Bプレミアのサラリーキャップは8億円 Bリーグが「B.革新」の制度設計を発表

(資料提供:B.LEAGUE)

2月28日、Bリーグは2026-27シーズンからスタートする「B.革新」に関わる制度設計詳細について発表した。

「B.革新」とは、B. PREMIER(以下 Bプレミア)、B.ONE、B.NEXTと3つの階層にクラブを再編成して、単年競技成績による昇降格を廃止して、新たなライセンス基準を満たす事でクラブ数上限を設ける事無くBプレミアを編成するという、リーグ構造の大改革を実施することになる。

 

今回発表されたのは、主にBプレミアにおける以下6つの制度設計について

サラリーキャップ
オンザコート
選手流動性
ドラフト
カーディング
ポストシーズン

本記事では、それぞれの制度設計についての島田慎二Bリーグチェアマンの説明を、Bリーグ提供の資料と合わせて紹介する。またその後に行われたメディアとの質疑応答も、島田チェアマンならびにBリーグ常任理事の増田匡彦氏の回答を掲載する。

島田チェアマンの説明や、質疑応答についての各回答は出来る限り実際の回答と同じように掲載する。また質疑応答については各トピックごとに掲載しているが、実際にはそれぞれのメディアごとの質問順であり、実際の回答順とは異なる。

目次

サラリーキャップ

島田チェアマンによる説明

Bプレミアはサラリーキャップの上限が8億円、下限が5億円と決めました。そしてB.ONEは本ライセンス・仮ライセンスがありますが、本ライセンス上限4億円、下限1.5円、仮ライセンス上限4億円、下限1億円と決定しました。為替をどうするかなど細かい部分はこれから調整が必要なんですが、税込金額で考えています。

サラリーキャップに(報酬種類の)どこまで加えるかも議論の最中です。外国籍選手の海外と日本との渡航費なども含めるのか等を現在調整してますが、LivingCost(居住費)なども含めて入れられるものは入れていこうというのが方向感ですが、そこはまた別で公開していきたいなと思います。

もう1つ、スター選手条項というものを設定しました。選手の中で1人だけ、例えば3億円プレイヤーであっても1.5億円としてカウント出来ます。将来、海外にチャレンジしてる選手が5億円で日本に戻ってきたとしても1.5億円とカウントして、サラリーキャップの8億円の中に含まれます。事業力が高まりスーパースターを取れるようなクラブが出てきた時に、その動きを止める事が無いように、こういう制度を作っています。経営規律と夢のバランスをどうやって整えていくべきかと考えた結果、ラグジュアリータックス(贅沢税)など色々考えたんですけど、このスター選手特別条項という方法を選択しました。


質疑応答

Q スター選手条項の金額を1.5億円に設定した理由は?現状の契約でこれくらいの金額の契約選手は存在するのか?

A.(島田C) 金額設定1.5億円の明確な根拠があるわけでは無いが、現時点で1億円プレーヤーは日本人・外国籍選手含めて数多く発生しているし、1.5億円クラスの契約選手も徐々に出始めていて、さらに高騰していく流れもある。サラリーキャップの8億円のうち(スター選手条項で)1.5億円を使っても、残りのキャップ枠内で選手構成が出来るだろうという金額のバランスを取った。

 

Q. 直近の決算報告において「トップチーム人件費」が8億円を超えているクラブが5クラブ存在する。「トップチーム人件費」が選手年俸のみを示す数字ではない事も理解しているが、そういったクラブにとってサラリーキャップ金額が8億円というのはチーム編成上の影響が大きいと思うが?

A.(島田C) 仰るとおり現決算報告の「トップチーム人件費」は選手総年俸にコーチ・スタッフ人件費等も含む金額であるが、サラリーキャップの対象は「選手総年俸」である。現在のトップオブトップのクラブの選手総年俸と比較しても、8億円という金額はそれ(現トップクラスの総年俸)を許容出来るレベルだとは思っている。今後事業規模が上がっていく中で、サラリーキャップはコントロールしていこうと思っている。金額を上げていく事もそうだし、コロナ禍のような本当に厳しい状況では下げていく事も場合によってはあるかもしれない。まずは現時点のトップオブトップの金額水準に合わせて、選手が不利益を被らない状況を作りたかった。

また戦力均衡の観点から、もし影響のあるクラブがあったとしても、一部のクラブに集中している有力な選手が、サラリーキャップの影響で他クラブに移りエース級の選手になる事で、全体の戦力バランスが取られていくと考えている。選手の不利益をできる限りリスクヘッジしつつ、人気選手が各クラブに分散することで、試合を観たくなる状況を作り出したい意図もある。「トップクラブの選手人件費が今と変わらないのでは夢が無い」と思われるかもしれないが、キャップ下限額のフロアを5億円に設定する事で、リーグ全体の選手人件費は大幅にアップする。現時点でも選手人件費が5億円に届かないクラブは半数はあるのではないか。キャップ下限を設定することで、どのクラブにも有力な選手を獲得する可能性が生まれるし、逆にそれが出来なければそのクラブはBプレミアには残れないという事にもなる。様々な観点があるが、そこはバランスが取れていると思っている。

