4月10日(水)、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(同地区2位)と対戦した。
オールスター明けの1月17日にキングスは敵地・名古屋で終了間際に須田に逆転3ポイントを決められ敗戦(琉球 75-77 名古屋D)。チャンピオンシップセミファイナルのホーム開催権(全体2位以内)を目指すキングスにとっては負けられない一戦だ。しかしキングスは大黒柱のジャック・クーリーが、前戦の千葉ジェッツ戦GAME2でテクニカルファウル2回を犯して、この日の試合は出場停止処分となってしまっていた。
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キングスのスターティングメンバーは、#4ヴィック・ロー、#7 アレン・ダーラム、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#34 小野寺 祥太。
立ち上がりペースを掴んだのはキングス。ジャンプボールを務めたヴィック・ローのティップから最初のポゼッションを得ると、岸本のドライブにダーラムに合わせてキングスが先制。さらに今村の2本の3ポイント、岸本の3ポイントなどで15-7とリードする。
対する名古屋Dも佐藤の3ポイント、須田のドライブなどで15-16と逆転に成功。
その後は点の取り合いの様相をみせる。岸本の巧みなスタップインからレイアップとさらにカークのダンクをアシストなどで再逆転、21-20でキングス1点リードで1クォーターを終了。
2Q、名古屋Dがインサイドを突きやや優勢に試合を展開。ディフェンスではゾーンを主体に、キングスを惑わすような試合巧者ぶりが目立った。キングスはボールムーブが停滞しターンオーバーが増えた。それでもこの日絶好調の今村が、嫌な流れを払拭する。この試合早くも12点目となるレイアップや岸本のバスケットカウント、さらにカークの両手ダンクで同点とする。終了間際にエサトンがシュートを決め36-40とキングスは4点ビハインドでハーフタイムへ。
3Qは、ヴィック・ローの2本のショートレンジからのシュートでキングスが同点とする。突きはなしにかかる名古屋Dに対し、キングスは岸本の3ポイント、カークからローへのアリウープ、今村のミドルジャンパーで食らいつく。どちらも譲らない展開の中で、終了間際に齋藤が3ポイントを沈め違いを生んだ。56-61で名古屋Dが5点リードに広げて最終クォーターへ。
4Qスタートで荒川が入り、牧、松脇の97年トリオで反撃を試みる。牧の3ポイントで会場のボルテージが一段と高まる。しかし名古屋Dは齋藤のフローター、パークスの3ポイントで逆に6点差にリードを広げる。キングスは『スリービッグ』のラインナップにするも、須田に3ポイントを決められこの試合最大の9点差とされ、たまらずタイムアウト。
残り6分23秒で岸本がコートに戻る。キングスはショートレンジから牧、ダーラムがシュートを決めると、名古屋Dは伊藤、エサトンがやり返す。残り4分37秒、今村がトップから3ポイントを決める。さらにオフェンスリバウンドからゴール下を沈めると、ダーラムがコーストトゥコーストでレイアップで残り3分27秒で71-75と4点差とした。タイムアウト明け、名古屋Dは齋藤のレイアップでリードを広げるも、キングスはローのスティールとブロックショット、岸本のバスケットカウントとなるレイアップが決まり残り1分43秒で74-77と迫る。しかし、勝負所でここでも名古屋Dは齋藤が巧みにゲームをコントロールし、キングスはなかなか追いつくことができない。
敗色ムードに包まれた沖縄アリーナだが、エース今村佳太の特別な時間が幕を開けた。コート上にペイントされたヤシの木付近からシュートを沈め、残り8秒で80-83。名古屋Dのスローインからのパスが繋がらず、キングスボールに。齋藤のマークを振り切った今村がコーナーから3ポイントを沈め83-83の同点に。勝敗はオーバータイムへ持ち越された。
オーバータイムの歓喜に包まれている沖縄アリーナで、名古屋Dは冷静にゲームコントロール。最後はOT残り6秒で、須田が値千金の3ポイントを沈め95-98で逃げ切った。
名古屋Dの齋藤は18得点12アシストとキングスを翻弄した。敗れはしたが今村は自己最多タイの7本の3ポイント、キャリアハイの33得点の記録を残した。
試合スタッツ:Bリーグ 2023-24 B1リーグ戦 2024/04/10 琉球 VS 名古屋D | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
試合後 記者会見
キングス 桶谷大ヘッドコーチ
最後オーバータイムまで持っていったまでは、よく粘りながら我慢強くやったと思う反面、上位を争ってるチーム同士の戦いでホームで負けたのはやはり悔しいです。
ジャック(・クーリー)不在の中でどう戦うか、皆がオフェンスもディフェンスも遂行しようとしてくれていたが、簡単な3ポイントシュートを打たれる場面が所々であった。そこはもう一度修正しないといけない。名古屋さんは勝つ試合では3ポイント11本成功で、負ける試合は9本。なので9本以内に抑えたかったんですが、そこを抑えらなかった。4クォーター終了時点で83点取られてしまったのでここももう一度修正する。いいゲームはした。とはいえ、課題は課題として見つめ直したい。
その中でも、こういうゲームやとちょっと離れそうになったら一気に離されてしまう事が多かった今シーズンだったんですけど、粘り強く戦えるようになってきたかなとは思う。残りあと9試合あるので、試合の中でしっかり成長できるようにチャレンジしていきたい。
—— 名古屋Dとの今季対戦はこれで2連敗。今日の試合も全てのクォーターで20失点以上。名古屋Dの攻撃を止めるポイントが見つけられなかったのか?
桶谷HC. (名古屋Dの)ゲームプランにやられてるっていう感じでもなかった。前半は逆に自分たちのゲームプランを遂行できてないというか、そんなやられ方しちゃうのかというのは前半何個かあった。本来やったら40失点ではなく34失点くらいに抑えられた。そういうエラーはチームとしてあるかなと思ってはいたが、ただやはりそれを無くしていかないといけない。
ただ今日は(評価が)難しいですよね。良いゲームやったという風にも思うし、CSに入る前にミスを無くすことも重要だとも思う。ただし、悲観してチームに統一感がなくなったりすることが嫌なので、今はチームが一体になりながら、でもやっぱりそういうミスを無くしていこうっていう風に持っていきたい。
—— クーリー不在の中での、アレン・ダーラムとヴィック・ローの評価は?
名古屋Dの大きい相手にかなり身体を張って頑張ってくれました。ちょっとターンオーバーが多かったですけど、負担がかかってた中でプレイしてくれていた。2人とも35分以上出場して身体を張ってプレーしてくれた。