2月5日、琉球ゴールデンキングスは三遠ネオフェニックスと沖縄アリーナで対戦した。
キングスは前節まで15連勝。この2連戦を勝利すれば、B1リーグの最多連勝記録に並ぶ。
三遠には、元キングスで県出身の#32 山内盛久選手、#26 津山尚大選手が所属しており、そういった経緯もあって非常に注目度の高い試合となった。
高い攻撃力を見せつけ、2試合連続の100点ゲームで勝利
ティップオフ、最初の得点を決めたのは#3 並里成。コーナー付近から3Pシュートを決める。
さらに#7 アレン・ダーラムがファストブレイクから連続で得点を奪い、良い立ち上がりを見せる。
一方の三遠は、#14 松脇 圭志と#0 サーディ・ラベナが3Pシュートを連続でゴールに沈め、キングスに追いすがる。
#45ジャック・クーリーが積極的にインサイドを攻め、得点のチャンスを生み出す。
#32 山内、#26 津山がベンチから出てくると会場からは拍手が起こる。応えるかのように津山が連続でカットインからのシュートを決める。
三遠はゾーンディフェンスでキングスのインサイドを封じ込めようとする。
しかし、#13 ドウェイン・エバンスや#4 コー・フリッピンの3Pシュートや、ディフェンスのズレを突いた#2 小寺ハミルトンゲイリーからのパスを受けた#34 小野寺 祥太がシュートが決まり、リードを保ち続ける。
互いに得点を奪い合う展開が続き、26-21で1クォーター終了。
2クォーターが始まると、#3 並里 がコートに戻り、この日2本目のスリーポイントシュートを決め、アリーナを盛り上げる。
キングスは#45 クーリーと#7 ダーラムがインサイドで徹底的に攻め続け、シュートをねじ込んでいく。
三遠は#4 ロバート・カーター が高確率でシュートを決め、チームをけん引する。
オフィシャルタイムアウト後、#13 ドウェイン・エバンスがコートへ。#4 カーターにエバンスがタイトなディフェンスを仕掛けるが、シュートを落とさない。このクォーターだけで12得点決める。
それでもコーのスティールからのダンクや、インサイド陣がシュートを決めつづけ、流れを渡さずにじりじりと点差を離していく。53-41で前半終了。
3クォーター、キングスは#3 並里 がゲームをコントロールする。開始直後、3本目の3Pを決め、さらに積極的にペイントアタックし、得点チャンスを生み出していく。
#7 ダーラムや#13 エバンスがシュートにリバウンドで活躍し、インサイドを支配する。
対する三遠は#20 エリアス・ハリスがキングスのゴールを攻め続ける。このクォーターでも#4 カーターが点を伸ばし、三遠が追い上げをはかる。
一進一退の展開が続き、僅かにリードを広げ最終クォーターへ。
第4クォーター、攻撃と守備のギアを上げたキングスは、一気に突き放しにかかる。
三遠の得点を約2分半0点に抑え、トランジションオフェンスとインサイドアタックで差を広げていく。#45ジャック・クーリーと#7 アレン・ダーラムの連続ダンクが決まり、アリーナがヒートアップする。
ベンチから出てきたプレイヤーも最後まで集中力を切らさずにプレーし、三遠に勝利した。
試合のMVPには11得点、10アシストのダブルダブルを達成した#3 並里 成が選ばれた。
「隆一に今シーズンすごい助けられた部分があって、エースとしてチームを引っ張ってくれてたので、本当にその穴を埋めるためにいい緊張状態で試合に入れたと思っています。」
「MVPは11アシストがあったからだとは思うんだけど、アシストは仲間が決めてくれないと成り立たない。なので本当にそこはみんなに感謝したいです。」
と試合後に#3 並里 は試合を振り返った。
#14 岸本 隆一が不在ながらも、2試合連続でベンチ入りメンバー全員が得点し層の厚さを見せつけたキングス。
さらに#7 アレン・ダーラム、#13 ドウェイン・エバンス、#45ジャック・クーリーの3選手が20得点以上決め、今季最多の110得点での勝利となった。
三遠は#4 カーター選手が両チームトップの32得点。
「キングスの選手にミスがあったわけではなく、カーター選手がリスペクトできるプレーをしていた。」と桶谷HCはコメント。
「三遠はチームの雰囲気が良く、離されそうになっても粘り強く戦っている印象でした。清水HC代行のコーチングが浸透したらチームは変わると思います。」と桶谷HCは評する。
4月6日に再び沖縄アリーナで三遠ネオフェニックスと対戦する。その時には名前のごとく「不死鳥」のように力強く蘇った姿をみせるかもしれない。
KINGS FAMILY
今節、#32 山内選手は沖縄アリーナ仕様のバッシュを着用していた。
沖縄を意識したミンサーやゴーディーがデザインされ、右足には、#3 並里 、#14 岸本 、#32 山内、元キングスの新城真司氏の#40、左足には「KINGS FAMILY」とキングスに縁のある選手のナンバーがデザインされている。
また翌日2月6日のGAME2後、桶谷HCは以下のように語った。
「今日も大勢のファンの皆さんの前でバスケができたことを感謝しています。ありがとうございます。
前半ちょっと重たい展開になって、自分たちのプラン通りにはできなかったんですけど、三遠にいる盛久と尚大が意地を見せた試合展開でした。
彼らは沖縄出身でキングスに絶対負けたくないっていう気持ちでやっていると思います。そういう激しいゲームを沖縄で展開できること、ほんとにバスケットって面白いなって僕自身思いながら指揮していました。
もちろん勝つことは大事なんですが、こうやって人の繋がりがバスケットを通してドンドン出来上がっていくことも僕がバスケットをやっている意味になっています。
これからもこういう繋がりを大切にしながらキングスを盛り上げていこうと思いますので、ぜひ皆さんも会場に足を運んでキングス同様沖縄の選手を盛り上げてください。」
山内選手も桶谷HCもバスケを通して、沖縄やキングスと強い繋がりを築いてきた。
もちろんこの2人だけでない。欠場した#14 岸本 隆一の穴を埋め、勝利に導いた#3 並里 成、試合後のインタビューで一所懸命に日本語で思いを伝えようとする#13 ドウェイン・エバンス、そして今までキングスに関わったすべての選手、スタッフ、ブースターなども同様に強い絆を紡いできた。
KINGS FAMILYの強い繋がりを感じることができた2試合だった。