし、今回は互角の戦いを挑ませていただきたい、常に謙虚さは大事ですが、今回はアウェーではなく、キングスのホーム。沖縄アリーナでは負けないという強い気持ちで戦わせていただきます。
沖縄アリーナで2021年B.LEAGUE 開幕戦を開催する意義
── その沖縄アリーナですが、今まで日本になかったいわゆる「夢のアリーナ」と呼ばれるような施設ですし、キングスとしても、安永さん木村社長がずっとキングスの試合を通して見せてきた「アリーナの理想像」を表現できるような場所だと感じます。2026年B.LEAGUE の新リーグ構想でもアリーナがクローズアップされている状況で、沖縄アリーナで今季のB.LEAGUE 開幕戦を行う意義はどう感じていますか?
10年後になれば沖縄アリーナのような場所が全国各地に出来ていて欲しいと思いますし、またそうあるべきだし、そうならないといけないと思います。
ただ、10年後なのか20年後なのか見据えた上での、アリーナの理想形の一つの例として、具体的に実物で示すというのが大切であり、沖縄アリーナはそんなアリーナだと思います。
沖縄アリーナで、日本代表チームがオリンピックの事前試合を開催してくださいましたし、B.LEAGUEオールスターゲームも2022年1月に開催されます。そして2023年のワールドカップ開催も控えています。バスケットボールのメッカの一つに沖縄が加わることができました。
沖縄アリーナでは、プレーする選手達からも、それを観るお客さんからも、驚きと感動という感情が湧いてくる。その中で試合を観る、楽しむ、試合をプレイする、レフリーが笛を吹く、スタッフが働く、そこには今までの日本にはなかった感覚が存在する。プロバスケットボールはこうあるべきだろうという形を示すアリーナであると思います。
開幕戦を楽しみにしていて欲しいです。本当に自分たちのやっていることを信じて、今という時期を考えながら行動する。コロナで世の中変わってしまった中で、キングスもしっかりと行動できる、活動する、その第1試合目にしたいと願っております。
この開幕戦を通して観客の皆さんから、少しでも気が紛れました、気持ちが晴れました、という言葉が聞けたらと願い、キングスも頑張っているんだから私たちも頑張ろう、そんな風にゲームが皆さんに伝わったら最高です。