キングス連勝するも3位決定戦へ  EASL2戦目 台北富邦ブレーブス戦【2023.03.04】

34日(土)、琉球ゴールデンキングスは沖縄アリーナでEASL2戦目となる台北富邦ブレーブスとの試合を行った。

先立って行われた同グループのKGCとサンミゲルビアメンの試合は142-87KGCが勝利。

キングスが優勝決定戦へ駒を進めるためには、53点以上での勝利が必須。非常に厳しい状況でのゲームとなった。

 

目次

厳しい展開となった前半

キングスのスターティングメンバーは、

#1 ジョシュ・ダンカン、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#45 ジャック・クーリー、#88 隼利。

EASLのレギュレーションにより外国籍は2名までのため、#7 アレン・ダーラムがベンチ外となった。

台北富邦ブレーブスは

#0 Ting-En, Lai #5 Chris Johnson#8 Kuei-Yu, Chou#11 Kai-Chieh, Hung#32 Ihor Zaytsev

1クォーター

最初のシュートを決めたのはキングス。#45ジャック・クーリーがインサイドで#14 岸本 隆一のアタックに合わせて、ペイント内で得点。さらに#14 岸本 が続けて3ポイントシュートを決める。レギュラーシーズンと同様にインサイドで#45ジャック・クーリーが圧倒的な強さを見せつけ得点を伸ばす。

対する富邦は 前戦を欠場した#5 Chris Johnson得点源となりオフェンスを展開、多彩なシュートスキルを存分に発揮しこのクォーター11得点の活躍。

リードを広げられないキングス、20-20で1クォーターエンド。

 

2クォーター

試合の主導権を握りたいキングスはプレスを仕掛けるが、富邦のリズムを崩すことができない。

逆にスリーポイントやファストブレイクなどで連続7ポイントを奪われ、たまらずキングスはタイムアウト。その後、#45ジャック・クーリーや#14 岸本 隆一の得点でキングスがペースを掴みかけると、今度は富邦がタイムアウト。一進一退の攻防が続く。

キングスビハインドで試合が続くが、#24 田代 直希のバスケットカウント、#15 松脇 圭志や #32カール・タマヨが3ポイントシュートを連続で決め再逆転。このまま差を広げたいキングスだったが、細かいミスが続き波に乗り切れない。富邦の早い展開から得点を許してしまい、45-45の同点で前半を終える。

前半を終えた時点でキングスのターンオーバーは10レギュラーシーズンでは体験することのないシチュエーションにチームが浮足立ってしまう。

 

キングスのバスケを取り戻した後半

3クォーター

3クォーターが始まると、徐々にキングスがペースを握りはじめる。

#45ジャック・クーリーがペイント内でゴールを決めると、#1 ジョシュ・ダンカンのミドルシュート、さらに#88 牧 隼利が3ポイントを決め、54-47とリードを広げる。

たまらず富邦はタイムアウトを取りチームの立て直しをはかるも、キングスの攻撃の手は緩まない。

ボールと人がうまく連動し、得点を伸ばしていく。#24 田代 直希がリングアタックからのタフなシュートも決め、キングスの攻撃のギアは上がり続ける。

一方ディフェンスでは相手にイージーなシュートを打たせない。このクォーターでは富邦の得点を8点に抑えキングスの真骨頂を見せつける。

攻守かみ合ったキングスが突き放しにかかり、68-53でクォーターエンド。

 

 

4クォーター

富邦もこのゲームに勝てば3位決定戦に進出が決まることもあり、粘り強さを見せてくる。

#5 Chris Johnsonが3ポイントシュートにダンク、さらに#32 Zaytsevも3ポイントシュートを沈め、キングスのリードを徐々に縮めてくる。

だが、沖縄アリーナのブースターの後押しを受けるキングスが勝利への執念を見せる。#45ジャック・クーリーがパスを奪うとそのままファストブレイクからダンクを決め、キングスが勝利を手繰り寄せる。

