10月10日、琉球ゴールデンキングスは沖縄市体育館でホーム開幕戦を戦った。前節の宇都宮戦で2連敗したキングスは、ホームでの開幕戦で連敗を伸ばすわけにはいかないという並々ならぬ思いで試合に挑んだ。対戦相手は#30 今村 佳太の古巣、新潟アルビレックスBB。
コロナ禍の影響もあり、座席数や声援の制限など過去のシーズンとは異なる状況での開催となったが、それでも多くのブースターが会場に駆けつけ、試合を楽しんでいる様子が見られた。
ハードワークを続けたキングス。3Qで新潟を引き離し、シーズン初勝利
琉球ゴールデンキングス | 新潟アルビレックスBB | |
89 | Total | 75 |
17 | 1Q | 21 |
21 | 2Q | 20 |
31 | 3Q | 16 |
20 | 4Q | 18 |
1Q 17-21
キングスボールでスタート。最初のシュートを決めたのは#45ジャック・クーリー。ファーストショットを外したものの、オフェンスリバウンドからファウルをもらい、フリースローを決める。さらに#45 クーリーが2連続でシュートをゴールにねじ込む。#3 並里 成の執念のダイビングでのボールキープや、#42 ジェイソン・ウォッシュバーンの奮闘で10-2とリード。たまらず新潟がタイムアウト。
タイムアウト後、流れが新潟に傾き始め11-9と追い上げられるが、#14 岸本 隆一、#32 満原 優樹のスリーでリードは渡さない。
だが、クォーター終盤でキングスのシュートがゴールに嫌われはじめ、さらに新潟の#33 林 翔太郎の連続得点や、フリースローを連続で与えてしまったことで逆転され、17-21で1Qを終える。
2Q 38-41 (21-20)
2Qに入っても新潟の勢いはとまらずリードを広げられる。17-26となったところでキングスタイムアウト。
このクォーターから入った#0 石崎 巧がゲームをコントロールし始めると、徐々に流れが変わり始める。#24 田代 直希の3Pバスカン、#45 クーリーのインサイドアタックなどで新潟の攻撃がとまっている間も得点を取り続け、30-31でオフィシャルタイムアウト。
このまま逆転したいキングスは必死のディフェンスを見せる。相手の24秒ヴァイオレーションを誘発させたり、i#30 今村のスティールからの#14岸本の3Pなど好プレーは続くものの、なかなか追いつけない。その後も点の取り合いが続き、38-41で前半戦を終える。
3Q 69-57 (31-16)
3Qは序盤から激しい点の取り合いでスタートする。#30 今村、#24 田代が点を重ねるが、新潟も負けじとゴールを決めていく。
徐々にキングスのディフェンスが効きはじめ、新潟の得点が止まり、51-49でついに逆転。流れを変えたい新潟はタイムアウトを取る。
だがキングスの勢いは止まらない。#45 クーリーがゴール下でシュートにリバウンドと大暴れ。さらに#14 岸本、#32 満原、#1 船生 誠也が3Pを沈めリードを広げる。いい流れのまま最終クォーターへ。
4Q 89-75 (20-18)
勝負の4Q、#23 佐藤 公威や#25 ロスコ・アレンの連続得点で追いあげる新潟を、#45 クーリーや#42 ウォッシュバーンの活躍でリードを保ち続ける。そして古巣相手に燃える#30 今村が積極的にゴールにアタックし、点差を広げていく。
オフィシャルタイムアウト後も高い集中力を保ち続けたキングスが最後までハードワークを続け、見事ホーム開幕戦を勝利した。
MVPは#45 ジャック・クーリー選手。インサイドで圧倒的なプレーを見せつけ、26得点 18リバウンドの大活躍。
両チームHC、選手のコメント
琉球 藤田弘輝HC:
たくさんの気持ちが乗った試合だった。これだけ期間が開いた後のホームゲームで、沖縄のファンのみなさんの前でやっとプレイする公式戦だったし、クラブやスタッフもたくさんハードワークをして作ってくれたこの舞台。ぼくたちが情けない試合をするわけにはいかなかった。40分ファイトできたと思いますし、勝ち切れてうれしいです。
勝つことはすごく大事なことで、先週2連敗したし、チームが完全ではないとはいえ、負け続けると迷いがでてくるので、自分たちのバスケを信じるためには勝ち試合が必要で、そういった部分で勝ち切れてよかったです。
宇都宮戦よりいいシュートの本数が多く、チームが打ちたいシュートを40分間打てたことが勝因だと思います。
硬さがまだあると感じます。今日はホーム最初のゲームで、みんな力が入っていたのかなって。良いシュートは打てていたので、良いバスケットをやり続けていきたいと思います。
自分たちがコントロールできるところ、自分たちがファイトできるディフェンスのハッスルの部分だったり、チームの原則に則ってオフェンスをするってところは相手にかかわらずできるところなので、集中していきたい。
