沖縄のためにどうあるべきか 琉球ゴールデンキングス 岸本隆一

(文:湧川太陽、写真:Hamataro)

琉球ゴールデンキングスが2年連続Bリーグファイナル進出を決めたセミファイナルGAME2。その日、沖縄アリーナには過去最多となる8619人の観客が訪れた。

 

セミファイナルGAME2の試合後記者会見で、キングスの岸本隆一は「やっとスタートラインに立てた」とファイナル進出の心境を語った。

悲願であるBリーグ制覇、真の日本一にむけて、キングスを応援するファンの期待も大きい。岸本隆一は、沖縄県出身選手としてファンの大きな期待を背負っている。

 

岸本は2013年にプロ入りして、その後もキングス一筋でプレーしている。そして現在のキングスでは、沖縄で生まれ、学生時代も沖縄で育った唯一のプレイヤーとなった。

 

岸本がキングスでプレーし続けることは、沖縄のキングスファンにとって特別な思いがある。ただ、岸本の両肩にかかるファンの思いが、岸本本人にとってプレッシャーになることはないのだろうか。

 

記者会見で岸本にそのことを尋ねてみると、彼は丁寧にそして誠実に答えてくれた。

「今はもう期待して頂いているという事に対して、100%の感謝という気持ちでやっています。もちろんキングスも最初の頃は沖縄出身の選手が多くて、そういう中で徐々に今のチームの形になっていく中で、僕が沖縄出身選手であることに意義は感じています」

 

「ただ今キングスは、チームもそうですし球団としても、『沖縄のためにどうあるべきか』というところが、僕たちの一番大きな部分だと思います」

「もちろん自分自身の出身地ということは意識しますし、少なからずみんなとは違う影響力があるというか、そういうものは理解しているんですけど、みんな同じくらい『沖縄のために』という気持ちでプレイしていたり、働いていたり、そういう気持ちがあると思います」

 

「自分自身がキングスでプレイし続けて、そういう変化に携われていることは有り難い事ですし、引き続き期待してもらえたらと思っています」

 

キングスは、沖縄県出身選手がいるからキングス。ウチナーンチュ(沖縄の人)がいるからキングスを応援する。確かにそういう時代があった。

 

しかし『沖縄をもっと元気に!』という合言葉のもと、キングスが積み上げてきたものは、本当の意味でカルチャーとして根付き、そしてそのカルチャーがあるからこそ、沖縄の人々に愛されてきている。少なくとも僕はそう感じる。

 

 

琉球ゴールデンキングスが真の日本一になった時、琉球ゴールデンキングスに関わる全ての人たち、応援するファン、そして岸本隆一は何を感じるのだろうか。

あと2勝。それで全てがわかる。

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