沖縄に根を張る会社に継承して欲しい
キングスの成長を牽引してきた木村氏。彼がプロトソリューションをキングスの継承先に選んだ理由は何だったのか。白木氏はこう振り返った。
「(木村さんは)我々以外にも(継承先を)検討されていたと思います。検討するなかで、今のキングスを運営しているビジネスチームとの相性ができる限り良い会社とやるべきだというのが一つ。もう一つは、やっぱりここ沖縄にきちっと根を張ってビジネスをしている会社であってほしいという話はされていました。」
「それらのルールには我々は合致します、ということはずっとお伝えしていました。木村さんにもこの会社内を何度も見てもらい、会社の雰囲気を感じていただいたと思います。」
白木氏も木村氏も沖縄県企業の代表だが、自身は沖縄県出身ではない。県外出身者が『沖縄に根を張る』ことの大変さは並大抵ではない。「ビジネスをする上で沖縄ならではの大変だったことは?」と少し意地悪な質問をすると、白木氏は笑顔でこう話した。
「難しかったことは正直感じたことがなくて、常に楽しかったですね。逆に言えば楽しくするためにどうしたらいいか、とはよく考えていたような気がします。人生の半分以上は仕事するわけで、せっかく会社に来ているんだったら楽しくやってほしい、そういう環境を作っていきたいなと思っています。」
また、会社組織が一緒になるという事は、互いの良さを引き立てる事が出来なければ互いのプラスには進まない。白木氏も木村氏もそこを強く考えている。
「私にも経験がありますが、会社を継承するというのは相当難しい。それぞれのアイデンティティが元々あり、それを崩さずにどうプラスアルファしていくか。木村さんは私が考えるより何千倍もシミュレーションをして『プロトにしよう』と決めたのかもしれませんね。」
「キングスのビジネスチームは、少数のメンバーですごく機動性が高い。そのチームと相性がいい動きが出来るかどうか。彼らはとにかく優秀です。これは間違いないですね。もちろんキングスは良い選手がいるからこそ良いチームなんですが、そのビジネスチームの凄さも毎日感じています。」
「私も彼らビジネスチームと一緒に営業に行くんですが、その時に訪問先で『いつも応援しているよ』と言って頂いたり、逆にお土産を頂いたり、一緒にやれることが嬉しいという『愛』みたいなものを感じます。キングスが積み上げてきたカルチャーみたいなものを感じられました。それは嬉しかったですね。」
そんな今までキングスが積み上げてきたカルチャーに、プロトソリューションが一緒になる事でさらに積み上げていきたい『プラスアルファ』は何だろうか。白木氏は決意を感じさせる顔でこう話した。
「私が思っていることは、とにかく沖縄アリーナを常に満員にする。これがテーマの軸です。勝敗ももちろん重要ですけど、それよりも『今日も楽しかったね』と言って帰っていただく。やっぱりそこはより一層強めていきたい。目標はそこです。」
「もう一度来たい、あるいは期待以上だったねという瞬間はすごく重要視したいと思っています。実際に来て、次も行こうと思ってくれるお客様がどれだけいるか。お客様が友達に教えたくなってしまう、一緒に行こうよと誘ってもらえるかどうか。そこに一番こだわりたいですね。」
日本最高峰のアリーナでの観戦体験、白木社長もその凄さに魅了された一人だ。
「沖縄アリーナで初めて観戦した時、まず鳥肌が立ちました。同時に、こんな細かいところまでよく考えられているなと今でも常々感じています。東京ディズニーランドのように細部までとにかく細かく設計されている。中に入った一瞬でバスケを感じる瞬間を作るとか。待ち時間も不快にならないような環境や、どこから見ても気持ちよく観戦出来る角度も。それらにすごく感動しました。」