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試合巧者の東京にキングス敗戦 琉球ゴールデンキングス vs アルバルク東京 GAME1

(文:湧川太陽、写真:照屋勇人)

2022年12月31日(土)、琉球ゴールデンキングスvsアルバルク東京 GAME1が沖縄アリーナで行われた。

大晦日と正月の2連戦ビッグゲームの初戦、キングスはアルバルク東京という強敵をホームに迎え、2022年を勝利で締めることが出来るか。

 

激戦を予感させる試合序盤

キングスのスターティングメンバーは、#1 ジョシュ・ダンカン、#14 岸本 隆一、#24 田代 直希、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。

アルバルク東京のスターティングメンバーは、#1 ジャスティン・コブス、#9 安藤 周人、#11 セバスチャン・サイズ、#22 ライアン・ロシター、#75 小酒部 泰暉。

 

試合の先手をとったのはアルバルク東京だった。試合開始から0-8のラン。キングスは東京のハードショーディフェンス(ビッグマンがボールマンへ激しく守る守備)から連続でターンオーバーを犯してしまう。いきなりピンチとなったキングスは早くもタイムアウト。

 

しかしキングスはその後10-10まで一気に盛り返す。岸本が積極的にペイントエリアにアタックして連続してレイアップシュートを決める。決して簡単ではないシュートだったが、相手に向かっていく強い気持ちを感じさせるシュートだった。

1クォーター終了時のスコアは14-15と東京の1点リード。互いに強度の高いディフェンスをぶつけ合う。この強度をどこまで維持出来るか。我慢比べだ。

 

ファウルマネジメントの重要性

2クォーター開始から、キングスはその強度高いディフェンスを続けて、東京のオフェンスを封じ込める。残り4:57のオフィシャルタイムアウトまでにはスコア 23-17と東京の得点をわずか2点に抑えた。

しかし東京もディフェンスで流れを押し戻してくる。オフィシャルタイムアウト以降の約5分間、今度は東京がキングスを3ポイント2本の6得点だけに抑えた。

 

2クォーターは29-25のキングス4点リードで終了。しかし表に現れない部分で試合の流れが東京に傾きつつあった。

2クォーター終了時点で、東京はサイズ、ロシターのファウルは0。あれだけゴール下で激しい攻防をしながら、東京のインサイドプレイヤーはしっかりとファウル数を減らしてきた。

 

試合後、東京アドマイティスHCにファウルマネジメントについて聞いた。

「常日頃からチームにはファウル数を考えながらプレイを選択して欲しいと伝えている。琉球は非常にフィジカルが強いチームなので、不必要なファウルはせず、必要な場面できっちりファウルで止める。ただしフリースローになる前に止める。それらを選手たちは理解してプレイしています」

東京はエース田中大貴が故障者リストに入り、決して万全なチーム状況ではない。主力選手のファウルトラブルはゲームプランの崩壊に直結する。見事なファウルマネジメントだった。

 

リバウンドの攻防

勝負の後半3クォーター、東京は安藤の3ポイントで30-30の同点、さらにロシターのレイアップで30-32と逆転。

必死にディフェンスするキングスだったが、小坂部に左コーナーから3ポイント+ワンスローで4点プレイを決められてしまう。さらにロシターのダンクで34−38となり、残り6:55、キングスはタイムアウトを取る。

 

アルバルク東京はリバウンドを整えてきた。インサイドに人数をかけてでもキングスにオフェンスリバウンドを許さない。前半のファウルマネジメント、さらにリバウンドからのセカンドチャンスと、東京はキングスの得意なインサイドプレイをことごとく封じてくる。

 

東京はディフェンスリバウンドを確保して、それをジャスティン・コブスがしっかりとゲームコントロール。ロシターとのピックアンドロールから的確にノーマークの選手にパスを供給して得点を重ねる。