最後まであきらめない富邦に83-78まで追い上げられるも、逃げ切ったキングス。グループリーグで2勝を上げ得失点差で2位通過となり、翌日の3位決定戦にコマを進めることとなった。

試合スタッツ:Ryukyu Golden Kings vs Taipei Fubon Braves Mar 4, 2023│East Asia Super League, Champions Week 2023

 

 

試合後の記者会見で桶谷 大HCは

「台湾の強豪チームに勝てたというところは本当に素晴らしいと思います。
ただやっぱりファイナルに行けなかったことはやっぱり率直に悔しいなというふうに思ってますし、試合の前に53点差以上に勝たなきゃいけないっていう条件付きで試合が始まって、そこの部分で日ごろにないプレッシャーというものなのか考える必要のないものが脳にインプットされてしまったことが前半で問題が出てしまった要因と思っています。その中でちゃんと後半切り替えてキングスのバスケをしっかりすることができたことは良かったかなと思います。」

 

#14 岸本 隆一も

「結果として勝ったんですけど、振り返ったらもっとやれたかなという思いがありますし、ちょっと気持ちの収まりがつかないというのが正直な今の気持ちです。」と悔しさを滲ませながらも、

明日も試合がありますし、幸いなことにホームコートで試合ができますので、応援していただける方々のためにプレーしたいと思います。」と気持ちを切り替えた。

 

 

集まり始めたピース

今季初のタイトル獲得は持ち越しとなったが、キングスにとって多くの好材料が得られたゲームとなった。

#88 牧 隼利の活躍が勝利を引き寄せたことは、その一つだ。

「今日の試合はポイントガードをやらせてもらう時間がいつもより長く、相手がフィジカルに来る中でやりきれたっていうのは自分にとってはすごくいい経験になったなと思います」

と充実した表情で語る。

「気持ち的にシュートを打ち急いでたと思うし、ディフェンスに関してもいつもよりも前からプレッシャーかけられていたことは良かったんだけど、その分気持ちが出すぎて相手に裏をつかれるっていうシーンがありました。」

と試合を振り返る。チームの状況を俯瞰し、冷静にゲームをコントロールした。チーム全体のターンオーバーは22だったが、牧自身のターンオーバーは0。安定したプレイでチームをけん引した。

3ポイントシュートも好調が続いている。天皇杯のセミファイナルでは4本、この試合でも2本、いずれも100%の確率で決めている。負けられないビッグゲームで確実に3ポイントシュートを決められたことは本人の自信のつながったようだ。

 

タマヨの好パフォーマンスもキングスにとっていいニュースとなった。

この試合が沖縄アリーナでのデビュー戦になった#33 カール・タマヨ。コートに立つとキングスブースターだけでなく、フィリピンのファンからも大きな拍手で迎えられた。

その期待に応えるように躍動する。

2クォーターには、2本連続でスリーポイントを決め、4クォーターでは、タマヨのマークマンが3ポイントシュートへと意識が行っていたところでドライブから得点。的確な状況判断を見せた。

体を張ったディフェンスでチームに貢献し、ブロックショットも記録。攻守で素晴らしい活躍を見せた。

 

桶谷HCも評価する。

「今日のパフォーマンスを見る限りはレギュラーシーズンでもビッグのローテーションに入ってくるぐらいのいい活躍してくれたと思います。彼が入ることによってスペース広げられるので、もう一人のビッグマンも中のスペースできますし、プラスになる要素はかなり出てきたなというふうに思っています。」


「レギュラーシーズンに入った時には対戦相手がスリービッグを仕掛けてくる可能性も出てくると思うので、その時にチームのサイズアップするために3番をする可能性が出てくるかなと考えています。
プレーだったりシステムで覚えることはたくさんあると思うけど、シーズンをこなしながらできるようになっていってもらえたらなと思っています。」
と期待を寄せる。

タマヨの加入や#9 渡邉 飛勇の復帰は、ビッグマンの層が厚くなるだけでなくキングスの戦術のオプションが増えることも意味する。桶谷HCが「ラストピース」と表現したようにBリーグを勝ち抜くために必要不可欠な存在となっていくだろう。

 

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