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問われるチームディフェンスの再構築

キングスは、試合の最後までディフェンスの課題を解決することが出来なかった。

試合を通じて、大阪はクーリーのスピードのミスマッチを狙い続けた。クーリーのスタッツは16得点13リバウンド。出場時間はチーム最多の31分、オフェンスリバウンドは6個を奪った。しかしクーリーのプラスマイナス値は-5、チームで3番目に悪かった。

 

試合後の記者会見、大阪のマティアス・フィッシャーHCに対して、クーリーを狙って攻めたのか質問してみたが、「クーリーを狙ったわけではない。ニュービルがハイピックを使って、ズレが起きたらドライブでアタック、もしくはヘルプに来たらコーナーへのパスを選択させた。ニュービルの判断が素晴らしかった」と語った。しかし数字が物語るように、クーリーのスピードのミスマッチを利用したのは明らかだった。

 

桶谷HCにも、クーリーのスピードのミスマッチを突いてくる相手に対して、どう対応するのか質問してみた。「難しいところです…オフェンスでジャックが良い時間帯もあったし、ダンカンも足は付いていけていなかった。ダーラムが付けたかもしれないけど、僕らとしては今日のダーラムのディフェンスは良くなかった」

「ニュービル以外にも、決められてはいけないシュートを何本も決められてしまった。僕らはそこにフォーカスして、チームディフェンスをしっかりしなければいけない」

 

その通りだ。クーリーは確かにスピードに弱点を抱えている。だがそれ以上に、彼の力強さはチーム全体を支えている。

相手は自分たちの弱点を徹底的に突いてくる。それがバスケットボールだ。苦境にさらされる仲間のために、全員がハードワークしたか。この試合は、そこに大きな疑問符が付く。

 

具体的には、ボールマンに対するプレッシャーだ。キングスが素晴らしいディフェンスをしている時は、必ずボールマンに対する厳しいプレッシャーがかかっている。

この試合はボールプレッシャーが弱く、大阪に簡単にハイピックを使わせてしまった。本来なら、ボールマンの進行方向を制限して、スクリーンを使おうとすれば身体を張って壁をこじ開けるべきだ。この日それが出来ていたのは、フリッピンと今村くらいだった。

フリッピンはこの試合10得点。それ以上にプラスマイナス値でチームトップの+18を記録した。フリッピンが強度の高いボールプレッシャーで、大阪オフェンスにやりたい事をさせなかった証拠だ。

 

さらに言えば、前節の千葉戦からこの課題は少しずつ露呈していた。千葉はこの日の大阪と同様にキングスのビッグマンに対して、スピードのミスマッチを突いてきた。いや、千葉戦をスカウティングした大阪が、同じようにキングスの弱点を突いてきたと考えるのが自然だ。

 

いちど露呈した課題は、必ず他チームも同じように突いてくる。レギュラーシーズン残り試合は12試合。もがき苦しみながら前を向き成長する12試合にするか、それともただただ落ちていく12試合にするか。

スタッフ、選手全員がチーム一丸となれるか。優勝という『Same Page』を描けるかどうか。

試練の4月は、始まったばかりだ。

 

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