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キングス 西地区逆転優勝をかけて島根スサノオマジックと対戦

(文:湧川太陽、写真:Hamataro)

琉球ゴールデンキングスは、4月12日(水)にB1西地区1位の島根スサノオマジックとアウェーで対戦する。レギュラーシーズンでのキングスと島根の対戦はこれが最後となる。

 

4月10日時点で、キングスは39勝11敗で西地区2位。西地区1位の島根は42勝8敗で、ゲーム差は3。

今季のキングスと島根の対戦成績は、キングスの1勝2敗。3試合合計の得失点差はキングスの-3(総得点244、総失点247)

11月26日(土) 〇キングス 96-86 島根● (+10)
11月27日(日) ●キングス 68-80 島根〇 (-12)
  1月11日(水) ●キングス 80-81 島根〇 (-1)

 

レギュラーシーズン残り10試合となった今、キングスは逆転で西地区優勝するためには、4月12日の島根アウェー戦は絶対に負けられない戦いとなる。さらに最終成績が同率で並んだ場合、順位決定は両チーム対戦成績の得失点差で決定する。

参考:B.LEAGUEフォーマット | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

 

キングスとしては、4月12日の島根アウェー戦は勝利しつつ、タイブレークを確保するために4点差以上での勝利が求められる。

キングスが島根に勝利するためのオフェンス・ディフェンスそれぞれのポイントを、4月9日(日)京都戦後の記者会見にてキングス桶谷HCに聞いてみた。過去の対戦傾向も含めて分析する。

撮影日 11/27(日)

 

 

『キープレイヤー』ビュフォードをどう守るか?

島根のオフェンスは、#2 ペリン・ビュフォードと#3 安藤 誓哉の2大エースが牽引する。特にビュフォードは試合を支配する力を持った『キープレイヤー』だ。

撮影日 11/27(日)

 

ビュフォードは 1試合平均 22.2得点で、B1得点ランキングトップ。3ポイント成功率も37.0%と高く、どこからでも得点出来る今季のリーグMVP最有力選手だ。今季の対キングス3戦でも、平均29.6得点と活躍。特にフリースロー確率は92%とほとんど落としていない。

参考スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2022/11/26 琉球 VS 島根 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

参考スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2022/11/27 琉球 VS 島根 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

参考スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2023/01/11 琉球 VS 島根 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

 

ビュフォードのような得点力のあるキープレイヤーへの対応は、大きく分けて2つある。

一つは、キープレイヤー自身を徹底的に守り、ダブルチームやスイッチディフェンスを駆使して難しいシュートを打たせる方法。

もう一つは、キープレイヤー以外の選手との連携を分断して、キープレイヤーにある程度の得点は許したとしても、その他の選手が気持ちよくシュートを打つ事を許さずに、チームのオフェンスリズムを作らせない方法。

 

キングスは過去3回の対戦では前者を選択した。ビュフォードへダブルチームを仕掛けることは殆ど無く、今村や松脇の日本人選手がマッチアップしてきた。しかし、今回の対戦ではビュフォードに対していつもと違う対応をするかもしれない。

 

4月9日(日)のキングスvs京都戦で、キングスは京都のキープレイヤーであるマシュー・ライトやジェロード・ユトフに対して、ハードショーやローポストでのダブルチームを積極的に使ってきた。今までのキングスにはあまり見られなかったディフェンスだ。桶谷HCは「(島根には)安藤選手やビュフォード選手がいるなかで、自分たちが武器として持っておくことは必要だと思っていた」と話した。

 

今回の対戦では、キングスは徹底的にビュフォードを守りにいくのか。「(島根戦でハードショーを)やるかやらないかは分からないですけど」と桶谷HCは煙に巻いた。

キングスのディフェンスの基本はリバウンドだ。選手全員がマッチアップした相手にハードに守り、相手にタフショットを打たせて、ディフェンスリバウンドを確実に獲得する。そのためには、クーリーやダンカン、ダーラムの強力なインサイド陣に、より良いリバウンドポジションを取らせる事が大事だ。彼らビッグマンがダブルチームを仕掛けるために外に釣り出されると、逆に相手にオフェンスリバウンドを許すことに繋がりかねない。

 

桶谷HCは「期待値の話なんです」と多くは語らなかったが、キープレイヤーに単純にダブルチームにいけば解決する話ではない。自分たちの強みを活かしつつ、相手の得点確率を少しでも下げる。その微調整が必要だ。

 

『いつ』ビュフォードにディフェンスで仕掛けるのか。そのタイミングが重要になる。桶谷HCは「状況によって変わってくる。例えば白濱選手が当たっていたら、シュートを打たせてもいい場所が無くなって(ビュフォードへのダブルチームに)いけなくなる可能性もあります。(4月9日の広島vs島根で)広島さんが結構面白いアジャストをしていた。1on1のシチュエーションになってもトラップに行って、ビュフォードにボールを離させていた。試合の中で駆け引きをしたい」

