5月9日(金)、Bリーグチャンピオンシップ(CS) クォーターファイナルGAME1 琉球ゴールデンキングス vs 島根スサノオマジック が沖縄サントリーアリーナで開催された。
キングスはB1西地区優勝、島根はB1西地区2位の同地区ライバル同士の対戦であり、今季レギュラーシーズンではキングスの1勝3敗で島根が勝ち越していた。
両者がCSで対戦するのは2021-22シーズンCSセミファイナル以来で、その時はドウェイン・エバンス(現:広島)の劇的ブザービーターでGAME2を勝利したキングスが、島根を破り初のBリーグファイナル出場を決めた。
何度も死闘を繰り広げてきたキングスと島根。再び沖アリで雌雄を決する戦いが始まる。
1クォーター
キングスのスターティングメンバーは、#4 ヴィック・ロー、#18 脇 真大、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー、#53 アレックス・カーク。
島根のスターティングメンバーは、#3 安藤 誓哉、#4 ニック・ケイ、#13 津山 尚大、#14 ジェームズ・マイケル・マカドゥ、#33 エヴァンス ルーク。
先制点はキングス。クーリーがマカドゥに激しいプレッシャーを仕掛け、小野寺がパススティール。そのまま速攻で得点。対する島根も津山が3ポイントを決めて反撃。
キングスは試合スタートから全員が激しいディフェンスプレッシャー。そして小野寺が右45度から3ポイント。沖アリはいきなり大歓声が巻き起こる。さらに小野寺は左45度からも2本目の3ポイントを決める。リズムを掴みかけたキングスは脇、ローのドライブでも得点。島根のローポストトラップを逆サイドでパスを回すと、待っていた小野寺はするするとドライブでペイントエリアに侵入して得点。
リズムを掴んだと思われたキングスだったが、津山の3本目の3P、さらにエバンスとケイの3Pが連続で決まり、残り3:27で14-17と島根がリードを奪う。キングス桶谷ヘッドコーチはこの試合最初のタイムアウトを取る。
キングスは伊藤、アルマ、松脇、荒川と一気に4人を入れ替える。島根はディフェンスミスを犯し、ローがゴール下でフリーになっていたアルマにアシスト。しかし島根は津山がドライブから得点。津山は1クォーター残り2分ですでに11得点の活躍。
流れを呼び込みたいキングスはさらにディフェンスのプレッシャーが上がり、松脇がエバンスからオフェンスファウルを誘う。さらに安藤のドライブを伊藤が技ありのスティールでマイボールにする。
1クォーター終了時のスコアは16-19で島根が3点リード。島根は1クォーターだけで5本の3ポイント(5/10)を決めてアウェーでリードを奪った。
2クォーター
キングスは平良のミドルジャンパーで得点で18-19。しかしここから両チーム得点が伸びない時間帯が続く。
島根は北川が一瞬の隙を突きトップから3ポイントを決める。しかしマカドゥのフリースローは沖アリの大ブーイングで落とさせると、ローが得点。さらに島根のトラップディフェンスを冷静なボールムーブメントでかわしたキングスは、ローが左45度から3ポイントを決める。残り7:05で24-24とキングスが同点に追いついた。
キングスは再び素晴らしいプレッシャーディフェンスで沖アリを沸かせるが、津山がこの日4本目の3ポイントを決めて地元沖縄を黙らせる。
残り5分、キングスは小野寺、アルマを投入。スリービッグが素晴らしいディフェンスローテーションをみせるが、安藤が素晴らしいミドルジャンパーを決める。
一進一退の攻防の中、不屈の男 平良彰吾が左45度から3ポイントを打ち切ってリングを射抜く。さらに小野寺の左コーナー3ポイントが外れるも、アルマがその高い跳躍力でプットバックを押し込む。32-31とキングスが1点リードしてオフィシャルタイムアウト。
完全に火がついた沖アリのディフェンスコールに乗って、キングスは全員が素晴らしいディフェンスを見せて24秒バイオレーションを奪う。
一気に畳み掛けたいキングスだったが、島根もゴール下で身体を張りカークのファウルを誘う。さらに島根が途中出場の崎濱秀斗から津山がファウルを奪ってフリースロー。津山はこの時点で16得点。
キングスは粘り強くセカンドチャンス、サードチャンスとオフェンスリバウンドに飛びつくが、島根もディフェンスの集中力が衰えない。お互いのリバウンド争いが激しくなり、選手がヒートアップする。
