写真・文:大井 聖路
女子準々決勝 | ||
小禄 | 那覇 | |
63 | - | 52 |
21 | – 1Q – | 8 |
17 | – 2Q – | 10 |
18 | – 3Q – | 11 |
7 | – 4Q – | 23 |
「ファイト!元気!がんばろう!」
試合前とハーフタイム明け、那覇の選手たちは応援団に向かってこぶしを上げ、このかけ声で気持ちをひとつにする。しかし今大会は無観客試合のため、目線の先に応援団はいない。それでも、那覇はこの“儀式”を行った。チームのビデオカメラに向かって……。きっと彼女たちはこの瞬間、カメラの向こう側にいるチームメイトや父兄と気持ちをひとつにしていた。
小禄と那覇の過去の対戦を振り返ると、昨年8月の那覇・南部新人大会では62対59で那覇が接戦を制している。しかし、今年1月の小橋川杯では72対69で小禄が競り勝っており、今大会でも接戦が予想された。
試合が始まると、那覇のオンボールスクリーンに対して小禄はショウディフェンスとスイッチアップで対応し、ボールマンに激しくプレッシャーをかける。さらにマンツーマンから2-2-1プレス、2-1-2ゾーンとディフェンスを変化させて揺さぶりをかける。1Qの終わりには小禄#7石川華のブザービーターが飛び出し、小禄が21対8とリードを広げる。
ディフェンスから流れを変えたい那覇だが、小禄の内外バランス良い攻撃を止めることができない。3Q終了時点で56対29と点差が27に広がったところで、那覇は出場メンバーをオール1・2年生に変更する。那覇には#10川上日緑をはじめ、注目の1・2年生が多数存在するが、筆者が特に注目しているのはガードの#7我謝美鈴だ。
#7我謝は1対1からの仕掛けでディフェンスを引き付け、華麗なアシストで味方のシュートチャンスをクリエイトできるファンタジスタだ。ディフェンスの寄りが遅ければ、もちろん自分で決め切ってしまう。特筆すべきは、パスをする前の予備動作が小さく、パスのタイミングとコースを読みづらいことだ。まだまだ粗削りな部分はあるものの、それも「今後の伸びしろの大きさ」と置き換えることができるスケールの大きな選手だ。
試合の最終スコアは63対52と、小禄が那覇の猛追を振り切って勝利を収めた。小橋川杯チャンピオン・小禄の圧巻の戦いぶりと、那覇の今後の成長。どちらからも目が離せそうにない。