(写真提供:琉球ゴールデンキングス)
2023年1月29日(日)、群馬クレインサンダーズvs琉球ゴールデンキングスGAME2が群馬県太田市運動公園市民体育館で開催された。
前日のGAME1は、74-83とキングスが9点差で勝利。1クォーターだけでチームで6本の3ポイントを成功させたキングスが、前半の点差をいかして勝利した試合だった。
ホームで連敗を避けたい群馬だが、得点源の#4 トレイ・ジョーンズがコンディション不良のためこのGAME2を欠場。厳しい状況の群馬だが、古巣との対戦に燃える並里成がこのままで終わるとは思えない。
『Xファクター』ハーパー ジャン ジュニアの活躍で群馬がリード
キングスのスターティングメンバーは、#1 ジョシュ・ダンカン、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#45 ジャック・クーリー、#88 牧 隼利。
群馬のスターティングメンバーは、#3 マイケル・パーカー、#8 八村 阿蓮、#16 並里 成、#25 ケーレブ・ターズースキー、#30 山崎 稜。
試合序盤、キングスはスタメン2試合目となった牧がボールをコントロールしつつゴールにもアタック。牧は1クォーターだけで7得点。だが群馬も負けていない。得点した選手が5人とチーム全員のハードワークでジョーンズの不在をカバーする。1クォーターは13-17とキングス4点リードで終了。
2クォーター、キングスにとって予期せぬ選手が活躍を見せる。群馬に特別指定選手として加入した#0 ハーパー ジャン ジュニアだ。ハーパーは2クォーター最初からコートに立つと、スティールして自らドリブルでファストブレイクをリード。さらにハーパーは並里のアシストから3ポイントを2本連続で決める。
沖縄県出身であり、福岡第一高校3年時はキングスに特別指定選手として在籍したハーパーの活躍は、群馬を勢いづけた。試合後にキングス桶谷HCも「(ハーパーの活躍は)僕らにとっての『Xファクター』だった」と語ったように、予期せぬ選手の活躍によって、2クォーター終了時のスコアは、35-30と群馬が5点リードと逆転した。
小野寺のディフェンスでキングス逆転勝利
3クォーター、群馬はさらに勢いづく。並里がピックアンドロールからペリメーターシュートを次々と決める。並里は3クォーターだけで9得点。群馬は八村 阿蓮も貴重なオフェンスリバウンドを2本奪うなど、チーム全体のリズムが良くなってきた。キングスは今村が2本の3ポイントを決めて何とか食い下がるが、3クォーター終了時のスコアは58-48と群馬のリードが10点に拡がってしまった。
4クォーター、10点のビハインドを追うキングスだったが、#34 小野寺 祥太のディフェンス魂がチームを救う。
小野寺は4クォーター残り9:09にコートに入ると、元チームメイトである並里にマッチアップ。得意のディフェンスで並里に簡単にシュートを打たせない。
スターターでもベンチスタートでも、自分の仕事であるディフェンスを全力で遂行する小野寺。彼の姿勢にキングスはチームディフェンスを取り戻す。キングスは4クォーターの群馬のフィールドゴールをわずか3本に抑えた。我慢して我慢して、少しずつ点差を縮めるキングス。
そして4クォーター残り7秒、キングスはダーラムのレイアップシュートで、スコア70-70と同点に追いつきオーバータイムに突入。
オーバータイムでは小野寺の3ポイントシュート、さらにファストブレイクから今村のレイアップとキングスが連続得点。オーバータイムで自分たちのリズムを取り戻したキングスが、最終スコア77-84で逆転勝利した。
試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2023/01/29 群馬 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
試合後の記者会見、アウェイでの逆転勝利にも桶谷HCは冷静に試合を振り返った。
「試合の出だしは良かったが、2クォーターでターンオーバーが増えたり、(群馬オフェンスに対して)ディフェンスで同じようなやられ方をしてしまい、試合のリズムが群馬にいってしまった」
「(群馬は)ジョーンズ選手がいない事でチームとしてまとまってプレイしていたと思いますし、ちゃんと全員を守っていないと守れないオフェンスをやってきて本当にやりにくかった」
「その中で、我慢しながら我慢しながら10点くらいリードされ続けながらボディブローを打ち続けたことで、またターズースキー選手もファウル4つ目になりディフェンスがソフトになってきて、そこを最後は突きながらセカンドチャンスを拾いながら、本当に我慢して我慢して拾った勝利でした」
「アウェイで2つ勝つことは本来難しく、群馬は今シーズン並里も入ってチーム力も上がっている。その中で2つ勝てた事は非常に大きな試合だったと思います」
桶谷HCは何度も『我慢』を口にした。シーズン中盤になってきて桶谷HCがよく口にする単語だ。
本来キングスは粘り強くディフェンスを続け、自分たちの流れが来た時に一気に襲いかかるチームだ。ボクシングに例えるなら、ガードを固めて我慢して、一瞬の隙を狙い続けるチャレンジャー。
本来あるべきチャレンジャーマインドを思い出させるような、そんな1月アウェイ連戦の最後だった。