ローが冷静にミスマッチを見ながらオフェンスを組み立て、小野寺が左45度からこの日3本目の3ポイントを決める。さらにクーリーがオフェンスリバウンドからゴールにねじ込み、残り49秒で38-38と同点。島根がタイムアウトを取る。
島根はキングスの激しいディフェンスをオフェンスリバウンドでつなぎ、最後は安藤がこの日初の3ポイントを射抜く。
2クォーター終了時のスコアは38-41で島根が2点リード。島根は3ポイントが引き続き好調で21本中9本を決める。キングスは島根の3ポイントにプレッシャーをかけつつ、自分たちのバスケを貫き通せるか。
3クォーター
後半になってからも違いの激しいディフェンスは続く。しかしローがショットクロックギリギリで3ポイントを決めると、アーリーオフェンスから小野寺がこの日4本目の3ポイント、さらにクーリーがオフェンスリバウンドから得点と、キングスが自分たちの形で46-41とリードを奪う。キングスは攻撃の手を緩めず、カークがオフェンスリバウンドをねじ込み48-41。残り7:37で島根がタイムアウト。
しかし島根は粘りをみせる。必死のディフェンスとリバウンドでキングスに得点を許さない。そしてこの日チームを牽引する津山の5本目の3ポイントが左45度から決まり、50-46。さらに津山は平良からスティール。またしても4点差以内の2ポゼッションゲームが続いていく。
均衡を破ったのは平良。島根の北川がアンダーをくぐると、3ポイントを射抜き代償を払わせた。さらに平良はこの日3本目の3ポイントを決め、58-50とキングスが再び流れを奪い返す。
アウェーの大歓声の中も島根の集中力は途切れない。この日好調のオフェンスリバウンドからマカドゥが得点して58-54。さらにクラークのドライブにローが3つ目のファウルを犯す。
残り10秒を切り、ローの3ポイントが外れるも、伊藤がオフェンスリバウンドに絡み、最後はクーリーがねじ込んだ。3クォーター終了時のスコアは、60-54でキングス6点リード。
4クォーター
4クォーター、キングス最初の得点は松脇。エルボーからロングジャンパーを決め、さらにバスケットカウントのフリースローも決める。松脇のシュートを待ちわびた沖アリに大歓声が鳴り響く。
沖アリの大歓声は確実に選手を後押しする。キングスは素晴らしいディフェンスから、脇が島根ディフェンス3人をもろともせずドライブで切り込みリバースレイアップを決め切る。残り8分で67-56となり島根がタイムアウト。
この日最大の11点リードにも、島根は誰ひとり下を向かない。ケイがドライブでクーリーからバスケットカウントを奪い点差を詰める。
カークのフックシュート、安藤の技ありドライブが決まるも、お互いのディフェンスがまたしても膠着状況を生む。残り4:56で69-61とキングス8点リードでオフィシャルタイムアウト。
キングスはディフェンスで何度もリズムを取り戻す。全員の激しいプレッシャーの中、津山の3ポイントをカークがブロック。そして平良がドライブで3人を引き付けると、飛び込んできたアルマへのアシストを決める。71-63となり島根が最後のタイムアウトを取る。
残り2分を切り、沖アリもフリースローブーイングも最高潮。マカドゥのフリースローを外させる。しかし島根はローからスティールしてすぐに得点。残り1分半で72-67と5点差に詰める。
徐々に詰め寄る島根。しかしキングスも冷静に試合を進める。カークはチームファウルのフリースローを2本決め、ゴール下ではアルマがブロックショットで島根の得点を阻む。さらに松脇もフリースローを2本しっかり決める。
島根は最後まで諦めず、キングスへフロントコートからトラップを仕掛けてボールを奪おうとする。残り45秒、ファウルを受けた脇はフリースローを1本決め、2本目をミス。島根は安藤がすぐさま得点してファウルゲームに持ち込む。再びファウルを受けた脇はフリースロー2本ミス。だがローがオフェンスリバウンドを確保。的確にボールキープしてゲームを終わらせた。
最終スコアは79-71。キングスが大事なチャンピオンシップ初戦を勝ち取った。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2024-25 2025/05/09 琉球 VS 島根 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
試合後の記者会見