琉球ゴールデンキングス公式練習試合レポート 第2戦は琉球が雪辱

琉球 渋谷
83 76
23 1Q 9
22 2Q 20
16 3Q 23
22 4Q 24

 

目次

キングスらしさ随所に、サンロッカーズ渋谷との公式練習試合は1勝1敗

琉球ゴールデンキングスは21日にサンロッカーズ渋谷との公開練習試合第2戦を行い、83対76で勝利を収めた。『オフェンスでどのような終わり方をしても、次のディフェンスにしっかりと集中して40分間ハードに戦えるような収穫のある試合にしたい』と前日の敗戦後に藤田弘輝ヘッドコーチが述べた言葉を、チーム全員で体現した戦いぶりは、開幕へむけての好材料となったはずだ。この度の公開練習試合は、来年5月まで続く長いシーズンを戦っていくための調整に重きを置いている面もあり、新外国人選手の合流の見通しが立たず、チームの約束事など細部を詰めていくことは難しい。そのような状況でも、新戦力の#30今村佳太や大黒柱#45ジャック・クーリーの活躍、#3並里成のゲームメイクやアシストなど、随所にキングスらしさが見られたことはポジティブに捉えていいだろう。

1Q  琉球 23 – 9 渋谷

ティップオフ直後、渋谷はエレベーターセットから#27石井講祐が3ポイントを決め、幸先よく先制する。対する琉球はインサイドのクーリーにボールを収め、シュートファールを誘いフリースローで最初の得点を決める。ともにデザインされたオフェンスで加点し、前日に続き点の取り合いになるのかと思われたが、強度のある琉球ディフェンスの前に、渋谷のショットはことごとくリングに嫌われる。対照的に琉球は今村が2本の3ポイントを含む11得点とシュートを次々と成功させた。

2Q 琉球 22-20 渋谷

1Qの流れのままに琉球がディフェンスの強度を保ち、オフェンスでは#42ジェイソン・ウォッシュバーンがゴール下で奮闘する。渋谷はファールで得たフリースローを決めきれず、13-32と19点差に拡がる。タイムアウト後に激しさを増した渋谷ディフェンス、石井のスティールから#9ベンドラメの速攻が決まると、続けざまに5秒オーバーを奪い、流れが渋谷に傾きかける。さらに#10チャールズ・ジャクソンの連続得点で19-32まで点差を縮める。オフィシャルタイムアウト後は両チームともにテンポよく得点を重ねるも、終了間際に今村佳太が3本目の3ポイントを決め、45-29と琉球が16点リードして前半を折り返した。

3Q 琉球 16-23 渋谷

後半も琉球はディフェンスの強度を保ち、渋谷はシュートの精度に苦しむ。ウォッシュバーンのインサイド、今村の3ポイント、並里成の速攻、クーリーのダンクなど、多彩な攻撃で琉球が得点を重ね、58-35とこの試合最大23点差に拡げる。しかしここから渋谷が怒涛の追い上げをみせる。盛實が2本の3ポイントを含む8得点、ベンドラメの3ポイント、#25ムッサ・ダマのダンクなどで15-0ランで一気に6点差に。クォーター終了のブザーとともに岸本の3ポイントが決まり、61-52で最終クォーターへ。

4Q 琉球 22-24 渋谷

渋谷は#32山内盛久が積極的に仕掛け、岸本、並里から立て続けにファールを誘う。山内のフリースロー、石井、ジャクソン、広瀬が続き60-61と1点差まで迫る。嫌な流れを断ち切りたい琉球は今村がファールを受けながらも技ありのフローターを決める。このビッグショットが琉球に勝負所での流れをもたらし、岸本の3ポイントやクーリー、ウォッシュバーンがインサイドで得点を加えた。最終的に83-76で、公式練習試合の第2戦は琉球が勝利した。

3ポイント4本を含む25得点の#30今村佳太

#32山内盛久と#14岸本隆一のマッチアップ

レイアップを決める#24田代直希

力強く華麗にチームを牽引した#3並里成

 

公式練習試合を経て、シーズンを通じて成長していく両チームから目が離せない

強豪ひしめく東地区で、今季はどんな戦いぶりをみせるのか

伊佐勉ヘッドコーチ(サンロッカーズ渋谷)

プレーできる選手が限られた中で、結果的にはクロスゲームになりましたが、ゲームの入り方が昨日と同じで悪かった。ディフェンスはそこまで悪くなかったと思いますけど、オフェンスであれだけレイアップを外してしまったらキングスには勝てない。クォーターを追うごとに自分たちのディフェンスの激しさを出すことが出来、自分たちの時間帯になってきた。スマートにできた部分、去年なかったもの、これから積み上げていかないといけない部分はチームで確認できたので、それらはいいサインだったと思います。

 

ベンチワークも新シーズンのみどころだ。

藤田弘輝ヘッドコーチ(琉球ゴールデンキングス)

このような状況の中で試合が出来て、内容的に改善すべきところはありますが、ハードにプレーできた80分を見せられてよかったと思います。外国人選手の合流が遅れて、けが人もいて、5対5の練習がずっと出来ていなかったので、(選手たちの)ゲーム勘がまだ完全じゃないので、そこは(開幕までの)残り2週間で改善したいです。

 

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この記事を書いた人

1983年11月5日生。東京都豊島区出身。那覇市在住。母が那覇市出身で2015年に沖縄移住。沖縄バスケットボール情報誌OUTNUMBERゼネラルマネージャー。
中学2年生のウインターカップ(1997年)で、当時圧倒的な強さを誇っていた能代工業を追い詰める北谷高校の勇敢な戦いぶりに衝撃を受け、以来沖縄のバスケットボールを追いかけるようになる。野球やサッカーに並ぶように、バスケットボールのジャーナリズムを発展させていくことを目指し、2018年10月にOUTNUMBERを創刊した。
2020年にはOUTNUMBER WEB、OUTNUMBER YOUTUBEを運用開始した。

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