5月10日(土)、Bリーグチャンピオンシップ(CS) クォーターファイナルGAME2 琉球ゴールデンキングス vs 島根スサノオマジック が沖縄サントリーアリーナで開催された。
前日のGAME1を79-71で勝利したキングス。ベンチから出場した平良彰吾が13得点の活躍でチームに勢いを与え、大事なCS初戦を掴み取った。
キングスはこの日のGAME2に勝利すれば7度目のCSセミファイナル進出が決まる。対する島根もここで負けるわけにはいかない。GAME1に9得点に終わった安藤誓哉がこのまま黙って終わるはずが無い。キングス桶谷大ヘッドコーチも「いかに安藤をリズムに乗せないか」を重要視していた。
キングスがCSセミファイナル進出一番乗りを決めるか。島根が意地を見せてGAME3に持ち込むか。沖縄サントリーアリーナには雨にも関わらず続々と観客が詰めかけていた。
1クォーター
キングスのスターティングメンバーは、#4 ヴィック・ロー、#18 脇 真大、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー、#53 アレックス・カーク。
島根のスターティングメンバーは、#3 安藤 誓哉、#4 ニック・ケイ、#13 津山 尚大、#14 ジェームズ・マイケル・マカドゥ、#33 エヴァンス ルーク。
先制点はキングス。脇が津山の上からシュートを決める。対する島根も安藤が小野寺の厳しいディフェンスをかいくぐり最初の得点を決める。
ローのプットバックダンク、さらに脇のファストブレイクが決まり、沖アリは早くも盛り上がりを見せる。ローの美しいターンアラウンドジャンパーが決まり、8-4とキングスが最初の流れを掴む。さらにキングスはリバウンド争いからクーリーがマカドゥの2つ目のファウルを奪い、直後にローが3ポイントを決めて11-4。残り5:58で島根にタイムアウトを強いる。
キングスの時間帯は続く。カークのローポストシュート、さらにローのパスからカークのアリウープ、小野寺のフローターシュートと高確率でシュートを決め続ける。
脇が力強いファストブレイクからエバンスのファウルを誘い、松脇もフロントコートからそのままドリブルでペイントエリアに侵入して北川からファウルを奪う。さらには伊藤もフロントコートからドライブでペイントエリアに侵入してレイアップを決める。
速い展開から完全にリズムを掴んだキングス。ゴール下の争いの中でマカドゥが早くも3つ目のファウルを犯し、島根は厳しい状況に追い込まれた。しかし北川がルーズボールに飛び込みボールへの執念を見せる。そして島根は終了間際、ロングパスからケイが3ポイントを決める。
1クォーター終了時のスコアは、25-18とキングスが7点リード。キングスが圧倒している雰囲気の中、1ケタ得点差に抑えた島根の粘りは見逃せない展開だった。
2クォーター
1クォーターに粘りを見せた島根が反撃に転じる。晴山ケビンの3ポイント、クラークのレイアップで25-23と点差を埋めてきた。キングスがタイムアウトを取るも、晴山がドライビングレイアップで25-25の同点となる。
キングスはローが3ポイントを決めるも、津山のドライブで伊藤が2つ目のファウルを取られてしまう。晴山は再び3ポイントを決め、28-28と再び同点。
重苦しい展開のキングスだったが、小野寺のルーズボールダイブそしてディフェンスでターンオーバーを奪って流れを変えようとする。
ローがアンスポーツライクファウルを取られるも、直後のプレーで再び脇が力強いランニングプレーを見せ、最後はローがプットバックを押し込む。残り4:50のオフィシャルタイムアウトで32-32の同点。
タイムアウト明けに島根が仕掛ける。2−2−1プレスの陣形からハーフコート3−2ゾーンを敷きキングスのターンオーバーを誘う。島根はルーズボールにも全員が集中。50/50のボールをマイボールにすると、キングスの隙を突きファストブレイクで得点。32-34と島根が逆転。キングスは再びタイムアウトを取らされる。ここまで島根はチームファウルが0という集中力をみせる。
タイムアウトあけにカークのポストプレーで得点して34-34。だが島根はクラークがローから奪った3ポイントファウルのフリースローを2本決めて34-36。
島根に流れがいきかけたが、キングスはディフェンスで全員がクローズアウトに走る必死のディフェンス。ディフェンスリバウンドを死守すると、アーリーオフェンスからローが3ポイントを決めて37-36。キングスが半歩前に出た。
キングスはアルマ、そして小野寺の3ポイントで43-40。しかしシュート好調のクラークにまたも3ポイントファウルを取られる。沖アリの大ブーイングの中、クラークは3本フリースローを決めて43-43の同点。