 

Q. サラリーキャップの8億円という金額は、現状と比べても少し夢が無いように感じる。今後上げていく考えはあるのか?

A.(島田C) このB革新の目玉は「しっかりと事業投資をする事で、クラブの経営を健全性かつ成長性を担保していく」事です。それによって地域で必要不可欠なクラブになっていければサスティナブルに存続していけるクラブになれる。今必要なのは、クラブのフロントサイド、広報やセールス、チケットなどのビジネス人材がクラブにどんどん入ってこれる状況を作る事が、次なるBリーグの成長の大きなエンジンだと信じて疑っていない。そこに投資出来る状況を作っていくのは、今のルールでは難しい。なのでB革新で改革していく。8億円が安いか高いかではなく、このくらいの金額に設定してスタートする事で、ビジネスサイドにようやく投資が出来るクラブがこれから出てくる。そしてクラブスタッフにも投資出来る状況までいければ、サラリーキャップの金額を上昇させていくターニングポイントだと思っている。単純にクラブの売上が上がったから、とかだけではなく、実体経済を見ていかなければいけないと思っている。クラブが選手獲得のマネーゲームだけに走るのではなく、長い目でクラブに投資が出来る状況を作れるか否かが大事。売上の中身を見てみると親会社が相当数サポートしないとクラブが回らない。もしくは地域で評価をされて価値を見出して成長しているか。その2軸があると思っている。Bリーグは後者の方で、本当に価値を作り出し、本当に応援してもらって、ビジネスを成功させて、健全な経営をしているクラブは優良な資産であると親会社の株主から評価して頂けるような、産業化しているBリーグを作りたいと思っている。Bリーグ発足以来、選手の報酬はすごく成長した。ここでビジネスとして成功すれば、もう一度選手に循環するようなポジティブなスパイラルを回していく。最初は選手、次はビジネス、そしてまた選手に。このサイクルが無ければどこかで破綻する。それを調整するためにベストな金額はどこかと考えて8億円という金額にしている。今の上昇機運を見て夢が無いと考えるより、もっと深い部分を見て設定しているという事をメディアの皆様にもご理解頂ければと思います。

 

Q. サラリーキャップなどの負担増で、クラブが自発的にBプレミアから降格したいと考えた時、すんなりB.ONEに降りられるのか?

A.(増田氏) そういった議論はしていないし、基本的にBプレミアのカーディングは2シーズン前に設計してアリーナの予約をする。大きなアリーナになればBリーグ以外にも音楽ライブの予約も入ってくる。例えば2025-26シーズンのカーディングは2024年8月に設計する。そういう状況で「来年Bプレミアを辞めます」と言われてもカーディングを組んでしまっていて全体のスケジュール管理がある。破綻寸前とかクラブの経営状況を見ながら判断するしかないと思う。

 

Q. サラリーキャップ金額を決定する際にどういう議論があったのか?

A.(増田氏) けっこう喧喧諤々と議論を重ねた。下限の5億円(の設定)については、我々としてはクラブ予算の約35~40%くらいが選手人件費になっていれば健全経営が出来るという経験値を持っている。Bプレミア加入条件の売上高12億円を念頭に、そこから逆算して5億円が妥当だろうと決めている。上限の8億円(の設定)については「もっと上げるべき」という議論もあったが、2022-23、2023-24シーズンのほぼ全てのクラブの選手報酬を計算した。正直8億円を超えるクラブもあれば、5億円を下回るクラブも多くあった。そんな中で選手が不利益を被らないようにスター選手条項を設定したり、現状で年俸総額5億円を下回るクラブが5億円に到達する事で、全体の選手年俸が一気に下がる事が無いだろうと判断して8億円に設定した。あとは8億円から5億円の幅の中で、(Bプレミア各クラブの総年俸額が)7億円が平均値だと仮定した場合、2022-23、2023-24シーズンのB1総人件費(の平均値)とそこまで相違無いということも調べた中で、(上限)8億円が妥当だと考えました。

 

Q. サラリーキャップの見直し時期についてはどういう方針なのか?

A.(増田氏) 毎年見ていくべきだとは思うが、クラブの経営が(B革新初年度の)2026-27シーズンを経てどれだけのものになるのか、今は正直まったく見えない。我々はクラブ経営の健全化を最優先にすると謳っているので、それが見えない以上は2027-28シーズンからいきなり変えますとは言い切れない。ただ、オーナー会社から多額の支援金を貰うような、(クラブ経営の)筋肉になっていないお金をただ入れただけでサラリーキャップを上げていくのは健全ではないと思う。チケット収入や、地場に根付いたスポンサー様からの協賛金。お金には色は無いが、しっかり「色」を付けて見ていく必要がある。そこをどういうスパンで見ていくべきかは議論している。

 

