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ディフェンスで延長を制したキングス 琉球ゴールデンキングス vs 茨城ロボッツ GAME1

(文:湧川太陽、写真:照屋勇人)

2022年12月10日(土)、琉球ゴールデンキングス vs 茨城ロボッツ GAME1が沖縄アリーナで開催された。

2021-22シーズンからB1昇格した茨城とキングスは初対戦。茨城は早いテンポでシュートまで持ち込む攻撃的なスタイルのチーム。キングスのインテンシティ(強度)が高い守備に、茨城の攻撃的スタイルが通用するか。

 

確率高い3ポイントと早い攻撃で先手を取る茨城

キングスのスターティングメンバーは、#1 ジョシュ・ダンカン、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。

対する茨城は、#8 多嶋 朝飛、#11 チェハーレス・タプスコット、#17 山口 颯斗、#21 エリック・ジェイコブセン、#25 平尾 充庸。

 

茨城ガードの平尾が試合開始直後から活躍。決して簡単ではない外角シュートを次々と成功させる。平尾は1クォーターだけで3ポイント4本中3本成功を含む11得点をあげる。

対するキングスも1クォーターのFG%は73%(11/15)とシュートは好調だが、茨城の1クォーターFG%も56%(9/16)を許してしまい守備が上手く機能しない。

試合後にキングス桶谷HCも「序盤は茨城さんに合わせて点の取り合いをしてしまった」と語る通り、1クォーター終了時は27-22とキングスの5点リード。いや、茨城がわずか5点差と自分たちのペースに持ち込んだ。

 

2クォーターも茨城のペースで試合が進む。茨城は5アウト(全員が3ポイントライン付近に位置)の状態からボールを外でテンポ良く回して、ノーマークからシュートを放つ場面が増えてきた。

桶谷HCは「茨城さんのジェイコブセン選手を起点としたマッカビモーション(左右のサイドでピックアンドロールを繰り返すフォーメーション)にマークのズレを作られた。茨城さんのオフェンスも良かったが自分たちの守備も簡単にボールを回させてしまった」と反省を口にした。

 

キングスの守備の特徴はインテンシティ(強度)にある。インテンシティ、と言葉にすると"力任せ"のようなイメージもあるが『我慢強く、責任を持つ』と解釈すると分かりやすいかもしれない。相手のピックアンドロールに対しても簡単にスイッチ(マークマンの受け渡し)をせず、オンボールでもオフボールでも身体を張りながら自分のマークマンをずっと追いかける。

しかし、それはコート上の全員が高いインテンシティでディフェンスを"やり続ける"事で、強力なチームディフェンスになる。この日の前半はそうではなかった、と桶谷HCは言いたかったのだろう。

 

2クォーター残り4:08、茨城の山口がディフェンスリバウンドからのファストブレイクでバスケットカウントワンスローを獲得。39-40と茨城が逆転に成功。

茨城は前半のファストブレイクポイントで10−0とキングスに10点の差をつける。さらに茨城は前半だけでチェハーレス・タプスコット、エリック・ジェイコブセン、ジャワラ ジョゼフの3人が2桁得点とバランス良く得点する。

対するキングスは自分たちのペースに持ち込めない。その証拠に、キングスの前半オフェンスリバウンドは0。これは今季初であり、自分たちのペースで戦っていない事は明らかだ。

2クォーターは41-51と茨城が10点リードして終了。キングスには自分たちのペースに持ち込むための"スイッチ"が必要だった。

 

キングスの"スイッチ"を入れたフリッピン

3クォーターも茨城の好調なシュートタッチは続く。多嶋、ジェイコブセンの3ポイントが決まり、残り5:26にはスコア48-61と茨城はこの日最大の13点リードを奪う。

キングスも徐々にディフェンスが機能してくる。小野寺が身体を張ったディフェンスでボールを奪い、アンスポーツマンライクファウルを受けると沖縄アリーナの観客も大歓声。キングスらしくディフェンスから観客に火をつける。

 

3ポイント攻勢の茨城とインサイドで得点を重ねるキングス。3クォーター最後はダーラムがオフェンスリバウンドを片手で押し込み66-72。茨城6点リードで終了。

 

4クォーター、最初の得点はフリッピンの豪快なドライブ。フリッピンらしい滞空時間が長く美しいドライブで得点した。

しかし茨城もキングスのインサイドアタックを必死に守り、試合の流れを渡さない。残り4:46で、74-81と茨城7点リード。なかなか点差が詰められないキングス。

 

残り3:00、岸本に代わりフリッピンが再びコートに入る。ここからフリッピンのエナジーがキングスの"スイッチ"をONにした。

残り2分、フリッピンが茨城のロングパスをスティール。さらに残り1:36、フリッピンは左コーナーからドライブすると、大きなダブルクラッチで得点。82-86と4点差。逆転の期待に沖縄アリーナは大きなクラップで後押しする。

 

残り42秒、ついにキングスは茨城を捉える。今村が時間をかけず鋭いドライブでゴールを奪う。84−86で2点差。アリーナBGMのゾンビネーション ~ パイレーツオブカリビアンのコンビネーションが逆転の期待をあおる。

クーリーのブロックショットで茨城のボールを奪うと、茨城のディフェンスローテーションミスを見逃さず、ミスマッチになったダーラムがドライブから得点。86-86とついに同点。試合はオーバータイムに突入。

 

完全にディフェンスのスイッチが入ったキングス。オーバータイムにはクーリーのルーズボールダイブ、フリッピンのスティールとディフェンスで沖縄アリーナの観客を沸かせる。

 

何とキングスはオーバータイムの失点をフリースローの1得点のみに抑え込む。最終スコアは95-87とキングスが自分たちのディフェンスで逆転勝利した。

試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2022/12/10 琉球 VS 茨城 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

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