2025年7月、琉球ゴールデンキングスの運営会社である沖縄バスケットボール株式会社創立20周年記念パーティーが那覇市内で開催された。藍色にドレスアップされたパーティー会場には、球団関係者やパートナー企業関係者など約100名が集まった。
会場外には球団設立時のポスターやbjリーグ時代の優勝トロフィー、Bリーグ開幕以降の優勝トロフィーなど、キングスの20年間の歴史と成長を物語る品々が展示されていた。
パーティーの冒頭で、7月1日に代表取締役会長に就任した白木 享氏が「琉球ゴールデンキングスは沖縄バスケットボール120年の延長線上にある。沖縄の多くの方々の支えがあってここまで来れました」と感謝を伝え、そして新たに代表取締役社長に就任した仲間 陸人氏をはじめ沖縄バスケットボール株式会社の役員を紹介した。
来賓として出席したBリーグ島田慎二チェアマンは「キングスは数多くのファンそして地域に支えられ、理想的な経営を続けてここまで成長しています。千葉ジェッツ社長時代はキングスが目標でした。」と祝辞を述べた。

Bリーグ 島田慎二チェアマン
パーティー中盤には、安永淳一GMの司会でキングス創設当初から支え続ける沖縄県バスケットボール協会理事の日越延利氏、屋嘉謙呉氏によるトークセッションが行われ、球団創設当初のエピソードやbjリーグ時代の桶谷大ヘッドコーチの話題などで盛り上がった。

左から安永淳一GM、日越延利氏、屋嘉謙呉氏、ドン・パーディー氏

桶谷大HC
パーティー終了後には、仲間 陸人社長が報道陣の取材に応じた。7月1日から新社長に就任した仲間氏は1992年生まれの33歳。那覇市出身で沖縄バスケットボール株式会社にインターン生として入社後、球団運営に深く携わってきた。

仲間陸人 代表取締役社長
「私がキングスに入社した頃は試合会場も各地の体育館を転々とする時代で、その会場一つ一つを満員することからキングスは始まりました。そしてこの20年で、キングスは常にアリーナを満員にするまでに成長しました。キングスを応援してくれるファンの皆様には感謝しかないですし、皆様と共に歩んできた20年間でした」
「キングスは日本のバスケ界を背負ってきた球団で、その重責を担っているからこそアグレッシブに挑戦し続けていきたい。ぜひその姿を見て頂けたらと思っています」とファンのサポートへの感謝と抱負を語った。
「これから各地に新たなアリーナが建ち、キャパシティの面では(沖縄サントリーアリーナより)より大きい会場も生まれてきます。キングスとしては沖縄県内や日本国内だけではなく、アジア圏や海外にもファンがいるクラブを目指していきたい。アリーナのキャパシティを超えてより多くのファンの皆様に見て頂けるような映像コンテンツに力を入れていきたい」
「私が社長になっても、今まで同様にファンの皆様ととともに成長していきたいという気持ちは変わらないので、皆様と作っていくキングスの成長を楽しみにして頂きたいです」
仲間氏は前々社長の木村達郎氏、そして前社長の白木亨氏と共に現場で働いてきた。その姿を見てきて、どんな社長像を描いているのだろうか。
「実は先日、数年ぶりに木村さんにお会いして色々なお話をする機会があり『リクらしく全力でやってこい』と背中を押してもらえました」「白木さんから貰った言葉は『人を大切にしなさい』。白木さん自身が人を大切にする方で、そして会社は何倍にも大きくなりました」「そういった木村さんや白木さんが作ってくれた土台を大切にしながら、私自身は若さを言い訳にせず、よりアグレッシブに戦っていきたい。そういう姿をぜひ見てもらえたらと思います」
最後に、キングスファンにどのように呼んで欲しいか聞いてみた。仲間氏ははにかんだ笑顔でこう答えてくれた。
「どんな風に呼んでいただいてもいいです(笑)。みんなからは『陸人』とか、安永さんからは『りーくー』って呼ばれているので、沖縄っぽく下の名前で呼んでください(笑)」
キングスが積み重ねてきた20年の歴史の大きさと、新たなリーダーと共に更なる挑戦を予感させる一日だった。
(取材:金谷康平、写真・構成:湧川太陽)