Q. サラリーキャップの金額設定について選手会との折衝はあったのか?もし無ければそれを行う予定はあるか?

A.(増田氏) 現状の選手会は労働組合ではないので、労使交渉が出来る対象団体ではない。なので交渉ではなく「反映できるかどうか保証は出来ないけど」という前置きの上で設定金額を伝え、かなりの頻度で選手会との意見交換、コミュニケーションは取っている。本日発表する前にも当然選手会には内容をお話ししている。選手個々人は分からないが、選手会という団体として何らかの強い意見が出てくる事は無いのではないかと認識している。

 

Q. NBAではサラリーキャップ金額を設定する際には、選手会とオーナー会が労使交渉の上でそれぞれの取り分を決める過程でサラリーキャップ金額が決定される。将来的にはBリーグもそのような未来線になると考えているか?

A.(増田氏) 現選手会がどのような労使交渉をしてくるか、そもそもの労働組合化がどういう組織になっていくか全く分からない状況なので何とも言えないが、個人的にはちゃんと契約書を交わしてやっていく方がすごく透明性も高くなるので、選手会が労使交渉の対象になればぜひそういう話し合いをしたいと思う。

 

Q. リーグ分配金に関して今後増額したり、ホームタウンの経済規模が小さいクラブに多く分配するような考えはあるか?

A.(増田氏) リーグ分配金に関しては毎年どういう分配にするかを話し合っているのでその中で決定する。ホームタウンの経済規模が小さいクラブへ多く分配することは今のところ考えていない。

 

Q. サラリーキャップを運営していく上で、現状非公開となっている選手年俸を公表していくことはあるのか?

A.(増田氏) あると思う。サラリーキャップをやっていく以上「このクラブにはこの選手がいるのに、あの選手も獲れるの?」とかはファンの方々ももちろん興味あると思うので公表はしていきたい。だけどこれ(選手それぞれの年俸)は、選手の個人情報では無いかもしれないがセンシティブな情報なので注意深くやっていく。ただ透明性は高くしないとサラリーキャップ自体が上手くワークしないんじゃないかと考えている。どういう形で情報を出すのか。リーグとかクラブがオフィシャルで出すのか。プロ野球のような推定年俸で出すのか。そこは選手会も含めて話していかなければいけない。

 

Q. もしサラリーキャップ上限のチームに怪我人が続出して、インジュアリーリストに怪我人を登録して選手獲得枠を空けてもキャップ制限で選手獲得が出来ない場合はどうするのか?

A.(増田氏) その検討はすでに行なっていて、インジュアリーリスト登録後の代替選手の報酬上限や、8億円を超えた場合のラグジュアリータックスの検討はしています。ただ細かすぎるので今回の発表資料には掲載していませんが、おおよその方針は出来ているのでタイミングを見て発表していきます。

 

オンザコート

 

島田チェアマンによる説明

オンザコートについては、元々お話をしていた通りオンザコートフリーにこだわっていました。外国籍選手のベンチ登録数は3や4という議論はありましたが、オンザコートフリーで行く事は当初から決めていました。「Bプレミアは世界第2位のリーグを目指す」というのは事業力だけではなく競技力の強化も合わせて名実ともに世界2のリーグになるということを念頭に置いています。ヘッドコーチの采配で自由に選択できる環境、今だと外国籍選手が3人でその内2人を出し入れしていますが、ベンチに座ってる選手がどういう状況でもヘッドコーチがベストの選択を出来るという事にはこだわっていきたいと考えていました。高い選手レベル・競技レベルを保って成長を促していきたいと考えています。

ここを考えていく上で大きなポイントは3つあって、1つは代表選手がいなくてもシーズンを続行することは以前発表させていただいてますが、つまり代表選手が合宿等々で不在の時も試合を行うので、その戦力や怪我があった場合にメンバー構成が難しいということで、ある一定の選手登録は必要だろうという観点。

一方で増やせば増やすほどサラリーキャップの金額に大きく影響を与えていくのでその経営規律もコントロールしなければいけない。

あと外国籍選手の人数は3か4かで悩みました。怪我をする事もあるので4も検討しましたが、4にした場合はオールコートフリーにした場合にコートに4人の外国籍選手が出る可能性がある。それも容認する前提で考えていましたが、まずはもう少し先、2028年や2030年には、そういうケースをも勝ち抜いて日本人選手がプレイタイムを獲得するという未来を描いていますが、まず2026年は外国籍3人登録の3人エントリーの3人オンコートに送り出せるというところからスタートをしていきたいと思っています。当然長いシーズンなので怪我もありますし怪我した時のチーム構成を考えたら、ヘッドコーチもタイムシェアや色々なコントロールをしながらやっていくと思いますが、一旦そこまで許容するということが大事ではないかと考えました。

登録人数は14人上限で、外国籍選手3人、アジア枠と帰化枠選手のどちらかというのは現状ルールと変わらずにやります。ベンチ登録が12人上限、外国籍選手3人、アジア枠もしくは帰化選手1人。出場選手登録は今申し上げた通り、特に制約はないですということです。

今後、特別指定選手の(エントリーの)あり方についてはドラフトとの兼ね合いもあるのでどういう風にするのかはありますが、特別指定/U22/ユース育成枠は存在する方向でいますが、どういう風にマージしていくかはもう少し議論をしたいなと思っています。