 

過去3戦のクォーター毎のビュフォードのフィールドゴール試投数をみると、試投数が10近くに増える『スコアリングモード』になる場面がある。特に1クォーターや3クォーターに多い。ビュフォードがリズムを掴みそうな様子が出てきた時に、ディフェンスで積極的に仕掛けて『スコアリングモード』になる前に止めていきたい。

撮影日 11/27(日)

 

ボールムーブメントを忘れずに

キングスのオフェンスは、島根ディフェンスに対していかにボールムーブメントを止めずに攻め切るかが重要になってくる。

島根のディフェンスは、キングスのインサイド陣へ積極的にダブルチームを仕掛けてくる。ローポストでクーリーやダンカンがボールをもらうと、素早くダブルチームで取り囲んでボールを離すように仕向けてくる。

撮影日 11/27(日)

 

桶谷HCも、島根の素早いダブルチームを警戒する。「ハーフコートで『よーいドン』でローポストにボールを落としたら、(島根の)トラップがめちゃくちゃ早い。それでもインサイドという自分たちの武器は間違いなくあるので、アーリーポスト(時間をかけずにポストで仕掛ける)でいったり、トラップに行きにくい場所でボールを持たせたり、ちょっとした工夫をしないといけない」

 

参考になるのは、千葉ジェッツとの対戦だ。千葉も島根と同様にキングスがローポストでボールを持つと、素早くダブルチームで取り囲んできた。天皇杯決勝では、キングスはローポストからのパスアウトしての3ポイントシュートが決まらずに敗戦。逆に4月1日、2日のアウェーでの対戦では、ローポストからのパスアウトで上手く攻撃出来た。何が違ったのだろうか。

 

答えはボールムーブメントだ。天皇杯決勝では、ローポストから3ポイントラインに戻ってきたパスをそのままシュートを放つ場面が多く、ボール回しが単調になり攻撃のリズムが生まれなかった。逆に4月のアウェー千葉戦では、ローポストからの戻ってきたパスをさらにコート広く回す事で、全員がボールに触れる機会が増え、攻撃のリズムが生まれた。

 

桶谷HCもボールムーブメントの重要性を強調した。「いま自分たちのボールムーブメントがすごく良くなってきているので、ボールムーブメントをしっかりしてヘルプに来させないような状況にしてからのインサイド、ということを強調しながらやっていきたい」

「島根戦に限らず自分たちのスタンスとして、1ピックで終わるのではなく、セカンドアクション、サードアクションと入れるようなバスケットを心がけているのでそれを実行したい」

 

キングスのオフェンスで特にカギを握るのが、牧と小野寺だ。

牧は3月後半に怪我で欠場が続いたが、4月8日の京都戦では21分間出場して復調していきている。その牧に代わり再びスターターで出場している小野寺も、自分の役割を全うして活躍を続けている。

撮影日 11/27(日)

 

撮影日 11/27(日)

 

 

彼ら2人に共通するのは、島根からみて「シュートを打たせていい選手」という点だ。島根ディフェンスはダブルチームを多用するので、全ての選手を守り切ることは難しい。誰かのシュートは「捨てる」必要がある。

牧や小野寺がシュートを放つ時、島根ディフェンスにとっては「成功」になる。しかしもし牧や小野寺がシュートを連続して決めたとき、島根ディフェンスに迷いを生じさせる事が出来る。

 

特に、牧の判断力は試合を大きく左右する。視野が広く、ドリブルで相手の嫌がる場所に侵入できる牧は、単調になりがちなオフェンスリズムに変化をつけられる存在だ。彼の3ポイントシュート、リズムに変化を加えるパスで島根ディフェンスを崩していきたい。

撮影日 11/27(日)

 

逆転優勝を諦めていない

4月9日京都戦後の記者会見で、キャプテンの田代は「西地区の逆転優勝を諦めていない」と力強く語った。

「まだまだ(西地区優勝の)チャンスはあると思います。何よりホームでCSを開催出来るというのは大きい。過去にはアウェーでCSを戦ったこともあるので、ホームでCSを開催できるのが僕らにとってどれほど力になるのかは理解しているつもりです。何としてもホームは取りに行きたいと思います」

撮影日 11/27(日)

 

残り10試合で3ゲーム差。確かに厳しい状況だが、最後まで何が起こるか分からない。島根とのレギュラーシーズン最終戦は西地区優勝、そして悲願のB1制覇にむけて大きなチャレンジになる。

撮影日 11/27(日)

 

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