並里が有言実行、キングスを勝利に導く活躍 CSクォーターファイナルGame1

目次

有言実行、並里が3クォーター躍動

3クォーターは琉球、秋田ともに試合開始と同じ選手でスタート。

互いにリバウンド争い、ディフェンスのインテンシティが高くなる。ここからはルーズボール、50/50ボールへの執着心が勝負を分けそうだ。それは沖縄アリーナのファンも理解している。今村の激しいディフェンスに会場の手拍子が大きくなる。

ターンオーバーから秋田にファストブレイクされそうな場面、フリッピンの豪快なチェイスダウンブロックが決まるも惜しくもファウル。ディフェンスでのハッスルに会場も大盛り上がりだ。

残り7:05 岸本に代えて並里がコートに入る。ここから並里の躍動が始まる。

秋田は1−3−1オールコートからハーフコートマンツーマンに変化するディフェンスで揺さぶる。並里はフリッピンにボール運びを任せて自分は左コーナーに構える。

ショットクロックが残り1秒のなか、並里は左45度から片足で放った3ポイントをネットに沈めた。さらにその直後、並里はディフェンスリバウンドからファストブレイクで自ら持ち込んで得点。

試合後に並里はこの場面を振り返って「常に流れを把握しつつ、あの時間帯はすごく自分の流れかなと思ったので積極的に攻めました。それがチームしても良い方向に行きました」と話してくれた。

レギュラーシーズン最終戦の記者会見で『CSでは必ず自分が仕事をする時間が来る』と語っていた並里。まさに有言実行のプレイに、沖縄アリーナのファンのボルテージが一気に上がる。

[getpost id=”8142″]

 

残り6:20 47 – 35 とキングス12点リードで秋田タイムアウト。

だが並里の躍動が止まらない。残り5:36 踊るようなボール捌きからゴール下のクーリーにバウンズパスを通す。完全に並里がゲームの流れを変えた。

しかしキングスに暗雲が走る。残り3:21 フリッピンがブロックに飛んでその着地時に膝を負傷。気持ちでオフェンスに走るもコートにうずくまりベンチに下がる緊急事態。シーズン中負傷者続出のキングス。ここでフリッピンまで負傷退場してしまうと大ピンチだ。

3クォーターは、55 – 43でキングス12点リード。並里の5得点2アシストが光る3クォーターだった。

 

 

ゾーンディフェンスの『GAP』を割れ!

4クォーター、秋田はまたしても2 – 3ゾーン。キングスは小寺、エバンスがペイントエリアに秋田ディフェンスを引きつけて作ったわずかなゾーンのズレから、岸本が3ポイント成功。

ゾーンディフェンスの攻略のカギは『GAP』つまりゾーン陣形の『隙間』をどう攻めるか。4クォーターはその『隙間』をめぐる攻防になった。

小寺は外国籍ビッグマンにも関わらずゾーンの『隙間』を見つけるのが上手い、秋田からすれば厄介な存在だ。まず秋田はその小寺をコートから追い出そうとする。スピードのミスマッチを狙い、秋田は小寺を狙ってドライブを仕掛ける。キングス桶谷HCはすぐにその狙いを察知、小寺に代えてクーリーを投入。

 

秋田はディフェンスリバウンドを取れるようになり、攻撃にもリズムが出てきた。千葉で優勝を知る男#5 田口 成浩が3ポイント成功、さらに並里を抜き去りクーリーの前でフローターショットと連続得点。

残り7:13 58 – 54。秋田に4点差に迫られキングスがタイムアウト。秋田はCSに滑り込む原動力となったその精神力で何度もカムバックしてくる。素晴らしいチームだ。

 

ここでキングスは3クォーターで負傷退場したフリッピンがコートに戻ってきた。勝負の時間帯。

秋田は2 – 1 – 2オールコートからハーフコート2 – 3ゾーン。クーリーのローポストでゾーンを収縮させて『隙間』を作り出し、最後は今村がトップの位置から3ポイントを決める。重苦しい空気のアリーナが一気に沸いた瞬間だ。

さらに残り5:06、秋田のディフェンスの集中力が途切れ出した瞬間を見逃さずにフリッピンが走る。素早い攻守の切り替えで秋田ディフェンスを置き去りにすると、痛めたヒザに負担のかかるユーロステップを踏みレイアップを決める。試合後フリッピンは「ヒザに痛みは感じていたが、プレーオフは我慢をしなければいけない時期でもある。自分にとっては全然大したことではなかった。」とクールに答えたが、このプレイでキングスは再び勢いに乗った。

 

そして残り3:09、完全に自分のリズムを取り戻した並里が勝負を決めにかかる。秋田の中途半端なディフェンスポジショニングの隙を見逃さずに、電光石火のドライブからレイアップを決める。スコア69 – 58と11点差に広げた。

 

キングスは粘る秋田を振り切り、最終スコア74 – 60と14点差で勝利。大事なCS初戦を取った。雨が降る中駆けつけた5,680人のファンと喜びを分かち合った。

 

敗戦した秋田だが、前田HCは試合後に「74失点自体は悪くない。普通にやれば負ける相手。自分たちが成長しない限り勝てないが、勝機はあると思っています。」と翌日への期待をのぞかせた。

過去キングスはBリーグCSを2連勝で勝ち抜けた事は1度もない。ここで2連勝出来るかどうかが今季のチームを占うと言っていい。Game2は翌日5月14日(土)だ。キングス2連勝なるか。

1 2 3 4

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

地元で開催されるFIBAバスケットボールワールドカップ2023に貢献するべく奮闘中!
趣味はスポーツビジネス関連の研究。note、Twitterもフォローしてくれると喜びます。

目次