B.ONEについては、オンザコート1-2-1-2と昨年の6月に発表させていただいたんですが、今日はBプレミアまでの発表でB.ONEについてはもうちょっと検討したいなと思っています。元々18クラブで上限設定をしてたBプレミアを上限撤廃してBプレミアが大きくなる可能性が出てきました。高層のBプレミアム、育成のB.ONEを前提に考えていたんですけども、一定のクラブ数がBプレミアに行くことができた場合、Bプレミアのクラブの中でも育成観点は必要になってくるであろう。かつB.ONEのクラブ数がどうなるか分からない中で、1-2-1-2がいいのか場合によって は現行のオンザコート2がいいのか、そこはもうちょっと調整すべきじゃないかという事で、本日はBプレミアまでの発表とさせていただきます。

 

シーズン中の選手流動性

 

島田チェアマンによる説明

選手の流動性について昨年6月にダブル登録枠を発表しましたが、当時はBプレミアのクラブを少なく見積もっていました。競争がオンザコート4になることも考えていましたので、プレータイムや競争条件が上がった時に日本代表選手クラスがプレータイムが少ない事も起こり得るだろうということで、プレータイムを優先してB.ONEで自由に競技ができることによって、競技力の低下をヘッジしていくスキームを作ろうという事で当時は発表させていただきました。

しかし現状は今のB1の24クラブからほぼ同じぐらいのクラブが初年度からBプレミアに存在する可能性があるので、ちょっと軌道修正をしないとバランスが悪いんではなかろうかということで、ダブル登録枠という考え方は一旦止めて設計し直しまいた。

つまり、Bプレミア内でも移籍をもっと活発にすることが可能になるような、より柔軟な移籍ルールを設定する方がフィットしてるのではなかろうかと考えています。まず今日はその中の3つを皆様にご提示いたします。

仮称ですが「育成契約制度」として、登録数14名のうち2名を上限に移籍についてクラブが決定できる選手を契約可能にしようと思ってます。今現在こういうルールが無く、(契約期間中移籍には)本人の同意が必要になります。選手とクラブ移動について話した時に、このまま今シーズンはここでプレイしたいですというやりとがあった場合当然実現しません。当初から戦略的にプレータイムが少なくなった場合に、別に給料を下げるという訳ではなく、互いにこう自由にできるような契約をということを事前に約束をした上で、書面締結した上で、そういう契約を出来る選手を2名までクラブが持てるようにしたいという風に考えてます。当然、元の契約はBプレミアにあるのでB.ONEでプレイしたとしても給料は維持されますし、あくまでも所属クラブは送り出される元のクラブになるということです。

続きまして、「短期契約」の導入です。今現在は外国籍選手は1か月などの短期契約を許容しています。それを日本人選手・帰化選手・アジア特別枠まで拡大したいと思ってます。これは選手雇用の不安定化を招くとかそういうことではなく、例えばB.ONEに所属していてBプレミアに届くか届かないかのような選手が、本人も挑戦したいし、Bプレミアのヘッドコーチ・GMもチャレンジさせたいけど今のルールの1年契約だと踏み切れないというような状況になることがある。そこをもう少し流動性を高めたくて、この契約でお互い意思を持ってチャレンジしやすい環境が整うのではなかろうかということで、短い契約期間を持ってインジュアリーが発生した時に短期的に対応する事が出来る状況を作りたいと思っています。

そして、再登録制度の撤廃。今まではそもそもシーズン中移籍するケースはあまり行われてなかったですけども、例えばAチームからBチームに行ったら、BチームからAチームに戻ることは現行ルールだと出来ない。トレード制度の制定までは踏み切れなかったんですが、短期契約であるとか育成契約制度が出来ることによって、戦略的にシーズン中にチームを行ったり来たりすることを許容するルールがあった方がいいであろう。1回きりではなく繰り返しできますということで、所属元のクラブに戻ることも、また戻った後に行くことも出来るという風に、ちょっと自由度を高めるようなルールを作りたいと考えました。

 


質疑応答

Q. ドラフト指名権のトレードや買い取りは想定してるのか?

A.(増田氏) 一旦は無しで考えている。そもそも選手のトレードはとても難しくて、今回の「選手流動制度の再設計」は(一部)トレードが実現出来るように設計している。Bリーグだと現状は選手会とは労使協定が出来ない。選手会が労働組合化するという話もあったが実際には未だ出来ていないので、そのような契約事(トレードを前提とするような契約条項)が出来ない。トレードというのは、事前に契約内容に盛り込んでおかないと実際には出来ない。先方側も需要があるかどうか分からないので、一旦はトレードという制度は設計していない。ただ今の期限付き移籍は、クラブと選手それぞれの合意が無いと出来ないので、現状で期限付き移籍がそこまで多くないのはそれも理由になっている。例え出場出来なくても(トップカテゴリの)B1にいたいと考える選手は多い。我々としては育成をしていくという意味で、実戦経験を積むという観点から「クラブから指名されたら移籍することになる」と事前に指定しているのがこの制度(育成契約制度)。今後選手会の労働組合化が進んで、彼らとCBA(NBAの選手とオーナー間の労使協定)みたいに(労使協定を)結ぶ事が出来れば、トレードは導入した方がいいだろうと思っている。

