強豪千葉を沖縄アリーナに迎えたキングス 87対99で敗れる 

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東地区2位の千葉ジェッツふなばしをホームに迎えたキングスは、87対99で敗れ2連敗

自分たちのディフェンスを見直さなければいけない

リーグを代表する両者の戦いは立ち上がりから点の取り合いとなる。キングスは#30今村佳太の連続得点、#41キム・ティリの3本のスリーポイントなどで優位に進め一時は8点リードする場面もあったが、千葉もファールで得たフリースローで食らいつくとクオーター終了間際には#31原修太がスリーポイントを決め54対54と同点で前半を終える。後半キングスはそれまで好調だったスリーポイントが決まらず苦しい展開となる。激しいディフェンスから流れを作りたいキングスだったが、ファールトラブルで主導権を掴めず85対99で敗れた。試合後琉球の藤田弘輝HCは「もどかしい試合が続いていますけど、自分たちのディフェンスを見直さなければいけない時期、しっかり選手それぞれも自分自身も自分たちのバスケットボールを見つめなおしてプレーオフへ向けてやっていきたいと思います」と語った。

攻守のキーマンがファールトラブル フリースローで30失点

実際にこの日のゲームでは、4本のスリーポイントを決め14得点とオフェンスで貢献したキム・ティリは、3クオーターで出場してわずか12秒で4つ目のパーソナルファールをコールされベンチに退いた。4クオーターにファールアウトしプレータイムは13分29秒にとどまった。#88牧隼利も3クオーター最初のプレーで4つ目のファールを犯しプレータイムが制限された。ファールトラブルによって試合を組み立てられなかったことは、チャンピオンシップへ向けてはいい教訓になったと言えるのではないだろうか。

シーズンを通じてインテンシティを高く『プレイハード』を掲げてきたキングスにとってはチームファールが増えることはある程度想定される。「そんなんで吹かれるの?」というような厳しい判定も数多くあったが、フリースローで30失点(試投35本)を許してしまっては流れを掴むのは難しい。それに対して藤田HCは「改善できるファールもあると思いますし、そこは冷静になって分析してチームで対応していきたいと思います」と語った。

 

琉球ゴールデンキングス 沖縄アリーナ:3350人 千葉ジェッツふなばし
87 TOTAL 99
24 1Q 26
30 2Q 28
16 3Q 22
17 4Q 23

琉球ゴールデンキングス38勝13敗。次節は5月1日(土)2日(日)にアウェイで名古屋と対戦する。千葉ジェッツとは5月5日(水)に沖縄アリーナで再度対戦する。

 

4本のスリーポイントで存在感を発揮した#41キム・ティリ。CSでは勝負所にコート上にいてもらいたい。

細かい部分の修正が必要と語る田代。細部に宿る勝負の分かれ目は精神的な部分でもある。

キャプテン田代 ダメな部分が出れば出るほど僕たちにとってはプラス

「僕たちにとって負けることは良い薬だと思っています。シーズン中も何度も負けて、その次の試合はやり返してきたということもありました。これまでは勝ってこれてしまっていたので、ある程度の僕たちの力を発揮できていればこれまでは勝ててきた。ただ千葉のような強豪に勝つためにはもうひとつ上に行かないといけないとみんなが痛感していると思う。これぐらいのレベルではCSは勝てない、東のトップとは戦えないということを試合をしたことで体に刻まれたと思うので、僕たちにとってはすごいプラス。ダメな部分はいっぱい出たんですけど、ダメな部分がいっぱい出れば出るほど僕たちにとってはプラスになるので、悲観はしていないです」

 

今はどれだけ負けてもいい。チャンピオンシップで6勝すれば

地区優勝を決め、ホームコートアドバンテージを獲得したキングスにとっては、レギュラーシーズン残りの試合はある意味で『負けられる』状況だ。実はそれが一番難しい状況なのかもしれない。順位が確定していない相手は負けられない状況だし、バスケットボールはそんなに簡単なスポーツではないのだから。結果は手にしているのだから、目先の勝ち星以上に大切なことはある。それは身体的また精神的なコンディショニングだろう。課題や不安要素というを抱えたままチャンピオンシップに突入してもかまわない。『危機感』という最大の武器をもってチャンピオンシップに臨めるのであれば。

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この記事を書いた人

1983年11月5日生。東京都豊島区出身。那覇市在住。母が那覇市出身で2015年に沖縄移住。沖縄バスケットボール情報誌OUTNUMBERゼネラルマネージャー。
中学2年生のウインターカップ(1997年)で、当時圧倒的な強さを誇っていた能代工業を追い詰める北谷高校の勇敢な戦いぶりに衝撃を受け、以来沖縄のバスケットボールを追いかけるようになる。野球やサッカーに並ぶように、バスケットボールのジャーナリズムを発展させていくことを目指し、2018年10月にOUTNUMBERを創刊した。
2020年にはOUTNUMBER WEB、OUTNUMBER YOUTUBEを運用開始した。

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