手応えをつかんだ敗戦
試合終了後の記者会見、キングス桶谷HCは悔しい表情も見せるものの、その目にはまだ次への意志が感じられた。
「前半は冨樫選手へのインテンシティ高いディフェンスや、オフェンスでもエクスキューション(遂行力)の高いプレイが出来ていた時間帯は良かった。3クォーターの立ち上がりに、ビックマンのスピードのミスマッチを突かれて得点を許したのが痛かった」
「ロー選手に今村をマッチアップさせて高い位置からストップ出来た時間帯もあったので、明日(GAME2)は今村だけではなく他の日本人選手もロー選手に付けながら試していきたい」
天皇杯決勝と比べて、オフェンスでの手応えを質問すると
「天皇杯でもインサイドの利点を活かしてオープンショットを打てていたがシュートが入らず、逆にパスカットを狙われた。今日は色々な方法、インサイドアウトだったりカッティングを使ってクローズアウトゲーム(前後の揺さぶり)でイニシアチブを取れたかな、と思っています」
同じく今村も、敗戦の中に手応えを掴んだ表情を見せた。
「試合を通して手応えはあった。フリースローや、試合の最後の時間帯でのオフェンスディフェンスのエクスキューション(遂行力)が落ちてしまったことが結果につながってしまったが、チームも個人的にも手応えを感じる試合だった」
前半から積極的なインサイドアタックをみせた今村は、自身のオフェンスでの役割をこう話した。
「ペイントにアタックしていかに自分がチャンスを作れるか。自身のシュートタッチがあまり良くない中でも、自分がチャンスをクリエイト出来るかが勝負のカギと考えていた」
手応えのある中で、プラスアルファで何を積み上げる必要があるのか。今村は
「今日は冨樫選手とロー選手のコンビプレイでオープンショットを打たれた場面があった。ディフェンスのコミュニケーションをしっかり取りながら、いかに精度の高いプレイが出来るか。オフェンスでは、自分たちのセットプレイが崩れても、流れを止めずにボールムーブメントが出来るか。それがカギになると思います」
最後に、千葉ジェッツ#3 小川 麻斗の声を紹介したい。
小川はこのGAME1にシーズンハイの12得点。3ポイント4本全て決める大活躍を見せた。
試合中、岸本との激しいマッチアップを見せていた小川。そのマッチアップの感想を聞いた。
「岸本さんの3ポイントを警戒していたんですが、細かいステップが本当に上手くて緩急がすごく学ぶ部分が多かった」
「自分に対するディフェンスでも、今までBリーグの中でも、あそこまでディフェンスのプレッシャーをかけられる事が無かった。年齢も離れている岸本さんから、あそこまでのプレッシャーをかけてもらえたことが自分にとってもプラスになったし、『やっつけてやる』という意志が伝わってくるプレイに対して『負けたくない』『逃げちゃダメだ』という気持ちにもなりました。本当にありがたいです」
「(岸本と)マッチアップして、楽しかった反面、キツかったな(苦笑)という感想です」
まだ学生の雰囲気が残る小川。だがリーグを代表するベテラン選手となった岸本とのマッチアップで、色々な事を学んだ様子だった。
キングスの宿敵千葉ジェッツ。超えるべき存在だが、お互いを成長させるために必要な存在。そう感じた記者会見だった。