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さあ沖縄バスケ、ルーツの旅に出かけよう

Bリーグ2021-2022シーズンも各地でしのぎを削った戦いが始まっているが、開幕戦を飾った注目のゲーム、琉球ゴールデンキングス対アルバルク東京の一戦はホームの琉球ゴールデンキングスの2連勝で5年前のBリーグ開幕ゲームの屈辱を返した結果となった。
田中大貴、ライアン・ロシター、安藤周人の日本代表選手と昨シーズン千葉ジェッツ優勝の立役者セバスチャン・サイズ、そして他の選手たちも名実ともにBリーグの花形選手たちが集まる、いわばスター軍団のようなアルバルク東京だが、なぜ琉球ゴールデンキングスに2連敗を喫したのだろうか。
開幕戦ともあり、固さや連携はまたまだのところはあっただろう。琉球も同様な印象であった。個人能力ではやはり東京に分があり、流れが悪い時間帯では個の力で突破し、得点するシーンは琉球よりも目立っていた。
2戦とも東京が終始リードしていたことも自力の差を表しているだろう。 しかし、最後には琉球が勝ちをもぎ取った。 勝利を引き寄せたものは一体なんであったのだろうか。

開幕戦活躍した琉球#13ドウェイン・エバンス(写真提供:琉球ゴールデンキングス)

地の利

琉球の開幕戦2連勝は決して偶然ではなく、勝つべくして勝った。
バスケ通の人たちは、2戦目はアルバルクが勝つのではないかと予想した人も多かっただろう。 琉球選手たちの躍動はもちろんのこと、他にも勝因はあるのではないかと。
それは地の利だったのではないだろうか。
2戦取材をしてみて一番感じたことは、琉球の一体感だった。コロナ対策で観客数は50%、拍手のみの応援にも関わらずシーズンファイナルのような一体感を感じたのは私だけではないだろう。 私が観客席最上階から感じたのだから、すり鉢状になっている沖縄アリーナでプレーする選手にはそれが何倍にも体感があったことだろう。
琉球の選手には気持ちが高ぶるほどの強力な応援に、東京の選手にとっては意識せざるを得ないとてつもないプレッシャーになっていたのだと思う。
特に琉球が猛攻を加えた第1戦目の4クォーターは、東京にとって普段ならなんなくこなせることが、外からの刺激によって普段通りのことができなくなり、気づいたら試合終了のような感覚だったかもしれない。
これは沖縄バスケの歴史が関係しているようだ。
沖縄のバスケには独特なものがある。 これは私の話になってしまうが、私の中学時代に全中(全国中学バスケットボール大会)を制したのはコザ中学校、そしてその頃、高校バスケでは全国大会で躍進していたのは北中城高校であった。
私は沖縄勢のバスケを見て、同じスポーツではないように感じたのを今でも鮮明に憶えている。選手全員が並外れたバネを持ち、独特のリズム感でプレーする姿はまるでアメリカ人がバスケをしているかのように思えるほど私に衝撃を与えた。
何故、あのようなバスケットスタイルになったのか、、、それは正にアメリカの影響であった。

沖縄バスケのルーツ

沖縄バスケのルーツは、まさしくアメリカだ。
皆さんもご存知の通り、沖縄には米軍基地がある。そして、1945年から1972年までのおよそ30年間、アメリカ統治時代があった。
その米軍基地内ではバスケットボールコートがあり、米軍達は昼休みにバスケをして遊んでいた。基地近くに住む人たちは、そんな姿を見ていたいただのだろう。
それに加えて決定的なものは『6チャンネル』だ。
『6チャンネル』?と思った人がほとんどだと思うが、ある世代以上の沖縄人にとっては常識だ。現在は映らなくなってしまったようだが、当時は『6チャンネル』が映ったのだという。
そのチャンネルではNBAやNCAA(アメリカ大学一部リーグ)がリアルタイムで観れたというのだから驚きだ。 日本のバスケ好きがNBAを観るはるか前から、沖縄の人たちはNBAを観ていたのだ。そしてNBAを観た後は公園で往年の名プレーヤーの真似をしていたのだという。 この話を聞いた時に学生時代抱いていた謎は解けた。
沖縄バスケットボールプレーヤーのスタイルはバスケの本場アメリカからきているものであった。

沖縄バスケの未来

Bリーグにおいて、昨シーズン注目を集めたトピックの一つに特別指定選手として琉球ゴールデンキングスでプレーした福岡第一高校(当時)ハーパージャン・ローレンス・ジュニアがいただろう。
ハーパーは沖縄市コザ出身で幼少期から沖縄バスケで育った。その後、高校バスケの強豪、福岡第一高校で活躍、現在は名門東海大学でプレーしている。
ハーパーのように沖縄出身で将来、日本バスケを担うだろう有望選手の輩出は沖縄バスケの未来に大きな影響を与えるに違いない。
現在、琉球ゴールデンキングスの応援でアリーナに足を運ぶ子供たちの中にも、未来のスター選手候補がいるのだろう。
ハーパーも地元の琉球ゴールデンキングスの試合をよく見に行っていたという。
未来をつくるのは、子供たちだ。
その子供たちが当たり前のようにバスケットボールという競技を知り、琉球ゴールデンキングスの観戦をし、バスケをする。このサイクルが沖縄にはある。
10月には全国にレンタルバスケットボールコートを展開するD-NUGGETS(ディー・ナゲッツ)が、沖縄市コザに沖縄初のキッズ用レンタルバスケットボールコートを出店した。今後も沖縄でレンタルバスケットボールコートの出店を予定しているようだ。沖縄の子供たちがバスケに触れる場が増えたということになる。
加えて、2023年FIBAワールドカップでは沖縄が開催地になっている。
2019年に開催され、盛り上がりをみせたラグビーワールドカップのような光景が2023年FIBAワールドカップにも期待される。
現時点で相当なバスケ熱なのだから2023年開催地、沖縄でどんな盛り上がりをみせるのか今から楽しみである。

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