琉球ゴールデンキングスは8月10日、「沖縄を世界へ」と銘打ち、日本だけでなく世界へ通じる沖縄、世界に通用するキングスブランドを目指して挑戦することを発表した。
沖縄アリーナ内のキングスロッカールームで行われた記者会見には、白木享 代表取締役社長と安永淳一ゼネラルマネージャー(GM)が登壇して、以下の新たなる挑戦を宣言した。
01│「琉球ゴールデンキングス」を世界に通用するブランドへ
02│「現状維持は衰退」B.LEAGUE PREMIER参入がゴールではなく、その先へ
03│「沖縄をもっと元気に!」を胸に
04│アジアNo.1の球団へ
05│世界に通用する選手の輩出
白木社長は、冒頭に台風6号による被災へのお見舞いの言葉を述べてから、キングスを世界に通用するブランドにしていく覚悟を語った。
「我々は『沖縄をもっと元気に!』という活動理念をとにかく大切にしてまいりました。そしてキングスが、沖縄の未来のために何ができるのかということを強く考え、我々は日本のみならず世界に挑戦していくべきではないかという結論に至りました」
2023年7月27日にBリーグより発表されたB.LEAGUE将来構想「B.革新」は、現在のB1リーグにあたる最高峰カテゴリを「B.LEAGUE PREMIER」(以下Bプレミア)として、観客動員数・年間売上高・アリーナ確保を参入条件として、より高いレベルのバスケットボールリーグを目指す。
白木社長は、そのB.LEAGUE将来構想「B.革新」を見据えた上で、その先を語った。
「現時点でキングスは全ての項目をクリアしており、Bプレミアのライセンスが交付していただけると思っているが、これから先は全国各地のチームが観客動員や売上高、アリーナ建設を進めていくはずです。私自身も非常に危機感を抱いているし、もしかしたら抜かされる時がくるのかもしれないと思っています。『現状維持これは衰退である』というのがキングスの文化であり、未来に向かって活動の幅を広げてキングスが世界に通用するブランドになっていく。そして『沖縄をもっと元気に!』という活動理念をこれまで通り大切にしつつ、沖縄の方々の誇りになりたい」
ここまで球団経営を積み重ねて、真の日本一のチームとなったキングス。白木社長は「キングスは日本国内ではしっかり基盤が出来上がってきた。NBAのロサンゼルス・レイカーズのような世界に通用するチームを、アジアから作り上げていく必要がある。その先駆者となることをキングスは目指していく」とアジアバスケットボール界全体を牽引する存在になることを目標に掲げた。
安永GMは「沖縄代表する球団といえば琉球ゴールデンキングス、と言われるようなアジアNo.1の球団を目指す」と今後も積極的に国際試合を開催していく考えを語った。
沖縄アリーナに海外チームを招き国際試合をするだけでなく「例えば『キングス in 台湾』のような、キングスのホームゲームの熱狂や雰囲気を海外の皆様にも楽しんでいただき、沖縄の文化・魅力を発信していきたい。キングスが世界で通用するブランドになれば、NBAチームを沖縄アリーナに招いたり、アメリカでキングスがNBAチームと対戦することも夢ではない」と将来への構想を語った。
そして9月23、24日には台湾プロバスケリーグP. League+ で3季連続王者の台北富邦ブレーブス(Taipei Fubon Braves)を沖縄アリーナに招き、プレシーズンゲームを行うことを発表した。
富邦ブレーブスといえば、東アジアスーパーリーグEASLにて2023年3月4日にキングスと沖縄アリーナで対戦した。その時は83-78でキングスが勝利したものの、侮れない強豪チームだ。
キングスの海外挑戦は、チーム創設当初から始まっていた。bjリーグ参入初年度の直前、2007年10月には台湾・花蓮に遠征を行い、海外チームを相手に実戦を行っていた。
参照:プロバスケットボール bjリーグ公式ブログ : 台湾遠征、試合結果のお知らせ・沖縄 – ライブドアブログ
チーム創設当時のことを質問すると、安永GMは懐かしそうに振り返ってくれた。
「2007年のチーム創設時は、キングスという名前が先に決まり、ロゴが決まり、そして選手を契約してようやく試合が出来るようになった。まさにベンチャーでした。ある会社の社長からは『アドベンチャーだね』と言っていただきました。私たちキングスは、常に一歩先、他のチームが考えることの一歩先を考える。それをずっと続けてきました」
「Bプレミアがスタートしたら、その頃にはアジアのリーグや世界大会が行われるようになるかもしれない。その時に準備をしているようではいけない。我々が築いてきたアジア、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアのネットワークを通じて、我々の方から世界に出ていき、キングスという名前を世界の方々に知っていただくことが目指すべきところだと信じています」
さらに安永GMは、ユースチームからも世界に通用する選手を輩出することを目標として、琉球ゴールデンキングスU18に所属していたアイザイヤ・ロペス選手・桶谷都人選手がアメリカの高校へ進学決定したことや、台湾からユースチームを招待して沖縄アリーナで交流試合を行ったことを紹介。キングスユースを含めて沖縄の子どもたちが、バスケットボールで世界を目指せる環境・機会をキングスが提供していきたいと話した。
今までのキングスの選手たちの歴史が詰まったロッカールーム。常に一歩先を見据えるキングスなら、このロッカールームに私たちの想像を超える歴史を刻みこんでくれるかもしれない。