そのコブスがベンチに下がった直後、キングスは2−2−1ゾーンプレスを仕掛ける。東京からスティール、それを今村が左コーナーで3ポイントを決める。今季試してきた2−2−1ゾーンプレスが成功した。

 

ここですかさず東京がタイムアウト。そして少しの休憩でコブスを戻すと、またもや東京がボールを丁寧に扱いながら試合をコントロール。キングスに試合のリズムを渡さない。

3クォーターは49-52で東京が3点リードで終了。

 

東京にゲームコントロールされキングス敗戦

4クォーター、キングスは牧を投入して試合のリズムを変えようとする。そして岸本のステップバック3ポイントで52−52の同点に追いつく。さらに牧も相手ディフェンスをよく見ながらレイアップを決める。

 

これで追い上げムードになるかとおもいきや、ダーラムのオフェンスファウルがアンスポーツマンライクファウルとなり、流れはまたもや東京に傾く。

サイズの3ポイント、ロシターのフリースローで56−63と東京が再び7点差に突き放す。

残り6:15 キングスは4ファウルのフリッピンをコートに戻すが、コブスの3ポイントが決まり56−66の10点差、さらに残り5:24でフリッピンが5ファウルとなり退場してしまう。

 

キングスは残り5分でチームファウルが早くも5つ。自分達のファウルからリズムを崩してしまっている。

試合巧者の東京は、ここからディフェンスのギアを上げる。キングスに良いシュートを打たせず、逆にオフェンスではしっかり時間をかけて焦らない。

 

完全に試合をコントロールされたキングスは、流れを引き戻すきっかけをつかめず、そのまま74-82と敗戦。前節のアウェー大阪戦からの2連敗となった。

キングスのレギュラーシーズン連敗は2020−21シーズンの2021年5月2日名古屋D戦、5月5日千葉戦の2連敗以来。2021−22シーズンは連敗が無く、約1年半ぶりの連敗となった。

試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2022/12/31 琉球 VS A東京 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

 

敗戦から大きく成長する事こそ重要

試合後の記者会見で、桶谷HCに1年半ぶりの連敗をどう捉えているか聞いてみた。

「昨季は良くない時間帯で3ビッグで押し切って勝ったり、我慢強くやって最後に勝ちが転がり込んできたゲームもあったと思う。シーズン60試合で連敗が無いチームなんて中々無い。自分たちが一番良いバスケットを追求して、自分たちが出来る事をやり続けられるチームになるのが重要なこと」

「すべての試合で勝利を目指すことも大事だが、成長をしない勝ち星よりも、敗戦から自分たちが大きく成長する事が重要。こういう敗戦をプレーオフに繋げていきたい」

 

岸本も同じように先を見据えてきた。

「チーム状況を考えた時に自分がやるべきなのはペイントアタック。ペイント"タッチ"ではなく"アタック"してシュートまで持っていく、もしくはそこからキックアウトする。昨季ファイナルで『短期決戦ではペイントで主導権を握ること』が大きなポイントだと感じた。そこは個人的にも意識して取り組んでいきたい」

「悪い流れの時間帯に、その打開策を僕自身がはっきり見出せていないなと感じていて、それが少なからず結果にも影響しているなと思っています。外国人選手が個で打開するのも一つの方法ですが、そればかりになるのもシーズン通してあまり良くない。インサイドを起点にしたり、ピックアンドロールをユーザーを変えながら使ってみたり、色々なアプローチはあるが、僕自身が定まっていなくてチームに良い影響を与えられていないと感じる」

「自分自身がプレイしながらチームの状況を察しつつ学んでいくしかない。負けた後で話すとネガティブに聞こえるかもしれないが、僕自身はこれからの新しいチャレンジとしてワクワクする。これをどう表現するかは自分の可能性だと思うので、しっかり取り組んでいきたい」

 

敗戦から大きく成長する事こそ重要。

2023年最初のゲーム、満員の沖縄アリーナでファンに成長を感じさせることが出来るか。GAME2は今季のキングスにとって重要な試合となる。

 

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