沖縄アリーナの『圧』
勝負の4クォーター、両者の白熱した戦いはさらに熱を帯びてくる。
島根の執念のディフェンスにキングスの得点は伸び悩み、島根リードのまま時間が過ぎていく中、#14 岸本は必死で仲間を鼓舞する。
4クォーター残り6:10 ついにキングスは島根をとらえた。今村のシュートが外れたところに小寺の長い腕が伸びオフェンスリバウンドをもぎ取る。そしてファウルを受けつつもそのままリングにねじ込んだ。これで60 – 60の同点さらにバスケットカウントワンスローだ!勢い余って巨体を1回転させた小寺にチームメイトが叫ぶ。
さらに小寺は大事なエンドワンフリースローも決める。なぜここでフリースローが入るんだ小寺ハミルトンゲイリー!
ついに61 -60とキングスが1点リードした。小寺の奮闘に沖縄アリーナの大観衆もがぜん盛り上がってきた。
8,309人が三線の音色に合わせて手を叩き、島根のフリースローには腕を振り足を踏み鳴らして『圧』をかける。
残り3分を切り、島根は#8 リード・トラビス、そしてビュフォードと立て続けにフリースローを失敗。FT% 75%以上を誇る選手たちが、この大事な場面で沖縄アリーナの『圧』に手元を狂わされた。
しかし島根も最後まで諦めない。残り0:52 ここまで3得点に抑えられていた安藤が3ポイントをねじ込んだ。68 – 68と同点にする。
すぐさまキングスはダーラムのフリースローで70 – 68と2点リードにするも、島根は残り0:11 ビュフォードがタフショットを決めきり再度70 – 70と同点に戻す。
4クォーター残り11秒、スコアは70 – 70と同点。ここでキングスはタイムアウト。最後のオフェンスをデザインする。
ここで勝負を決めるシュートを打つのは、今季何度もチームを救う逆転シュートを決めてきた岸本。沖縄アリーナの観客誰もががそう思っていたはずだ。