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チームを救うジャック・クーリーのリバウンド 琉球ゴールデンキングス vs 滋賀レイクス GAME2

(文:湧川太陽、写真:tomo)

11月20日(日)、琉球ゴールデンキングスはホーム沖縄アリーナで滋賀レイクス GAME2を戦った。

前日のGAME1は 72-51 でキングスが21点差の快勝。滋賀はルイス・ギル前HCとの契約解除や外国籍選手の退団などが続き、心機一転の新体制初戦を完敗してしまった。滋賀はこのGAME2も同じような展開になるとチーム崩壊の危機だ。それだけは絶対に許されない。

沖縄アリーナに詰めかけたファン6807人は、西地区最下位チームにキングスが快勝する姿だけを想像してきたはずだ。

だが、バスケットボールはテレビゲームではない。6807人は、選手のレーティング(評価指数)で勝負が決まるわけではない事を痛感することになる。

 

滋賀の日本人ビッグマン川真田の奮闘

キングスのスタメンは、#1 ジョシュ・ダンカン、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。

対する滋賀のスタメンは、#1 ケルヴィン・マーティン、#7 テーブス 海、#13 デイビッド・ドブラス、#32 狩野 祐介、#99 川真田 紘也。

滋賀はGAME1からスタメンを変更。204cm日本人ビッグマンの川真田をスタメンに起用してきた。

滋賀の狙いは、198cmのケルヴィン・マーティンを4番ポジションから3番ポジションにポジションアップ、キングスの日本人選手とマッチアップさせてマーティンの得点力を活かす事。そして、川真田が1分でも長くコートに立つ事で、外国籍選手のファウルトラブルを避ける事。

1クォーターから、川真田はその期待に応えてみせた。ジャック・クーリーやジョシュ・ダンカン、アレン・ダーラムというキングスの外国籍ビッグマンに対して身体を張りディフェンスで奮闘。川真田は1クォーター残り4分にベンチに下がるが、クロックを6分間消費したのは大きかった。

 

滋賀は、狙い通りマーティンが1クォーター5得点。2クォーターもマーティンは好調を維持、3ポイントは4/4の100%で決める活躍。さらに#32 狩野 祐介も3ポイントを決めるなど、滋賀はチームで作った3ポイント攻勢で試合の主導権を握る。

キングスはクーリーが前半だけで10リバウンド。その内オフェンスリバウンドは5つ。何度も滋賀がリズムを掴みそうになる場面があったが、クーリーがオフェンスリバウンドをもぎ取り滋賀にリズムを渡さない。2クォーター残り2:52にはダーラムの豪快なブロックで流れを押し戻そうとする。

 

前半は、40−40の同点で終了。前日とは違う滋賀の奮闘で、沖縄アリーナに勝負の緊張感とバスケットボールの楽しさが戻ってきた。

 

"ミスマッチ"をどう攻める?

3クォーター、今村の3ポイントでキングス先制。だが滋賀も一歩も引かない。キングスはダーラムにボールを集めて川真田を狙うが、3ポゼッション連続で川真田は防いでみせた。川真田はさらに岸本をブロック。キングスは重い雰囲気をまたも今村の3ポイントでつなぐ。46−44キングス2点リード。

キングスはインサイドが”ミスマッチ"と考え、徹底してダーラムで川真田を狙う。だが川真田はファウル3つになるもコートに立ち続けて滋賀のインサイドを破綻させない。

 

"ミスマッチ"を突くのはバスケットボールの鉄則だが、"ミスマッチ"に縛られると自分たちのリズムを見失うのもバスケットボールの面白さ。

 

3クォーター残り4:50 クーリーがオフェンスファウル。クーリーは3ファウルとなりベンチに下げる必要があったが、ダンカンは前半負傷退場して出場できない。キングスは#42 ジェイ・ワシントンを送り出す。

ダーラムとワシントンでは、逆に滋賀にインサイドの強みがある。滋賀がインサイドで得点できるようになってきた。

今度はキングスが"ミスマッチ"をどう守るか。3クォーターフル出場の今村がカバーディフェンスに走るキングス。

3クォーター最後、滋賀は#9 杉浦 佑成がブザービーター3ポイントを決める。60−64で滋賀が4点リードして3クォーター終了。

 

鬼神のごとき活躍 ジャック・クーリー

キングスのディスアドバンテージ(不利)を的確に突いてくる滋賀。試合のリズムを完全に奪われたキングスだったが、ジャック・クーリーがその大きな手で、試合のリズムを再び奪い取る。

フリッピンのドライブがこぼれると、クーリーはそのボールを拾ってバスケットカウントワンスロー。さらに速攻で走って軽やかなステップで得点。

 

クーリーの奮闘にチームメイトも落ち着きを取り戻し、キングス本来の実力を出し始める。フリッピンのディフェンスプレッシャーに会場が沸きかえる。まだ滋賀が1点リードしているにも関わらず、まるでホームチームが圧倒しているような興奮だ。

試合後にキングス桶谷HCが「鬼神のごとき大活躍だった」とクーリーの奮闘を称えた。クーリーは4ファウルになるも、逆に滋賀のインサイド陣4人全員をファウルアウトに追いやってしまった。

 

4クォーター残り2:12 今村が3ポイントライントップの位置でボールを受けると、大音量のBGMが止まる。次の瞬間、アリーナ中が期待した通りボールがネットを捉え、大声援が湧き上がる。今村のこの日4本目の3ポイントでキングスは79-74と5点リードに拡げる。

最後は、クーリーの大きな手がインバウンズパスをスティール。勝利を掴み取った。

最終スコアは89-84。滋賀の気迫に圧されたキングスだったが、最後はクーリーの活躍で勝利した。

試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2022/11/20 琉球 VS 滋賀 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

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