 

Q. 再登録制度の撤廃で、AクラブとBクラブが結託して、自分たちに都合よく短期間で外国籍選手を入れ替えたりするような想定はしているか?

A.(増田氏) さすがに順位を争うBプレミアのチーム同士がそれをやる事は無いと思うが、想定してるのはBプレミアとB.ONE。競技成績での昇降格が無くなるので、NBAのGリーグとの関係まではいかないとは思うがある程度の姉妹関係のようなクラブが出来てくる可能性はある。そうなると今週はBプレミアのクラブ、来週はB.ONEのクラブ、という事はあるかもしれない。ただサラリーキャップもあるので運用上は相当大変になると思う。

 

ドラフト

 

 

 

 

島田チェアマンによる説明

ドラフトの目的は、戦力均衡でどこが勝つか分からないワクワクするリーグを作っていこうという中の打手の1つです。ですので事業的にも、競技の戦力均衡的にも、ユースとの共存の難しさはありつつもトライをすることにしました。課題としては独禁法であるとか、そもそもドラフトしたくなるような選手が今何人いるんですかという声であったり、練習環境がトップ選手としての環境が整っていないクラブに入って育成が本当に進むのか。色々な声があります。ただ今回踏み切ったのも「そういう状況が出来たらやる」では未来永劫出来ないので、その状況を作り出そうとトライをしています。とはいえ、選ばれた選手が経済的にも練習環境的にも不利益を被らない状況を整えるためにある一定のルールを定めました。

ドラフトの対象選手は、日本・海外の高卒、日本・海外の大卒、日本・海外の大学在学中。ある一定の制約を持とうかという議論もあったんですけども、全くオープンにしてどの選手にもチャンスがあるという風にしていきたいなと思ってます。

ドラフトの指名方式はウェバー制。これはNBAに近しいものですけど前シーズンの下位順位から選択をしていく状況になります。素晴らしい選手がいた場合、最下位なってその選手を次の年に取った方がいいんじゃないのとか、そういうネガティブな事を言い出したら切りがないんですけど、そういう状況にならないような仕組みもちょっと混ぜ合わせながらやっていく。

ドラフトの開催時期、これは非常に大きな争点だったんですが、ドラフトは1月に開催します。ウインターカップとインカレが終わった後でなるべく早くにやった方が、選手たちの就職活動というか未来を描く上でも良いのではという部分もありつつも、活躍の場面をあまり見ることもなく選択しなきゃいけないというクラブの事情も色々あったので、最終的にやはりウィンターカップやインカレで活躍した選手が、目玉選手としてドラフトにかかる方が盛り上がると思いますし、選手たちもそこまで引っ張れる方がいいだろうということで、1月の開催としました、一方でドラフトの申し込みは9月1日から、リーグにドラフトの申請ができるような状況にして、メディアの皆様に随時公表していきます。誰がドラフトをにかかることを希望してるか、それによって各クラブが興味があればコミュニケーションを取ったり練習を見たいので来てくれっていう話もあったりとか。でも来たからといってドラフトがあるので、取れる取れないは別にして指名すべきか否かのチェックみたいなことは多分起こってくる。そういうことも踏まえてえ1月にドラフトが行われることにしました。

リスクテイクのなかで、まずはユース選手。せっかく育ててきた選手が完全に同じ土俵で取られていく事はやはり育てたクラブの思いもあるので、自分たちのユースクラブのユース選手のみ、かつ18歳でまだ大学行く前に、ドラフト1巡目の最高金額を提示するならば優先的に交渉できるルールにしたい。もちろん本人はたまたまここに住んでただけで、ドラフトでは他の選択肢も受けたいとなればそのオファーを蹴ってドラフトに精々堂々と出ることもできますし、その後決裂した時にまた交渉することもできる。これがユース対する処置。

そしてドラフトのピックの方法ですが、1シーズン終わった後なので2027年以降になりますが、ドラフトでは最下位のチームが自動的に1巡目1番目にピックするのではなく、ロッタリー制(くじ引き)にしたい。まだそこは細かく決めてないですけど、CS出場チームとCS不出場と分けて、CS不出場のクラブの中で、3とか4とかいくつかのブロックずつに分けて、その中で抽選をしてやっていきます。ですから最下位になったから自動的に次の年に1巡目1番目を引けると確定してるわけではない。シーズンの後半に意図的に負けていくようなことを目指すようなクラブが出てきてしまったら、リーグ戦自体が全く魅力的じゃなくなるので、そんな不確実なところにエネルギーを削ぐくらいであれば勝つことを目指す。その結果、敗れたところが良いくじを引ける確率を上げるという事でバランスを取っていきたいなという風に思っています。

