ファイナルの悔しさを晴らす快勝 琉球ゴールデンキングス vs 宇都宮ブレックス GAME1

(文:湧川太陽、写真:照屋勇人)

ついに開幕したBリーグ2022-23シーズン。2022年10月1日、琉球ゴールデンキングスは、昨季ファイナルで敗れた宇都宮ブレックスと沖縄アリーナで開幕戦を迎えた。

昨季はレギュラーシーズン歴代最高勝率をあげたが、悲願のBリーグ制覇にはあと一歩届かなかったキングス。

キングス、宇都宮ブレックスともに、新戦力の加入はあるが昨季ファイナルを戦った選手とほぼ同じ顔ぶれ。開幕前にキングス桶谷HCは「開幕戦はあくまで長いシーズンの1試合」と語っていたが、キングスは東京体育館のファイナルでの悔しさを忘れていないはずだ。

悔しさを胸に秘めているのは、ファイナルの死闘を沖縄から見守ったファンも同じ。8,022人が詰めかけた沖縄アリーナは昨季ファイナルの雪辱を晴らすファンの思いで充満している。キングスは昨季王者から今季最初の白星を奪えるか。

 

多種多様な攻撃をみせる新生キングス

キングスのスタメンは、#4 コー・フリッピン、#7 アレン・ダーラム、#24 田代直希、#30 今村佳太、#45 ジャック・クーリー 。

宇都宮のスタメンは、#6比江島慎、#9遠藤祐亮、#18鵤誠司、#40ジョシュ・スコット、#42アイザック・フォトゥ。

 

1クォーター、キングスの初得点はフリッピン。昨季ファイナルで大活躍した比江島からスティールすると、そのままファストブレイクで決めた。

キングスはボールに強く圧力をかけ、1クォーターだけで奪ったスティールは6個。キングスはディフェンスで試合の主導権を握る。

オフェンスでも、キングスは宇都宮から先手を取る。キングスは1クォーター冒頭に徹底してアウトサイド攻撃。インサイドからのパスアウトでノーマークを作り3ポイントを放つ。逆に1クォーター終盤は一転してインサイドアタック。ダンカンとクーリーの重量級ラインナップが宇都宮のインサイドを襲う。クォーターの中で多種多様な攻め方をしてくるキングスがリズムを作る。

1クォーターは16 - 10とキングスが6点リードで終える。

 

4ヶ月前のファイナルから続く両者の駆け引き

2クォーター最初のプレイ、宇都宮は鵤の1オン1。昨季ファイナルでキングスのガード陣を苦しめ、岸本を限界まで追い詰めたプレイを選択してくる。しかしマッチアップする岸本は、鵤のパワーに負けず力強くディフェンス。昨季ファイナルの苦い記憶を呼び起こさせたい宇都宮、それに抗うキングス。この試合だけではない、4ヶ月前のファイナルから駆け引きは続いている。

キングスはソリッド(堅い)なディフェンスで宇都宮を苦しめ続ける。2クォーター残り4:45 19−13でオフィシャルタイムアウト。宇都宮のターンオーバーはすでに9つ。宇都宮の佐々HCは絶対にここを修正したいはずだ。

 

だがここからキングスはフリッピンがオフェンスで躍動。スティールから電光石火のファストブレイク、滞空時間の長いジャンプショットと宇都宮ディフェンスから得点を重ねる。

フリッピンは2クォーターだけで8得点の大活躍。35−17とキングスのリードは18点に広がり前半終了。

 

満員のアリーナを熱狂させるフリッピンの『ダンス』

3クォーター、宇都宮が反撃をうかがう。まずは宇都宮のジョシュ・スコットが先制点。さらにキングスはフリッピンが足を痛めてベンチへ。そして3クォーター 残り8:44には田代が3つ目のファウルをしてしまう。

佐々HCは、宇都宮のディフェンスを『待ち』の形に変化。2−3ゾーンディフェンスの形からマンツーマンディフェンスに変化させるチェンジングディフェンス。これも昨季ファイナルで宇都宮が勝利を引き寄せたプレイだ。

キングスのオフェンスに少しの迷いが生じ、宇都宮はそれを見逃さない。キングスのターンオーバーから、宇都宮はジョシュ・スコットがバスケットカウントワンスローを獲得。試合の流れが宇都宮に傾きかけたところで、点差はまだ12点差ながらもキングス桶谷HCが先にタイムアウト。

 

宇都宮の『待ち』のディフェンスに対して、キングスはスペースを広く取り、突破力があるダーラムや今村が直線的にゴールへドライブで攻め込む。ダーラムが宇都宮のマブンガの上から3ポイントシュートを決めると、50 - 30と逆にキングスのリードは20点差に広がる。

桶谷HCが試合後に「アシスタントコーチ陣が昨季ファイナルをよく分析して準備してくれた」と語った通り、ファイナルと同じ失敗は繰り返さない。

 

フリッピンがコートに戻ると、さらにキングスのオフェンスに勢いが増す。フリッピンは自身の得点だけでなく、味方へのアシストも冴え渡る。

3クォーター残り3:44、右サイドから素早くボールをフロントコートに運んだフリッピンは、左コーナーのノーマークを見逃さず、ダーラムの待つローポストではなく、コートを横断するバウンズパスを通して、左コーナーからの松脇の3ポイントをお膳立てする。

フリッピンが踊るようにコートを駆け回り、左右のコーナーにパスを飛ばすと、松脇、小野寺が連続で3ポイントシュートを射抜く。満員の沖縄アリーナがフリッピンの『ダンス』に熱狂する。

 

3クォーター終了時点で、66−36と30点差をつけたキングス。4クォーター試合終盤には新加入のアジア特別枠選手の#42 ジェイ・ワシントンがオフェンスリバウンドからそのまま得点。ファンの声援を受ける。

最終スコアは81−52で、キングスが昨季ファイナルの悔しさを晴らす快勝だった。

試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2022/10/01 琉球 VS 宇都宮 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

 

この日、15得点6アシストとチームを引っ張った『ポイントガード』のフリッピン。試合終了後の記者会見では、「(宇都宮の)ゾーンディフェンスに対して、僕のペネトレイトからコーナーへキックアウトして3ポイントで崩すことが出来た。自分がスコアすべきか、パスすべきかを考えている」と宇都宮の堅いディフェンスを彼自身のパスで崩せた事は自信に繋がったようだ。

 

フリッピンに「ローポストのダーラムが取りそうになったあのパス、凄かったですね」と質問すると、彼は笑いながら「AD (ダーラム)もスコア出来ると思ったけど、マツ(松脇)がコーナーでステイしているのが見えたのでそっちを選択したよ。」と答えた。

フリッピンが笑顔で躍動して開幕戦を勝利したキングス。翌日のGame2も楽しみだ。

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