(文:湧川太陽、写真提供:琉球ゴールデンキングス)
12月3日(日)、琉球ゴールデンキングスはシーホース三河とウィングアリーナ刈谷で対戦した。
前日のGAME1では93-73で三河は20点差をつけられて敗戦したキングス。
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さらにヴィック・ローがGAME1にスポンサー看板を踏みつけたとしてリーグより1試合の出場停止処分が下され、この日のGAME2に出場できない緊急事態が発生した。
参考:琉球ゴールデンキングス ヴィック・ロー選手規約・規程違反による懲罰について | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
もしこの日のGAME2にキングスが敗れると、レギュラーシーズンでは2020年10月3日、4日のアウェー宇都宮戦以来の同一カード連敗となる。キングスはこの逆境を跳ね返せるか。
キングスのスターティングメンバーは、#7 アレン・ダーラム、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。
GAME2の先手を取ったのはキングスだった。試合冒頭からキングス本来の強度の高いディフェンスを見せて、三河から1クォーターだけで6つのターンオーバーを奪った。だがキングスはGAME1も苦しんだ三河のゾーンディフェンスに、シュート成功率がなかなか上がらない。1クォーター終了時のスコアは、16-11と三河が5点リードした。
2クォーターは試合はキングスのペース。三河は外国籍ビッグマンの#10 ジェイク・レイマンが2クォーターでテクニカルファウルを含む4つ目のファウルを犯してプレータイムを制限される。キングスはセカンドユニットの#88 牧 隼利、#15 松脇 圭志、#24 田代 直希もディフェンスで奮闘して、ローの不在を全員でカバーする。2クォーター終了時のスコアは、28-34とキングスが6点リードと逆転に成功。
3クォーター開始から、三河が8連続得点で逆転する。三河の#11 久保田 義章がスピードのあるドライブでペイントエリアへのドライブで三河オフェンスを引っ張る。キングスは3クォーターだけで3ポイントを10本放つも2本しか決められず、3クォーター終了時のスコアは50-44と三河6点リードで終了。
4クォーター、キングスは三河のオールコートプレスからのハーフコートゾーンに苦しみターンオーバーが続く。キングスはタイムアウトで流れを変えようとするも、逆に自分たちのターンオーバーから三河に3連続3ポイントを許して、67-51と16点差にリードを拡げられてしまう。
キングスは残り5:45で最後のタイムアウトを使い、岸本、今村、小野寺、ダーラム、クーリーとスターターの5人に試合を託す。
キングスは岸本、小野寺の3ポイントなどで点差を詰めていく。残り1分を切り、今村がファウルで得た3本のフリースローを全て決めて72-69の3点差。さらに今村が体制を崩しながらも3ポイントを決めて、ついに72-72の同点。キングスは桶谷ヘッドコーチが残り数秒でヘッドコーチチャレンジを請求して “もうひとつのタイムアウト” を取り、チーム全員で勝利への執念を見せる。試合は72-72のオーバータイムに突入。
オーバータイムの先制点はキングス。ターンオーバーから今村が速攻で得点。キングスは体力の厳しい状況ながらディフェンスのギアを上げて、三河のターンオーバーが起これば全員が一斉にフロントコートに走る。オーバータイム残り2分 72-78でキングスが6点リード。だが三河も西田やオーガーストのペイントエリアでの得点で77-78と1点差に迫る。
キングスは今村のドライブ、岸本のフリースローで79-82と3点差にするも、三河は残り12秒で西田がハーフライン付近から超ロング3ポイントを決めて82-82と同点。
キングスはタイムアウトを取り、勝負を決めるシュートを今村に任せた。今村はボールを受けると、西田のマッチアップを振り切り、残り3秒で決勝のミドルレンジシュートを決めた。
https://twitter.com/OUTNUMBER_oka/status/1731233266257260972
最終スコアは82-84でキングスがオーバータイムの激戦を勝利した。今村はチームトップの23得点で、そのうち14得点は4クォーターとオーバータイムで記録した。
試合スタッツ:Bリーグ 2023-24 B1リーグ戦 2023/12/03 三河 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
試合後の記者会見で、キングスの桶谷ヘッドコーチは試合をこう振り返った。
「昨日(GAME1)と違い、今日は最初からインテンシティの高いディフェンスが出来た。得点が伸びなかったがチームとしてはいい入り方が出来た。ワイドオープンのシュートは打てていたが中々シュートが入らず点差をつけられたが、それでも前半は戦えるディフェンスが出来ていた」
「後半にディフェンスのエクスキューション(遂行力)がそれぞれのポジションで少し落ちて、久保田くんとビッグマンのボールピックに振り切られてしまい、しんどい時間帯があった。セカンドユニットになって17点差までになって、もう一度スタートメンバーになって、ディフェンスを1ポゼッションずつ頑張った。レイマン選手にアーリーポストでアタックして、少しずつ流れが良くなっていった。1ケタ点差になった時は三河さんの方がプレッシャーを感じ出していて、特定の選手しかゴールアタック出来なくなっていて、そうなったらこっちのもので1ポゼッション1ポゼッション。最後6点差の2ポゼッションになって圏内に入ってきた。そこからは自分たちのやるべき事をやって、最後に今村がビッグショットを2本決めて延長にいった。最後4秒あったけどもうちょっと工夫したプレーセット書けたらよかったなと思います」
「延長に入ってリードするまでは良かったんですが、ディフェンスやリバウンドがちょっとずつソフトになっていって、それを我慢して我慢して。ただ勝負は最後の30秒くらいから、というのは分かっていたので」
「西田くんが最後決めたのはまず凄かった。今村がそれにちゃんとアンサーを返したところは、僕らも見ててすごく楽しかったし、観に来てくれたお客さんも楽しいゲームに出来たんじゃないかなと思います」
同一カード連敗の危機を救ったのは、やはり自分たちが積み重ねてきたディフェンスだった。
GAME1の敗戦後、岸本は「お互いの良さを引き出してもっと良いチームになれるように、そのきっかけが今日だったと後々言えるように明日に挑む」と語ったが、まさにその通りの価値ある快勝だった。
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