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12月19日(火)、Bリーグの島田慎二チェアマンは会見を開き、2026−27シーズンから始まる 『B.革新』のトップカテゴリーであるB.PREMIER (以下、Bプレミア)に『仮ライセンス制度(※名称未定)』を導入することを発表した。

仮ライセンス制度の導入

リーグ理事会終了後に行われたこの会見で、島田チェアマンはスライドを使いながら仮ライセンス制度を詳細に説明した (文末スライド参照)

仮ライセンスの基準は以下となる

①売上要件:2023−24シーズン売上 12億円
②入場者数要件:2023−24シーズン入場者数 4,000人
③アリーナ要件:(公設の場合) 2024年9月末までにプレミア基準を満たすアリーナ新設・改修に応札者がいること > 2024年12月までに落札者または優先交渉者が決定していること > 2025年7月までに施工者との契約が結ばれていること

すでに発表されていたBプレミアのライセンス審査基準(1次〜3次)において2024年10月に本ライセンス審査を行い、基準を充足するクラブは相対評価ではなく絶対評価でBプレミアのライセンスを取得する。その後、2024年12月に仮ライセンス審査が行われる。仮ライセンスは基準を充足すれば全て合格というわけではなく、大局観を持ちつつ総合的に判断するとした。

しかし仮ライセンスはあくまで時限措置となる。仮ライセンス期限はBプレミア初年度の2026-27シーズンのみであり、2年目の2027-28シーズン以降もBプレミアで戦うためには本ライセンスが交付される必要がある。ライセンス判定は当該シーズンの2年前に行われるため、仮ライセンス交付クラブは「2025年7月」に本ライセンスに合格出来なければ、B.革新の初年度はBプレミアで戦うが、2年目はB.ONE以下に降格となる。

 

 

島田チェアマンは仮ライセンス導入の経緯について、このように語った。

「今までは18でギュッと絞って翌年の2027−28以降で毎年ちょっとずつ増えてくることを想定していたが、1年遅れ2年遅れで(Bプレミアに)入ってくるであろう有力クラブも結構ある。そこでわざわざ1、2年遅らせることで地元での立ち振る舞いが厳しくなるような状況を作らずに一旦受け入れる方向でいって、どうしても約束(アリーナ建設の確度)を果たせなかった時には落ちる。ギュッと閉めて増やしていく、というところから、ちょっと幅を広げてダメなら絞る、という観点に変えた」

「(現状が)3,000人台しか入らないアリーナで立派なアリーナを作っているところもある。でもそこだけで見たら相対評価で落ちていく可能性がある。どんなに立派なものを作っても、たまたま今使っているアリーナだけで落ちてしまうのは不合理。リーグの発展とクラブの努力を見た時にそういう判断をするべきじゃないかと方向転換した」

「アリーナの基準を満たすことは簡単ではない。社会的な建設リソース不足によりアリーナ建設が遅れる可能性もある。(仮ライセンス制度を導入することで)あくまでも経営力がしっかりしていて、アリーナがギリギリというクラブは何とかなるのではなかろうか」

 

 

結果的にBプレミアのチーム数が18を超える可能性があり、『プレミア感』が削がれるのではとの質問には「理事会でもその議論はあったが、(B.革新の)理念的に『プレミア=絞る』ということではそもそも無い。それならエクスパンション(チーム数拡張)方式にはしていない。チーム数が増えていくことと『プレミア』という言葉のニュアンスは違いますけど、そんなに矛盾しているものではないと思っている」と当初からチーム数を絞ることが最優先ではなかった事を強調した。

各クラブの経営努力が凄まじく、水面化では夢のあるアリーナ計画の話が出てきていることも示唆した島田チェアマン。「2・3年で20以上に増えていくであろうことが見えているのに、2026年で18で切ってしまってアリーナの話を反故にしたりクラブの努力を反故にするよりは、2・3年後に『絞っている』という観点でのプレミアの状況が崩れるなら、今ここで判断した方がリーグの成長発展に繋がる。そこで検討して作ったのが仮ライセンス制度です。入場者数も売り上げも一気に伸びている状況で、クラブの努力がもたらしたチャンスが流れない状況を作るべきじゃないか。大局観を持って判断しました」

 

 

敗者復活の『ワンチャン』

2026-27シーズンからの『B.革新』において、自分の推しチームがBプレミアを戦うことが出来るかどうかは、ファンの現在の最大関心事だ。2024年10月のBプレミア初年度ライセンス審査まで1年を切り、初年度審査基準となるシーズンは今季がラストイヤーだ。ファンはSNSなどで各チームの入場者数や売上を細かくチェックしている。

 

 

島田チェアマンも繰り返し話したように、アリーナ建設は多くの要素が絡み合い、クラブの努力だけで簡単に達成できる基準ではない。ただFIBAワールドカップ2023の追い風を受けてBリーグだけではなく社会全体がバスケに対する盛り上がりを見せている事も事実である。仮ライセンス制度は、バスケの盛り上がりを肌で感じている各クラブの関係者やファンにとって、敗者復活の『ワンチャン』とも考えられる。

島田チェアマンは最後にこう語った。

「ファンの方々にも『ワンチャンあるよ』と思っていただきたいですし、今回の話を早期にやったのも、これがずれればずれるほどクラブの経営や現場の努力のモチベーションや状況が変わってくる。もう諦めかけたところがもう一回前向きになっていくところも出てきたりする。(仮ライセンス制度を)メディアで公開することで、各クラブが『ここまで間に合えば何とかなりそうなので何とかしましょう』という話も出来るし、自治体からも問い合わせも沢山くると思う」

 

 

繰り返すが、アリーナ建設は決して一筋縄ではいかない大きな問題だ。しかしBプレミアの成功は『夢のアリーナ』が全国各地に広がっていくことが握っていると言っても過言ではない。バスケットボールがかつてなく盛り上がっている今だからこそ、『夢のアリーナ』建設に向けて、異論を恐れず柔軟に動く姿を評価したい。

2024年の本ライセンス審査に加えて仮ライセンス制度(※名称未定)を導入する(B.LEAGUE提供)

2024年の本ライセンス審査に加えて仮ライセンス制度(※名称未定)を導入する(B.LEAGUE提供)

2024年の本ライセンス審査に加えて仮ライセンス制度(※名称未定)を導入する(B.LEAGUE提供)

Bリーグ平均入場者数はかつてないほど増加している(B.LEAGUE提供)

Bリーグ平均入場者数はかつてないほど増加している(B.LEAGUE提供)

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