最優秀選手に田中大貴 沖縄2023年ワールドカップを考える

・写真提供:B.LEAGUE

ワールドカップで世界の基準を肌で感じた田中大貴が最優秀選手に

B.LEAGUE AWARD SHOW 2019-20がオンラインでの配信という形で、5月8日から3日間に分けて行われた。最終日(DAY3)はベスト5と最優秀選手が発表されアルバルク東京の田中大貴が初受賞を果たした。

ベスト5には、田中を含め、金丸晃輔、富樫勇樹、藤井佑真、ライアン・ロシターが選出された。昨年のワールドカップで感じた世界との差を埋めるために一年間取り組んできた成果がMVPとして形になった。

「少し残念な形でシーズンが途中で終了してしまい少し評価しづらい部分はある」と本人は控えめに語っていたものの、今季39試合出場、平均28分、11.1得点、4.8アシスト、特に総ターンオーバー数58で、1試合あたりに換算すると1.48本はボールハンドラーとしては申し分なく、いかに東京オリンピックへ向けて高い基準を自身に科して取り組んできたのかが数字から伺える。

過去の4シーズンのベスト5と最優秀選手

B.LEAGUE 2016-17 シーズンMVP ニック・ファジーカス
ベスト5 金丸晃輔、富樫勇樹、田中大貴、比江島慎、ニック・ファジーカス

B.LEAGUE 2017-18 シーズンMVP 比江島慎
ベスト5 金丸晃輔、富樫勇樹、田中大貴、ニック・ファジーカス、比江島慎

B.LEAGUE 2018-19 シーズンMVP 富樫勇樹
ベスト5 金丸晃輔、田中大貴、遠藤祐亮、ダバンテ・ガードナー、富樫勇樹

B.LEAGUE 2019-20 シーズンMVP 田中大貴
ベスト5 金丸晃輔、富樫勇樹、藤井佑真、ライアン・ロシター、田中大貴

 

沖縄開催!2023年8月25日 FIBAバスケットボールワールドカップの日程決定

2016年B.LEAGUE発足とともに日本代表の強化が実を結んでいることがB.LEAGUEアワードを振り返れば感じとれる。そして5月11日、ついに2023年FIBAバスケットボールワールドカップの開催日程が決まった。http://www.fiba.basketball/news/dates-set-for-fiba-basketball-world-cup-2023
会場となるのは来年春の完成へ向けて工事が進む沖縄アリーナ。当初は2021年1月にBリーグオールスターゲームを開催する予定だったが、昨年の台風災害等の影響もあり、期日までに完成の確約が得られず、2022年に延期された。コロナの影響も懸念されるが、工事が安全第一で進んでいくこと沖縄のバスケットボールファンは願っている。2023年のワールドカップ開催時に、沖縄アリーナで日本代表を勝利に導く田中を明確にイメージしてしまった。オリンピックもまだ戦っていないのに、気が早いとバッシングを浴びそうだが、先走る気持ちには敵わない。そんなMVP受賞後の会見で、少し踏み込んだ質問をさせてもらった。


・写真提供:B.LEAGUE  具体的な目標は『世界の舞台で日本の男子のバスケットボールが勝つ姿』

目次

東京オリンピックで代表チームが良い結果を残すためには、日本代表としての活動がしやすい関東地方のチームに所属することは大切だと思いますか?

田中選手

う~ん。そうですね、いつも普段合宿やっている施設っていうのは都内にありますし、自分なんかはすごく家から近いですし、そういった面ではすごく、、、有利っていうのは、、あれですけど、、楽なのは楽かなと思います。やっぱり地方の選手だと移動が入ってきたりだとか、ましてやシーズン中に合宿があると、やっぱ移動っていうのはなかなか大変だと思いますし、そういう意味で関東の方が楽かなと思います。

ワールドカップのホストとして必要な『沖縄一丸』

地理的な問題はカテゴリーや時代に関係なくいつでも我々につきまとう、沖縄バスケットボール界にとっての永遠の課題である。しかし過密日程の中で、世界と戦い勝利することが宿命である日本代表を強化するという点では、関東地方に強豪クラブが集中することはイタシカタのないことである。沖縄にとっての問題、難題を乗り越えた先に、尋常ではない感動が待っていると沖縄バスケットボールの歴史は教えてくれている。そして2023年のワールドカップの開催というのは、それらを再現する絶好のチャンスだ。

沖縄だけの問題ではない、日本バスケ界に求められる2006年のリベンジ

日本バスケットボール界にとって2006年はどのような年だったのだろうか。サッカーはドイツ大会で0勝1分2敗で予選敗退で結果が伴わなかったが、それが敗北だったと私は思わない。4年に一度の世界選手権(現・FIBAバスケットボールワールドカップ)で国民は一つになるどころか、日本で開催されたこと自体をほとんどの国民が知らなかったのではないだろうか。それどころかガバナンス不全に陥った当時の日本バスケットボール協会にとって世界選手権の誘致と開催は、リーグ分裂の火種になっていたのではないだろうか。当時学生としてバスケットボールに関わっていた私は、サッカー界の国民的な盛り上がりに対し、愛するスポーツの惨憺たる実情を憂い、なんとも言えない敗北感に包まれた。それでもbjリーグや琉球ゴールデンキングスの誕生はまさに希望そのものだった。2007年に初めて目にした黄金色のユニフォームの輝きを今でも鮮明に記憶している。あれから16年後2023年にワールドカップを迎えることになろうとはだれが想像できただろうか。沖縄だけの問題ではなく、日本バスケットボール界が全員で2023年の沖縄を『約束の土地』にする必要がある。日本代表がワールドカップで初めて予選突破を果たし、コザの街を中心に日本中で祝盃をあげるのだ。沖縄一丸。日本一丸。

 

参考サイト:この経験こそがレガシーとなる
~沖縄市FIBAバスケワールドカップ2023開催地決定までの道程~(Taiyo Wakugawa) Twitter:@Thatwat

https://note.com/taiyowakugawa/n/na4302ff523c3

 

 

街改造チャンネル~バスケットでコザを改造~

  

完成イメージと5月現在

 

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この記事を書いた人

1983年11月5日生。東京都豊島区出身。那覇市在住。母が那覇市出身で2015年に沖縄移住。沖縄バスケットボール情報誌OUTNUMBERゼネラルマネージャー。
中学2年生のウインターカップ(1997年)で、当時圧倒的な強さを誇っていた能代工業を追い詰める北谷高校の勇敢な戦いぶりに衝撃を受け、以来沖縄のバスケットボールを追いかけるようになる。野球やサッカーに並ぶように、バスケットボールのジャーナリズムを発展させていくことを目指し、2018年10月にOUTNUMBERを創刊した。
2020年にはOUTNUMBER WEB、OUTNUMBER YOUTUBEを運用開始した。

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