5月21日(土)、Bリーグチャンピオンシップ(CS)セミファイナル 琉球ゴールデンキングスはホーム沖縄アリーナにて島根スサノオマジックとGame1を対戦。
キングスにとって『鬼門』となるセミファイナルの壁。今季こそ、という期待が8,020人満員の沖縄アリーナに充満する。
今季こそ。
その期待はすぐに出鼻をくじかれることになる。
島根の”3&D” 白濱僚祐の手痛い一撃
キングスのスターティング5は、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#4 コー・フリッピン、#13 ドウェイン・エバンス、#45 ジャック・クーリー。
島根のスターティング5は、#3 安藤 誓哉、#15 白濱 僚祐、#2 ペリン・ビュフォード、#28 ウィリアムス・ニカ、#4 ニック・ケイ。
先制点は島根の#3 安藤。キングスは出だしから激しいディフェンスを見せたが、安藤はショットクロックわずかな状況から3ポイントをねじ込んだ。ここから島根の3ポイント攻勢が始まる。
島根は#15 白濱が1クォーターだけで8得点をあげる活躍。
島根における白濱の役割は、ディフェンスに足を動かし続け、オフェンスで僅かなチャンスで3ポイントを決めることだ。島根の誇る”3&D”が、この大舞台で大きな役割を果たした。
さらに島根の3ポイント攻勢が続く。ベンチから出てきた#8 リード・トラビスが、スクリーンをかけてから外に開く”ピック・アンド・ポップ(PnP)”で3ポイントを決める。
島根は1クォーターだけで3ポイント11本中8本成功、なんと72.7%という高確率で成功させてキングスに大きなダメージを与えた。アルバルク東京を破りアウェーに乗り込んできた勢いのまま、最大21点差をつけるビッグクォーターにした。
キングスはCSに入り絶好調の#3 並里 成がベンチから登場、1クォーター終わりには、切れ味鋭いレイアップを決めてチームを鼓舞する。
1クォーターは21 – 34と島根が13点リード。キングスの『鬼門』がまたしても大きく立ちはだかるかに思えた。
思い出した”自分たちのディフェンス”
「2クォーター以降、皆で我慢しながらひとつずつポゼッションを返していけた。レギュラーシーズンからの自分達が良い時のイメージの共通理解があって、こういう戦いが出来たのかなと思います。」
試合後にこう振り返ったように、21点差にもキングス桶谷HCは動じていなかった。1クォーターの島根の3ポイント攻勢があっても、自分たちが積み上げてきたディフェンスを冷静に信じていた。
実際、1クォーターの島根の3ポイント攻勢もキングスのディフェンスが破綻して決められたものではなく、島根がタフショットを決めきった結果だった。褒めるべきは島根のオフェンス。自分たちの積み上げてきたディフェンスへの信頼は揺るがない。
指揮官の信念を受けて、選手たちも冷静にコート上で実行し続けた。
レギュラーシーズン歴代最高勝率を達成した”自分たちのディフェンス”は裏切らない。2クォーターの島根オフェンスをシャットアウト。FG%を23.8%(5/21)、3ポイント%を11.1%(1/9)、さらに5ターンオーバーも誘発した。
ディフェンスとオフェンスは表裏一体だ。キングスの”自分たちのディフェンス”は、小さくとも確かなオフェンスのリズムを刻み始める。
2クォーター残り10秒を切った場面、キングスは岸本に最後のプレイを託す。
岸本はペイントエリアに侵入、島根ディフェンスの視線を釘付けにする。そこから岸本はゴール下に現れた#7 アレン・ダーラムに矢のようなパスを通してブザービーターを決める。
2クォーター終了時は、37 – 48と島根11点リード。沖縄アリーナの観客も、今季何度も見てきた逆転劇を信じ始めていた。