新人選手の契約ルールですが、まず2025-26シーズンの途中の2026年1月に最初のドラフトが起こります。ドラフトに指名された時の選手の契約期間ですが、2年プラスアルファのプレイヤーズオプション付きの契約、もしくは3年契約を選択できるような形です。3年契約を選択したら最長3年そのクラブに所属が確定する。2年プラスアルファであれば2年間は所属が確定する。 

現時点で設定してるドラフトで指名した場合の選手年俸金額は、一旦このルールです(掲載資料参照)。まず選択できるのは2年契約プラスアルファプレイヤーズオプション、もしくは3年契約ということが大きなポイントです。あとは日本の高校大学、アメリカNCAA等その他海外の大学高校卒、あとスペシャルなA代表経験があるような若手、NBAに行きそうな選手や海外リーグにチャレンジしてるような選手。それを何巡目でピックされるかという部分で何パターンか金額を分けています。2年契約プラスプレイヤーズオプションは契約金を設定せず年俸だけ。3年契約の場合は契約金を年俸とは別途。金額は高いか安いか皆さんがどのように思うかはありますが、2年契約の場合だとスペシャルでは年俸1億で2年で2億は確定する。3年契約の場合のMAXが契約金が1.5億で5千万円の3年間なので1.5億円なので、スペシャルの最高額は3億円の契約になります。

ドラフト指名選手は指名されたクラブに行かなきゃいけないという前提になっています。もし指名拒否した場合には、そのシーズンはBプレミアクラブとの契約は当然できませんし、Bプレミアのクラブに初めて入団する選手は基本的に高校大学問わずドラフトを経て入ってくる流れにしていこうと思っています。少なくとも卒業して3年間はドラフトを経ずBプレミアに行くことはできません。どんなにスーパースターであってもドラフトを拒否したら、B.ONE等で3年間はプレイをしなければいけないという状況になってきます。

ドラフトを導入する上で、選手の環境を守っていかなければいけない。今の状況だとイメージがそんなに湧かないですけど、ドラフトで入ってそのクラブに終身雇用じゃないですけどずっといた場合に、引退したタイミングで3年間はフロントスタッフないし何らかの形で本人が希望すれば保障する義務が生じるとしています。どこまで望むかどうか分かりませがそういう風にしています。練習環境は今色々な体育館をジプシーで回ったりする状況がありますけれど、練習場の確保、トレーニング機材、時間などの環境をある一定ルール化をして、その基準を満たすことを求めていきます。トレーナーなどのサポートスタッフにも色々な基準を設けて用意をすることを義務付ける。それで選手たちの怪我のリスクや環境を整えていくのを義務付ける。食事についても栄養士からの適切なアドバイスを受けられる環境であるとか、アウェイのホテルや新幹線はグリーン車を使ってくれとか。どのクラブも上のクラブにある程度合わせていくによって、たまたまくじによって行った先がアンラッキーでしたみたいな状況は無くす。もちろんブランドとかその競技力とかヘッドコーチの好みとかいろんなことがあるので完璧はないかもしれませんけど、少なくとも 外的環境については整えていこうという考えです。

 


質疑応答

Q. 第1回ドラフトになる2026年のロッタリー順位はどのように決める?

A.(島田C) 具体的には決まっていない。(現行Bリーグ制度最終シーズンとなる)2025-26シーズンの途中に2026年ドラフトを行う事になるので、そのドラフト実施時点の2025-26途中成績なのか、それともその前年(2024-25)の成績なのか。それも検討中。

 

Q. 仮に八村塁選手や渡邊雄太選手がBリーグに加入する場合は、NBA選手なのでドラフト対象外?もしそうなら戦力均衡の観点と異なるのでは?

A. (島田C) 八村選手や渡邊選手などのNBA選手はドラフト対象外となる。戦力均衡の観点もあるが、例えスター選手条項を適用してサラリーキャップ上は1.5億円と計上しても、実際には年俸7、8億円となる事は十分考えられる。その高額な年俸を支払う能力のあるクラブはほとんど無い。検討の中では、戦力均衡の観点からルールを狭めることも考えたが、そうすると(八村や渡邊のような)選手が日本に戻ってこれない。それも問題だろうと考えた。

 

Q. ドラフトにエントリーする選手が同時にB.ONEなどの他クラブを契約するような事は可能か?

A. (島田C) ドラフトにエントリーする選手が事前に他クラブと契約することは想定していない。例えばB.ONEのクラブの正式な契約交渉は1月からスタートするので、新人選手とB.ONEとのルールで縛るような検討はしていなかった。

 

Q. 高校生と大学生で金額に差をつけた理由は? 高校生がドラフト1巡目で年俸600万円の3年契約は安いと感じるし、現状の日本サッカー界のように高校卒業後に国内プロリーグを経由せずにすぐ海外挑戦をするような事が起こるのではないか?

A. (島田C) この金額を一旦は設定しているが、前例が無く金額設定は非常に難しい。日本円の価値も変わるしBリーグのプレゼンスも変わる。選手のレベルも変化する。ただ決めないと前に進まない。色々な観点から決めているが、現時点で我々はこのステップを踏もうと決めて、サラリーキャップ同様に成長プロセスの中で変える判断をすれば変えていけばいいのではないか。正解を求めるのではなく動きながら修正してアジャストしていければいい。それがBリーグのスタンスです。

