写真・文:大井 聖路
令和2年度沖縄県高校総体バスケットボール競技が7月18日に開幕し、19日までの2日間で1回戦から準々決勝までが行われた。7月23日に行われる準決勝を前に、ここまでの勝ち上がりを振り返る。
今大会は新型コロナウイルス感染拡大予防のため無観客で開催されており、ギャラリーで観戦できるのは3年生部員とビデオ撮影係1人に限られている。また、密を避けるため、8会場での分散開催となっている(例年は5会場)。試合中は体育館の窓が解放され、試合後は機材の消毒作業が行われる。ハーフタイムのコートを使ったウォーミングアップは禁止、試合前後の握手は行わないなど、細かな決まりを守りながら運営されている。
「保護者でさえギャラリーに入れない」ことに寂しさを感じる一方で、一人でも多くの選手に出場機会を与えるため、ベンチ入りメンバー数が15人に増やされているのは心温まる配慮だ(例年は12人)。各選手が「バスケットボールをできる喜び」をかみしめながら、はつらつとしたプレーを見せている。
大会はすでに準々決勝まで行われ、4強が出揃った。勝ち上がったのは男子が興南、コザ、豊見城、美来工科。女子は小禄、コザ、糸満、西原だ。
男子準決勝の組み合わせと、各校のここまでの勝ち上がり
興南×コザ
優勝候補筆頭の興南は、3回戦の前原戦を112対63、準々決勝の北中城戦を108対61と、本島中部の強豪を相手に100点ゲームを演じており、下馬評通りの強さを見せている。対するコザは、小橋川杯4位の名護を準々決勝で下し、勢いに乗って4強に名乗りを上げた。今大会の台風の目が、王者・興南とどう戦うか。文武両道を地で行く沖縄の名門・コザ高校が風を起こしたい。
豊見城×美来工科
興南の対抗馬として注目される豊見城は、準々決勝で強豪・小禄を107対49のダブルスコアで下しており、持ち味である堅守速攻に磨きがかかる。美来工科もまた、準々決勝で強豪・宜野湾を116対47のダブルスコアで下して勝ち上がってきた。豊見城と美来工科、オールラウンドプレーヤーを多く擁する両チームの対戦は、スキルフルな攻防が随所で見られること請け合い。注目の対戦である。
女子準決勝の組み合わせと、各校のここまでの勝ち上がり
小禄×コザ
1月の小橋川杯を制した小禄が、トーナメントのトップシードに入った。小禄は巧みなチェンジングディフェンスと、内外バランスの良い攻撃が魅力だ。今大会も貫禄の戦いぶりで4強入りを果たした。コザは、小橋川杯4位の那覇商を3回戦で下し、その勢いのまま4強へと駆け上がった。男女揃ってアップセットを起こし、準決勝進出を決めたコザ高校。ミラクルチームの活躍に期待したい。
糸満×西原
糸満は、ここまでの3試合すべてで失点を50未満に抑えており、持ち味の強固なディフェンスが光っている。西原は3回戦の名護戦を100対41、準々決勝の前原戦を88対58と、ハイスコアゲームで勝ち上がってきた。準決勝でも西原得意のランニングバスケがさく裂するか、それとも堅守とセットプレーを得意とする糸満に軍配が上がるか。盾と矛がぶつかり合う注目の一戦である。
準決勝・決勝戦の動画配信予定
琉球放送ホームページ内「全力部活」コーナーにて、準決勝と決勝戦を配信予定(配信開始日は調整中)。https://www.rbc.co.jp/news_rbc/zenryokubukatsu_mudajyanai/
沖縄テレビのYouTubeチャンネルにて、決勝戦をライブ配信予定。https://www.youtube.com/channel/UCjPVLguFrd6DTfHl2McrPjw