バックコート陣のファウルトラブルに苦しむキングス
3クォーター立ち上がり、キングスが攻勢に出る。フリッピンからクーリーへのノールックアシスト、エバンス、今村とインサイドアタックから得点を重ねて、残り8:10 41−40と逆転に成功。
だが宇都宮はペースを渡さない。インサイドからスコットの連続得点で逆転。さらに残り6:14 岸本が比江島のドライブに3つ目のファウルを受ける。バックコート陣のファウルトラブルはキングスにとって命取りだ。
キングスのバックコート陣は総力戦だ。小野寺、今村の得点で残り4:21、53 – 48とキングスは5点リード。
だが宇都宮はディフェンスで我慢を続ける。3クォーター残り4分をキングスの得点を4得点に抑える。
そしてフィーラー、フォトゥの外国籍ビッグマンがインサイドから得点。さらに宇都宮は劣勢だったリバウンドでも奮闘。3クォーターだけに限ってのリバウンド数は、キングス 11 – 8 宇都宮とほぼイーブンまで持ち直してきた。
3クォーター終了時には、56−54とキングス2点リード。だがリバウンドというストロングポイントで並ばれ、バックコート陣のファウルトラブルを抱えたキングスにとって、リードは有って無いようなものだ。
台本通りの『比江島タイム』
今季のCSの比江島慎は、試合を支配する脅威的な爆発力を後半の勝負所で発揮する。CSセミファイナルGame2、比江島は4クォーター11得点の大爆発でチームをファイナル進出に導いた。
宇都宮の作戦は、ディフェンスで集中力を切らさず、最後の『比江島タイム』に勝負を託す。比江島はそれだけ価値のある選手だ。
そしてこの日も台本通り『比江島タイム』が開演した。残り9:04 比江島は小野寺を背中に背負いながら『比江島ステップ』でバスケットカウントを獲得。ワンスローも決めて56 – 57と宇都宮が逆転する。
エースの活躍を受けて宇都宮のディフェンスの強度が上がってきた。スタンドの宇都宮ファンも勢いづく。
残り8:09、テーブスのドライブからフィーラーがプットバックダンク!スコアは56 – 60と宇都宮4点リード、エース比江島の活躍で完全に宇都宮のリズムだ。
比江島がスーパープレイをみせる。残り6:19、ステップインからバックボードの裏からシュートを決めてさらにバスケットカウント。最終的に比江島は4クォーターだけで11得点。まさに勝負所で試合を支配した。
キングスはエバンス、ダーラム、小寺の3ビックで勝負をかける。だがゾーンとマンツーを織り交ぜる宇都宮ディフェンスを破れない。キングスの4クォーターの得点はわずか5点。オフェンス、ディフェンスで完全に宇都宮に完敗した。
最終スコアは61 – 80。初めてのBリーグファイナルの舞台で、キングスは19点差で負けた。
試合後の記者会見で、キングス桶谷HCは痛すぎる初戦の敗戦をこう語った。
「2ビッグの時はいい時間帯が出来たが、ローテーションの関係で3ビッグを使った時に宇都宮のゾーンにボールが止まってしまった。」
「後半3クォーターはラスト直前までいいプレイが出来ていたが、最後の2、3ポゼッションで宇都宮にオフェンスリバウンドを許してセカンドチャンスを与えてしまい、流れを完全に自分達に持ってこれなかった。」
「4クォーターも自分たちのボールムーブがない状態になって、相手に走られてしまった。」
「自分達のオフェンス・ディフェンスコンセプトを40分間やり続けられるようにしたい。宇都宮のストレスで40分間ストレスがかかる状態で実行するのはタフな状況だが、それを乗り越えないと勝利は無い。明日もう一度マインドセットして勝利したい。」
最後に、今村の言葉を伝えたい。キングスはまだチャレンジを諦めていない。
「本当に苦しいファイナルのスタートだが、自分達は誰も成し遂げられなかったゲーム2、ゲーム3を連勝して優勝、という誰も出来なかった事にチャレンジ出来る、それは自分としても楽しみです。切り替えて明日もう一度宇都宮にチャレンジしたい。」