第3Qのスタートで伝えたこと
こっちがアドバンテージとれていたと思っていたし、シュートさえ入ってくれれば点差は開いていくイメージはあった。自分たちのバスケをやりつづけようってこと、新潟はうちのディフェンスの逆手をとってカッティングとかのプレーが多かったので、そこの意識をするようチームに伝えた。
第2Qの#0 石崎 巧の投入について
#0 石崎のメンタリティは良い時も悪い時も変わらず、チームの全体的に硬い雰囲気や流れを変えたかった意図があり、見事に答えてくれました。
#1 船生 誠也のガード起用について
生き生きとプレーしていたと思います。オフェンスも積極的にアタックしてくれましたし、要所で見せるパスのセンスとか、彼の持ってる良さが今日出ていたと思う。もっとできると思うので、さらにチームになじんでほしい。
新潟 福田HC
我々はオフェンスリバウンドやターンオーバー数、シュートアテンプトの数で負けていた。それでは勝てないので明日は修正していく。
#24 田代 直希
久しぶりのホーム公式戦について
やっぱりホームゲームは良いなと思う反面、もっと声援を聞きたかったなっていうところはあります。
今日の試合について
先週2連敗していたこともあって、チームとして負けたくない一戦だったし、今村の古巣ってこともあり、勝って花を添えたいという気持ちはあった。
プレシーズンからなかなか勝てていなかったので、勝ち切ることがとても大事だった。そんな中での勝利だったのでチームにいい影響を与えてくれるんではないかなと思います。
沖縄のブースターへの思い
楽しんでもらいたいし、僕たちの試合を観て、元気がでたとか明日も頑張れるって思ってもらえたら一番いいのかなって思っています。激しいディフェンスして、僕たちのやりたいオフェンスをして、活力をあたえられたらいいなと思います。
前半の悪い時間帯について
バスケット自体は悪くなかったけど、シュートを決め切れていなかったので悪い雰囲気になっちゃっている感じがあった。ぼくはいつもどおりのプレーをすればいいと考えていたので、コミュニケーションを取ってミスに過剰に反応しないで、いつもどおりやろうと伝えました。
#0 石崎 巧
前半の悪い時間帯について
チームのオフェンスは上手くいっていて、確率的に点が入っていなかった。そのなかでさらに強みの部分を強調していけたらとおもいました。ピックアンドロールから#45ジャック・クーリーにいい状態で渡せれば点が取れる方法なので、まずはそこを狙っていく意識はあった。
このチームでの役割について
今日のようにチームとして目指している部分がうまくいっているのに結果が出ていないケースで、今まで自分の培った経験からより効率的にチームの結果につながるプレーを提案することが僕の仕事だと思っています。
4シーズン目のキングスや沖縄のブースターについての印象
変わらず快適な環境だと毎日感じています。仲間にしても、試合に駆けつけてくれるブースターにしても、とても自分たちがプレーしやすい環境を作ってくれていると毎日感じている。もちろんチームのメンバーだったりとか頼もしいというところもあるけど、バスケットをさせてくれる会社の尽力あってこそだと感じる場面が多くて、組織としていい集合体だと感じている。
#30 今村 佳太
古巣との試合について
やはりすこしやり辛い部分はあったが、試合が始まったら自分のやるべきことをやると決めていたし、うまくできていたと思う。新潟に勝てたことは嬉しいし、少しでも成長した姿を見せられたと思う。まだまだ自分がめざしている部分には到達していないと思うし、これから伸ばしていけない部分はあると思うので、一喜一憂しないで明日の試合も勝ちたいです。
前半の悪い時間帯について
チームとしてイージーシュートを落としてしまい、うまく乗れない部分があった。なので自分が先陣を切って、プレーで見せようと思ったので、後半入るときから自分がやると決めていましたし、そこが上手くかみ合ったかなと思います。明日は試合の最初からエナジーをぶつけていけたらなと思います。
沖縄での試合について
プレシーズンと異なり、大勢のブースターの前で試合できることはうれしいですし、まだ声を出して応援をできない状況だとはおもうんですけど、そんな中沖縄をプレーで元気にできたら嬉しいし、大切なんじゃないかなと思います。
悪い時間帯でルーズボールに対しての執着心などをみせる場面があった。ハッスルプレーについて
日本一ハードワークをするチームを目指していて、ハッスルプレーやディフェンスなど自分のできる事をしっかりやることがチームの流れを引き寄せることにつながると思っていた。なのでチームの流れを作ってやろうと気持ちでディフェンスやハッスルプレーをしたことが結果につながったと思う。これはやり続けることが大事だと思います。