残り7秒、ボールと託されたローがケイから3ポイントファウルを奪う。ローは3本全てフリースローを決めるが、残り3秒でケイがレイアップを決める。
2クォーター終了時のスコアは、46-45でキングスがわずか1点リード。島根は完全アウェーのなかでキングスをじわりじわり追い詰めていく。
3クォーター
開始2分間、互いに得点を決められない中、ローがオフェンスファウルで3つ目のファウルを取られる。島根は津山がドライブから脇のファウルを受け、フリースローを2本決めて46-47。島根が再び前に出る。
島根のディフェンスがキングスのオフェンスを惑わせ、なかなかシュートを決めきれない。そんな中キングスはカークがケイから3つ目のファウルを奪う。この時点で島根のファウルトラブルはケイ、マカドゥが3つ、エバンスが2つとインサイド陣にファウルがかさんできた。
インサイドにボール集めるキングス。カークがエバンスの上からフックシュートを決めて50-47。だがキングスもファウルトラブル。平良、伊藤がともに3ファウル。さらにクーリーがマカドゥと交錯してオフェンスファウルを奪われる。
互いにファウルを奪い合うメンタルゲームの様相。だがキングスは小野寺が自慢のディフェンスでオフェンスファウルを奪うと、アルマが左コーナーから3ポイントを決めて53-47。さらに小野寺がクラークのドライブに身体を張ってスティール。島根のアンスポーツライクファウルを誘う。重苦しい展開を見守っていたキングスブースターの歓声に再び火が点いた。
アルマは2本フリースローを決め、島根のディフェンスの穴を突きカークがトップオブザキーからフックシュート。さらにキングスは粘り強いボール回しからアルマが左45度で3ポイントを決め、60-47と13点差をつけ、沖アリは大歓声を取り戻した。アリーナの熱に乗せられ再びキングスが蘇る。カークのゴール下での得点、アルマのスティールでマイボールとする。残り2:01で62-47となり島根がタイムアウト。島根はこの8分間で2得点。
タイムアウトあけもキングスの勢いは続く。伊藤のジャンパーが決まり64-47と最大17点差。
残り25秒、キングスはウィタカ ケンタをコートに送り出す。島根はコミュニケーションミスから松脇にオフェンスファウルを与えてしまう。
3クォーター終了時のスコアは、66-50とキングスが16点リード。島根はこのクォーターわずか5得点。
4クォーター
伊藤のロングパスからアルマがダンクを決める。最高の立ち上がりとなったキングス。しかし島根も晴山がプルアップジャンパー、そしてこの日3本目となる3ポイントで68-65。残り8:40でキングスがタイムアウト。
キングスはアルマのフックシュート、そしてローが左コーナーから3ポイントを決め、73−55とこの日最大の18点リード。ディフェンスでも平良がその脚力でスクリーンを突き破り、ローが体勢を崩しながらジャンパーを決めてバスケットカウント。78-58と20点差にまで広げる。
完全に息を吹き返したキングスディフェンス。全員がボールに集中して24秒バイオレーションを奪う。残り4:51で78-63でオフィシャルタイムアウト。
キングスはカークのフックシュート、ローのミドルジャンパーが決まり、ディフェンスでも小野寺を中心にボールを追い続ける。
残り3分を切り、キングスはローが的確にゲームコントロール。無理に攻めることをせず、時間を使いながら勝利へのカウントダウンを始める。
最終スコアは88-70。琉球ゴールデンキングスがホームの大歓声を受けながら、7度目のCSセミファイナル進出を決めた。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2024-25 2025/05/10 琉球 VS 島根 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
試合後会見
島根 ポール・ヘナレHC
「ロッカールームで選手スタッフ達にこの4年間の感謝の言葉を伝えました。4年間は素晴らしい時間で、島根に多くのことをもたらす事ができたと思うし、コミュニティの支援も素晴らしかった。」
「4年間で3回チャンピオンシップに出場できた事で、組織として一つ上の基準に成長出来たと思うし、我々に対する期待値も高まったと感じています。私はそのプロセスの一部になれた事を誇りに思います。ここから先、チャンピオンシップを常に争うための基盤になる事を願っています」
「安藤誓哉は4年間素晴らしい働きをしてくれた。彼はクラブを高いレベルに引き上げてくれた。そして白濱僚祐や北川弘など4年間このチームで頑張ってきてくれた皆が、このクラブを組織として築き上げるために貢献してくれました」