『悔しさ』という経験 B.LEAGUE FINALS Game2

(文:湧川太陽、写真(沖縄アリーナ):Kana)

 

5月29日(日)、BリーグファイナルGame2が東京体育館で行われた。Bリーグ初優勝を狙う琉球ゴールデンキングスだったが、前日のGame1は宇都宮ブレックスに 61 – 80 と完敗した。

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快晴の東京体育館には、前日のGame1よりさらに多くのキングスファンが遠く沖縄から詰めかけていた。

 

同時に沖縄アリーナで開催されたパブリックビューイングにも、多くのキングスファンが集まり、東京のキングスの勝利を願った。

 

多くのファンに支えられたキングス、まだシーズンを終わらせるわけにはいかない。勝負のGame2が始まる。

目次

1Q 悔やまれる宇都宮の”ファーストパンチ”

キングスのスターティング5は、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#4 コー・フリッピン、#13 ドウェイン・エバンス、#45 ジャック・クーリー。

宇都宮のスターティング5は、#6 比江島 慎、#18 鵤 誠司、#9 遠藤 祐亮、#40 ジョシュ・スコット、#42 アイザック・フォトゥ。

 

Game1はチェンジングディフェンスでキングスを混乱させた宇都宮は、このGame2でもいきなりディフェンスでキングスの出鼻を挫く。今村にダブルチームを仕掛け、ディフェンスで圧力をかけ、タフショットを打たせる。

先制点は鵤、ファストブレイクでボールを運びながら状況をよく見つつ自ら得点。

宇都宮はオフェンスでもGame1とは違う作戦を立ててきた。ターゲットは岸本だった。#40 スコット、#6 比江島、#9 遠藤が3ポゼッション連続して、サイズで劣る岸本をバックダウン(ドリブルしながら背中で押し込む)で攻めたて、そこからキングスディフェンスを崩しにかかった。キングスはいきなり宇都宮に0 – 9のランを許してしまう。

岸本に対するバックダウンからの崩しは、Game1では全く見せなかった宇都宮。ファーストポゼッションのダブルチームで先に仕掛けた事も、キングスの冷静さを少しでも削り取り、自分たちの攻め手をより効果的にする巧妙な意図が感じられた。

写真提供: B.LEAGUE

 

1クォーター終了時のスコアは、キングス 12 – 21 宇都宮。キングスは試合開始直後の 0 – 9 のランを詰める事が出来なかった。宇都宮のファーストパンチが悔やまれるスタートとなった。

 

2Q ”正しい判断”を奪われていったキングス

2クォーターも宇都宮の流れが続く。宇都宮は3ポイントシュートのディフェンスリバウンドやターンオーバーから積極的に走りファストブレイクを出す。2クォーターだけで宇都宮はファストブレイクで8得点を稼いだ。

嵩にかかり襲いかかる宇都宮オフェンスに、キングスはどんどん冷静さを奪われていく。

宇都宮は残り6:45から約1分20秒の間、#10 竹内を入れてオンザコート1の状態にした。この場面、本来であればキングスは優位性のあるインサイドで強引に攻め立ててシュートファウルを獲得すべきだが、マッチアップの#7 ダーラムはこのオンザコート1の時間帯にシュートを打つ事が出来なかった。

逆に宇都宮は冷静さを失わない。

ゾーンディフェンスを交えながらキングスにオフェンスリズムを作らせず、危ない場面ではファウルを効果的に使う。2クォーターの宇都宮のチームファウルは5だったが、その内4つは日本人選手。外国籍選手のファウルトラブルを避けつつゲームを進める事に成功していた。

 

2クォーター後半、キングスは岸本がオフェンスを3ポイントからインサイドへのドライブに切り替える。岸本のドライブによる連続得点、そしてセカンドチャンスから今村の3ポイントが決まる。

写真提供: B.LEAGUE

 

写真提供: B.LEAGUE

 

2クォーター終了時のスコアは、30 – 38と宇都宮8点リード。

キングスが苦しい時間帯、沖縄アリーナのパブリックビューイングからも多くのファンが声援を送っていた。ファンの応援を背に、キングスの強みであった”正しい判断”を取り戻せるか。

 

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