記者会見 「隆一と達哉のツーガードも考えている」
試合後の記者会見、福井の伊佐ヘッドコーチは敗戦への悔しさを見せた。
「B1トップチームのフィジカル・スピードについていけず特に前半はディフェンスが機能していなかった。キングスに面白いように遊ばれてしまった。点差こそ10点差だが全然ゲームになっていなかった。明日はもっと我々がやりたいバスケットボールが出来る時間帯を増やしたい」
伊佐にとって故郷であり古巣でもあるキングスのホームアリーナに降り立ったのは、この日が初めてだった。
「客席から何試合か見たことはありましたが、初めてコートに立つとやはりテンションが上がるし、お互いのチームを躍動させる素晴らしいアリーナだと感じた」
この日3ポイント2本を含む8得点と存在感を見せた細谷は、2022年当時B1三河の選手としてプレーした以来の沖縄アリーナだった。
「昨季は『B3優勝して当たり前』と言われるプレッシャーを感じながらプレーしていました。色々な経験をしてきた中で再び沖縄アリーナでプレー出来たことは本当に幸せでした。試合前にムーさんが『この沖縄アリーナで指揮を執るのは今日が初』と話したので、今日は僕もチームも絶対に勝ちたいと挑んだので本当に悔しいですが、負けたもののすごく良い経験をさせてもらいました」
勝利したキングスの桶谷大ヘッドコーチは、まずは今季ホームでの初試合に声援を送ったファンに感謝を述べつつ、一歩ずつチームを成長させる過程であると強調した。
「試合なので勝ち負けもあるが『シーズン開幕までにどれだけ成長できるか』をイタリア遠征の時からチームに言い続けている。今日も色々な課題が出たが、それをゲームの中で修正しながら成長につなげたい」
「(伊藤)達哉が後ろからスティールされた場面があったが、ああいう場面ではベンチ含めて全員で声を出さなければいけない。これは僕を含めチームとして目を背けてはいけない場面。声を出してコミュニケーションを取ることはチームにとって大切なことと再認識させられた」
今は様々な選手ラインナップを試している状態だという桶谷ヘッドコーチは、岸本と伊藤の2人のポイントガードを併用する可能性も語った。
「隆一のシュートが当たってきて達哉も良くなってきたらツーガードもあるかもしれない。そこに荒川を入れてスリーガードという布陣も無いとは言い切れないですね」
岸本も、伊藤とのコンビネーションをさらに深めるためにもツーガードの時間帯をもっと増やせるようにしたいと語りつつ、年下が多くなったチームメイトに伸び伸びプレーして欲しいと語った。
「僕と伊藤選手と2人でコートに立つ時間帯をもっと作っていけたらいい。自分が決めることではないが、お互いのパフォーマンスが上がってもっと連携が取れてきたら、そういうオプションも出てくるのかなと思っています」
「みんな伸び伸びやって欲しいかな。僕は一応最年長ですけど、タイプ的にも誰かに指示するタイプでもないので。自分自身も実際に試合で経験を積ませてもらって成長できたと感じているので、成功もあれば失敗もありますし、それを全部に自分の力に変えてくれたらいいなと思います。僕も気を使われる立場になってきちゃったんで、笑顔でヘラヘラしながらみんな頑張ってくれたらなと思います(笑)」
キングス期待のルーキーである脇も、得意のドライブでそのポテンシャルを感じさせた。
「チームメイトからも積極的にシュートやアタックに行くように言われているし、僕のディフェンス面でのミスがあった時もコート外から見てくれているチームメイトからアドバイスをもらったりしています」
「ジャック(クーリー)のスクリーンもしっかりヒットさせられれば自分のドライブも活かせるし、ジャックにポケットパスを落としてシュートさせることも出来る。ジャックからも『自分が行ける時はアタックしろ』と言われているので、コミュニケーションを取りながら連携を深めていきたい」
チームからかかる期待の高さも、脇はしっかり受け止めて成長を誓った。
「色々な人から期待してもらっているのはとても嬉しいです。そこまで重く考えず、ルーキーでもあるし失敗して学んでどんどんチャレンジする気持ちでプレーしています。僕にかかる期待に応えないといけないと思っていますし、やってはいけないミスは抑えつつ、自分のやるべきことを明確に確認しながらシーズン通して頑張っていきたい」
琉球ゴールデンキングスは、9月18日(火)に同じく福井ブローウィンズとプレシーズンゲームを沖縄アリーナで戦う。
(文:湧川太陽、写真:照屋勇人、Hamataro)