12月11日(水)、琉球ゴールデンキングス vs 川崎ブレイブサンダースが沖縄アリーナで行われ、85-75でキングスが勝利した。
欠場者の多い布陣で川崎に勝利
試合前の公式の発表で、#47 平良 彰吾が脳震盪での影響で欠場。#12 ケヴェ・アルマ選手は右足部、#14 岸本 隆一は左足関節のコンディション不良で、試合に出場しない旨が発表された。キングスは中々ロスターが揃わない状況が続く。
特に、岸本の欠場は2020年2月16日の秋田戦以来、約5シーズンぶりの欠場。絶対的なスタメンを欠くなかで、キングスがどのような試合を見せるか注目が集まった。
キングスのスターティングメンバーは #3 伊藤 達哉 #4 ヴィック・ロー #15 松脇 圭志 #34 小野寺 祥太 #45 ジャック・クーリーの5人。
伊藤はキングスで初先発、松脇は8試合ぶりの先発出場となった。
キングスは序盤から川崎の#3サッシャ・キリヤ・ジョーンズのアタックを思うように止められず先行されてしまうが、途中交代で入った#10 荒川 颯の3ポイントと#53 アレックス・カークのオフェンスリバウンドからの得点で繋いでいく。
第2クォーター、キングスはゾーンディフェンスを敷きながら試合を進めるが、川崎が元日本代表の#7 篠山 竜青を中心にスコアを伸ばす。前半が終わりに近づくタイミングでローが攻守ともに強度を上げて前半キングスリードで終了。51‐43で後半に続く。
後半はロー、クーリー、カークを同時起用する、いわゆるスリービッグで試合に入ったキングスだが、ここでオフェンスが停滞してしまう。3ビッグの時の5分弱の間、伊藤の2得点のみに終わってしまう。これが響いて第3クォーターは8得点にとどまってしまった。
4クォーターに入るとディフェンスの強度が増したキングスが、川崎の得点源である#3ジョーンズを複数人数で守る。得点源であるジョーンズを抑えることに成功したキングスは、オフェンスでも、ローと松脇がスコアを伸ばす。
試合終了間際には松脇の8本目の3ポイントがヒットし24得点でキャリアハイ更新。岸本不在による得点力の穴を見事に埋めて見せた。試合は85-75でキングスが勝利。故障者が多く、少ないロスターの中で大きな勝利を勝ち取った。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦 2024/12/11 琉球 VS 川崎 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
松脇がキャリアハイの24得点
この日、キャリアハイの24得点と躍動した松脇。8本の3ポイントを沈めて勝利の立役者となった。
同点で迎えた第4クォーター、こう着状態の中で松脇の3ポイントを皮切りにキングスが勢いに乗った。試合終盤には、川崎が意地を見せて3点差まで迫ってくるが、ここでも松脇の3ポイントが炸裂。最後には川崎のディフェンスの上から放ったタフな3ポイントを決め切って勝利に導いた。
松脇は試合後の会見で「隆一さんが居ない分、得点力が落ちると思っていたので、自分の3ポイント1本目が入った時点で、シュートタッチが良かったのでどんどん打っていこうと思っていました。」とコメント。
「松脇のコンディションも上がって来ているので、もっと ”俺にやらせろ” と要求するくらいやってほしいです(笑)」と桶谷ヘッドコーチも笑みをこぼした。
荒川が攻守で貢献 11得点はキャリアハイタイ
荒川がキャリアハイタイの11得点で勝利にチームの勝利に貢献した。
桶谷ヘッドコーチは、荒川のパフォーマンスについて「前半のしんどい時間帯に3ポイントでチームを救ってくれたし、後半はボールプレッシャーをしっかりかけてくれた事で、川崎さんのリズムを崩せた。」と評価。
前半はオフェンスでチームの助けになり、後半はディフェンスでキングスのディフェンス強度を上げた。荒川の迫力のあるプレッシャーディフェンスがなければ、川崎にペースを持っていかれていたかもしれない。
荒川「”ポイントガード”をやろうと意識し過ぎると、周りへのパスを意識が強くなってしまうので、とにかく”バスケット”をやろうと試合に挑みました。前半だけになってしまったんですが、3ポイントを3本決めれて良かったです。」
次節の秋田戦に関して荒川は「日本人選手のディフェンスのプレッシャーが強い分、縦に抜いていく力が必要になってくる」としながらも「過度に意識はせずに、ちゃんと”バスケット”をやろうと思います。」と意気込みを語った。
なかなかロスターが揃わない状況で、ここまでプレータイムが少なかった荒川のステップアップはキングスにとっては嬉しいニュースだ。
1番(PG)起用であろうが2番(SG)起用であろうが、荒川自身の”バスケット”が出来れば、今後のキングスの大きな武器になることは間違いない。
限られたメンバーで遂行力を高められるか
「ゾーンディフェンスで、やっちゃいけないリバウンド負けたり、強度が下がってしまった」と課題も語った。3クォーターの3ビッグの時間帯所は「全然ダメだった」ときっぱり。リバウンド獲得数でリーグ1位のキングスと、リーグ最下位の川崎というパワーバランスなだけに思うようにリバウンドを確保できなかったのは誤算だったはず。
3ビッグの時間帯でディフェンスとリバウンドの優位性を高めていくはずが、オフェンスの停滞からボールを失ってしまい、悪い形でディフェンスに移行する展開は、キングスのバスケットではない。
今までは約5シーズン、岸本がフル回転で試合に出場し続けていた事で、彼ひとりで全てを解決してしまっていた感も否めない。岸本がいない時にどうするかというのは大きな課題の一つになっていくだろう。
今節では、松脇と荒川の活躍によってその課題が霞んでしまったが、岸本のボール運び、決定力、試合の流れを読む力、3ビッグの使い方はやはりキングスの特別な武器であり、今後はその武器を失った時に、どうエクスキューション(遂行力)を高めていくか。ここにも向き合わないといけない。
桶谷ヘッドコーチは「ボール運びの出来る4人をどういう組み合わせとかタイミングで使っていくか」と次節の秋田戦についてのポイントを語ったが、ハンドラー不足が続く状況に頭を悩ませている様子だった。しかし会見の最後には「インカレも終わったとこもあるし…ひょっとして」と含みを持たせる発言も。
そして12月13日(金)、大東文化大学3年生の塚本 智裕の特別指定選手としての加入が発表された。
塚本 智裕(つかもと ともひろ) 生年月日 :2003年4月20日 身長 :179cm 体重 :78kg ポジション:PG 出身地 :千葉県 出身校 :北陸学院高等学校 所属 :大東文化大学(在学中) |
安永淳一ゼネラルマネージャーは ”塚本選手は、力強いドライブやシュート力だけではなく、ゲームをコントロールする力がある生粋のポイントガードです。そのプレースタイルは、キングスのポイントガード陣とも異なる個性があり、その個性がキングスにフィットし、チーム戦力の幅を広げる活躍となることを期待しています。”とコメントしている。
塚本は次節12月14日(土)に沖縄アリーナで行われる秋田ノーザンハピネッツ戦からエントリーされる予定となっており、そのプレーにも注目だ。