 

Q. 特別指定選手制度は続けるのか?

A.(増田氏) 続けます。大学インカレが12月中に終わるので、現在なら1月以降に大学生の特別指定選手が登録していく。イメージとしては1月のドラフトが終わってから特別指定選手契約が出てくるようになる。

例えばAというクラブと2025-26シーズンの特別指定選手契約をしているけれど、2026年1月のドラフトではBというクラブから指名されました。そうすると、2025-26シーズンはAクラブの特別指定選手としてプレーするけど、2026-27シーズンではBクラブのプロ契約選手としてプレーする。そういう事は起こり得る。特別指定選手は育成面で非常に効果的なので基本的には続けていく意向だが、これは我々以外に大学学連や高体連との調整が必要。まだ学連などと細かい制度設計の話は出来ていないので正式な発表は出来ないが、特別指定を続けていく意向はある。

 

Q. 選手側から3年契約を解除したいと申し出た場合、ドラフト入団時の契約金は返金しなければいけないのか?選手が契約途中で海外挑戦を考えた場合は?

A.(増田氏) 事由によるのではないか。選手が一方的に契約破棄する場合はおそらく契約金の返金は発生すると思うが、ケースバイケースかと思う。海外挑戦に関してはおそらく現行の契約でも「海外挑戦をする場合はその限りではない」というような設計があると思う。我々が今行なっているのは統一契約書だけで、選手とクラブ間では付帯契約書という個別の条件契約があるので、基本的にはその中の諸条件で「NBAに契約する場合はその限りではない」という文言が入ってくると思われる。

 

Q. ドラフトで選手を指名をした後に「指名はしたけど選手契約オファーはしない」というような、他クラブに選手獲得させないようなドラフト指名のダークな使い方は想定しているか?

A.(増田氏) 基本は「指名=オファー」だが、例えばその対象の選手が不祥事を起こしたとなればその限りではないと思うし、ドラフト指名のそのような使い方が横行するようだとドラフトの価値が下がってしまう。ただ一方でドラフト指名された選手が契約を拒否する可能性もあるし、それは選手の選択の自由。しかしそれを隠れ蓑にしてクラブが選手にオファーをしなかったり、非常に劣悪な契約オファーを裏側で行なっていたとか、そういう事は起こり得るので対処していくしかない。プロ野球の事例も調べつつ検討しなければいけないと思う。

 

Q. ドラフト対象選手は日本国籍を持つ選手だけか?二重国籍を持つ選手も22歳以下だとドラフト対象になるのか?

A.(増田氏) Bリーグが日本国籍を持っていると認める選手は、基本的にはドラフト対象にする予定です。

 

Q. クラブ側のドラフト参加資格としての練習環境等を現状では満たしていないクラブもある。ドラフト初年度までに参加資格を満たさないクラブが出てきた場合の対応は?

A.(増田氏) ここに掲載していない細かい条件もあるが、練習場所を点々とするような事は認めない等の条件は、かなり以前から各クラブ社長には基本的な合意を取っている。各クラブはBプレミアにいる以上はこの条件を超えてくると思っている。楽観視しているわけではないが、行政が持つ一般的な体育館もOKにしているし、民間の体育館やトレーニング施設もOKにしているので、そこまでハードルを高く設定したとは思っていない。逆にこれくらいの条件がないと、ドラフト指名された選手の環境の差を埋めていかなけばドラフトは成立しない。これがハードルが高いという話があれば我々としてもしっかり指導していく必要があると思っている。

 

Q. ドラフト前のユース選手との優先交渉においてU18チームへの在籍期間の縛りはあるのか?

A.(増田氏) 現行のユース出身選手特別枠についても最低活動期間(3か月間)を設けている。基本的にはそれに合わせていこうと考えている。極端な話、有力選手を1週間だけユースチームに登録させてドラフトを経由させないで獲得する等は無いように制度設計する。

 

Q 大学生のドラフトエントリー表明について、選手と大学間で話し合いをした上でエントリーするような指導は行うのか?

A.(増田氏) そのようにしたいと思っている。学連さんとの調整もこれから行なっていく。今の時点で引き抜きというか、在学中なのにBリーグでプレーを希望して退部、退学する選手が発生していて学連さんも苦難されていると思う。そこは指導というよりルールとして設けていきたい。ドラフトの申請書に監督のサインが必要だとか、そういったものは設ける必要があると思っている。

 

Q. 大学2年生や3年生がドラフトにエントリーして、自分が希望するクラブに指名されなかったので選手契約をせずに大学に戻ることは可能なのか?

A.(増田氏) 可能です。ただし指名された翌年もドラフトを経由しなければいけないので、翌年に自分が希望するクラブに指名されるかも分からない。それでももう1年間大学でプレーするかどうかは選手本人が考えなければいけない。基本的にはドラフト指名を断って元のカテゴリーに戻ることは我々としては許容しています。

 

Q.ドラフト以前に、クラブがドラフト対象選手に「うちが指名したら来てくれるか?」という意思確認はしていいのか?

A.(増田氏) 可能です。

 

Q. ユース選手との優先交渉に人数制限はあるのか?同学年に優秀な選手が2名以上いればどのどちらとも契約交渉する事は可能なのか?

A.(増田氏) いまは人数制限を設けていない。

 

Q. スペシャル枠の契約対象として「世界大会出場平均15分以上」とあるが、富永啓生選手が念頭にあったのかなと思うがどういう議論があったのか?

A.(増田氏) イメージは同じです。スターターでは無いがベンチからの出場でも15分出場していれば主力と言えるのかなと考えている。20分出場なら確実に主力と言えると思うが、それでは少しハードルが高いので15分に設定している。

 

Q. ドラフト参加条件の練習施設やスタッフ人数について、Bプレミアに入ってくるクラブなら当然クリアすべき内容だと思うが、わざわざ記載するというのはBプレミアのライセンス条件には入っていないのか?

A.(増田氏) 2026年のライセンス条件には入れていきます。ただ記載した内容全てをライセンス条件には入れないかもしれないので、Bプレミアには入ったがドラフト参加資格を剥奪することでこれらの条件に強制力を持たせるという考え方もあるので、そこはどこまでライセンス条件に盛り込むかは検討します。

 

カーディング・ポストシーズン

 

 

島田チェアマンによる説明

カーディング・ポストシーズンに関しては以前の発表と変わってません。リーグ戦は60試合を行います。週末が28試合、週末と平日を組み合わせて32試合で60試合をやります。B.ONEも基本60試合の予定ですけど、ポストシーズンに16チームが出場して長いプレーオフを前提にしてるので、万が一調整が入るかもしれないので一応60試変わらずの予定ですが、万が一のために今日はBプレミアのみと発表させていただきます。

最後はポストシーズンですが、特に昨年お話ししたところから変わってないと思います。18クラブを上限としていたので今と同じ8クラブをチャンピオンシップ進出という現B1のルールを踏襲しようという風に思っていたんですが、Bプレミアが想定以上にクラブが増えそうで、かなり競争激化してチャンピオンシップに出場するのが狭き門だなと思いつつ、今現在のB1は24の8ので、当初は(Bプレミアは)増えても24だと思うので、8というのは続行していく予定です。エクスパンションで増えていった場合には考えなければいけないなと思っています。

ファイナルはお約束した通り、ホーム&アウェイへの三戦先勝方式、最大5試合です。HOME/AWAYを取り入れていきます。

 


質疑応答

Q リーグ戦60試合に加えてCSとファイナル最大5試合となると、試合間隔が短くなったりシーズン期間が6月まで跨ぐことで選手の負担が増えるのではないか?

A.(増田氏) 現状の土日での2連戦はバックトゥバックと呼ばれるが、世界的にこの2連戦で試合を組んているリーグは無い。2連戦はコンディション的に非常に厳しいので、今回は週分散単一開催を32試合設定した。これによって選手のコンディションを多少軽減出来るのではないかと理解している。また選手登録数も1名増やしている。本当はBプレミアなので限りなく少なくしていきたいが、コンディションの関係で選手の人数を増やす事で、選手の出場時間を軽減する。あとは移動手段をグリーン車にするというドラフト参加条件なども、選手のコンディション調整に役立てる。シーズン最後も6月に跨がないように調整していこうとは思っている。代表戦があるので基本的には代表活動に支障の無いようにシーズンは終了する。もちろん年によっては土日のカレンダー次第で6月上旬に食い込むこともあるかもしれないが、NBAのように6月中旬下旬と長くなる事は想定していない。

 

Q ファイナルだけではなくCSのファーストステージやセミファイナルもHOME/AWAY方式にする構想はあるか?

A.(増田氏) 2戦先勝だと移動が難しいので、やるとすれば3戦先勝方式にして最大5試合にしないとHOME/AWAY方式は難しいと思う。ただ昔のリーグは2戦先勝方式でHOME/AWAY方式でやっていた事もあるので、出来なくはないが興行コストを考えるとなかなか難しい。あとアリーナが大きくなるとキャンセル料がとんでもない金額になる。行政の公設であればクラブと行政との関係性の中で多少処理できる部分もあるかもしれないが、民設のアリーナが増えていく中では相当なキャンセル料が発生してしまい、クラブ経営にも相当なインパクトがある。そういった事も踏まえて、ファイナルでHOME/AWAY方式をやってみてどのような工夫が出来るのかを検討したい。これは全く議論をしていないが、リーグ戦の60試合を減らしてCSの試合数を増やしていくのも全然あると思う。そこは長期的には検討していきたい。

 

Q ファイナルがHOME/AWAY方式になった場合、現状のリーグ主管のセントラル開催とは異なり、それぞれのクラブ主管としてクラブ収益となるのか?

A.(増田氏) その通りです。

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この記事を書いた人

沖縄バスケットボール情報誌アウトナンバー編集部 │ #琉球ゴールデンキングス 試合レポートなら #OUTNUMBER │ 沖縄県U18、U15、ミニバス情報も発信中です

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